茂木健一郎（@kenichiromogi）さんの連続ツイート第1332回「泡沫候補の誇りをもって」

茂木健一郎 @kenichiromogi

連続ツイート１３３２回をお届けします。文章は、その場で即興で書いています。本日は、国際ニュースについて。

茂木健一郎 @kenichiromogi

香港で、２０１７年に行われる行政長官占拠をめぐり、「候補者はあらかじめ選んでおいて、その中で決める」という中国側の決定に対して反発する、学生たちのデモが勢いを増している。支持したい。「一国二制度」の下、香港には高度な自治が認められているはずが、徐々に締め付けが強まっている。

茂木健一郎 @kenichiromogi

中国側は、台湾も、将来は香港と同じように「一国二制度」の下で統一したい意向と言われる。中国の現在の政治文化が香港や台湾の自由に近づくべきか、あるいは、中国本土の政治文化が香港や台湾の自由に近づくべきかと言えば、後者が望ましいことは、明らかであろう。

茂木健一郎 @kenichiromogi

香港のデモは、政治的自由が、広がるのか、あるいは強権的な政治文化が広がるのかという一つの試金石であり、自由の拡大を求めて行動している若者たちを私は支持する。海外のメディアの中では、第二の「天安門」化することを懸念する論調が出て来ているが、平和的な解決を模索して欲しいと思う。

茂木健一郎 @kenichiromogi

選挙の候補をあらかじめ「ふさわしい人」だけに絞っておくというのは、中国の現行の政治文化の中では受け入れられるのだろうが、民主主義に関する一般原理からほど遠い。誰でも、一定の要件を満たせば立候補できるのでなければ、そもそも民主主義という名にあたいしない。

茂木健一郎 @kenichiromogi

日本の選挙では、特に首長選挙において、時に「泡沫候補」と呼ばれるようなユニークな人たちが立候補する。戦国武将の名前がついていたり、パフォーマンスをしたり、やや極端な主張をしたり、キャラクターが立っていたり。しかし、そのような「泡沫候補」もまた立候補できるのが民主主義だ。

茂木健一郎 @kenichiromogi

一部の「泡沫候補」の「政見放送」は、みんなが楽しみに見るエンターティンメントになることがあり、カルト化し、伝説化することもある。そのような動きを、けしからんと眉をひそめる人もいるかもしれないけれども、泡沫候補もまた出馬できるからこそ、民主的な選挙だということを確認したい。

茂木健一郎 @kenichiromogi

行政側が、あらかじめ、「この人たちこそが行政官にふさわしい」と選択して、その中で選挙するのは、民主主義でも何でもない。泡沫候補もまた立候補できるのが、民主主義である。私たちは、泡沫候補が許される国の人間として、誇りをもって、香港の若者の行動を支持すべきである。

茂木健一郎 @kenichiromogi

以上、連続ツイート１３３２回、「泡沫候補の誇りをもって」をテーマに、７つのツイートをお届けしました。