彷徨う三日月:曙と如月、由良の仲裁

遠征班で一緒になった曙と如月の言い争いは……
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彷徨う三日月 @DD_crescent

「だからあんたたちと一緒にしないでって言ってんのよ!」 「なんですって……!?」 私が遠征班の集合場所に到着すると、先に集まっていた艦娘たちの間から言い争う声が聞こえてきました。 曙と……如月でしょうか。

2014-10-07 03:39:01
彷徨う三日月 @DD_crescent

潮が泣きそうな顔で曙の袖を引っ張っていますが、曙の態度はこの基地に来た頃のまま…… 如月は……提督とああいう関係ですから、曙と反発しあうのは仕方ないのですけれど…… 提督からあの話を聞いた私は曙の態度の悪さは問題だと思いつつ、彼女に同情せざるをえませんでした。

2014-10-07 03:39:38
彷徨う三日月 @DD_crescent

「如月、やめましょう……曙も潮を困らせないであげてください」 ……ああ、案の定双方からすごい目つきで睨まれました…… こうなりたくなかったから周りの娘も割って入ってまでは止めたくなかったのでしょう……

2014-10-07 03:40:27
彷徨う三日月 @DD_crescent

フン、と鼻を鳴らしてそっぽを向く曙。 じっとりとした視線でねめつけてくる如月。 「三日月、どうしてこんな娘の肩をもつの?」 「いえ、別に肩をもつわけではないのですけれど……」 「じゃあどうして司令官のことあんなふうに言われて平気なわけ?」

2014-10-07 03:40:48
彷徨う三日月 @DD_crescent

それは、と。 何かしらそれらしい弁明をしようとして、私は自分の舌が回らないことに気づきました。 (このことは、他言無用だ) あの提督の命令が、私に干渉している。 私自身が、このまま会話をすることで何かしらの情報を如月や曙に与えかねない可能性を感じているから?

2014-10-07 03:41:19
彷徨う三日月 @DD_crescent

「……三日月、あなた……」 黙り込んだ私に向けられる、如月の探るような視線。 ああ、どうすれば……とにかく何か言わないと、と焦る私の後ろからかかる声。 「ちょっと! あなた達何騒いでるの!?」

2014-10-07 03:42:01
彷徨う三日月 @DD_crescent

由良……遠征班の旗艦を担当する由良がようやくきてくれました…… 集まっていた駆逐艦たちから一通り事情を聞くと、由良は予定されていた班分けを一度解消する、と宣言しました。 「はぁ……とりあえず、潮ちゃん、曙、それと三日月、あなたは私の班」 「は、はい……」 「……了解よ」 「はい」

2014-10-07 03:43:03
彷徨う三日月 @DD_crescent

「如月たちは龍田さんの班に入れてもらいなさい。えーと、あっちからは……」 由良は遠巻きに見ていた野次馬の駆逐艦娘を追い返し、ちょっと龍田さんと相談しなきゃ、と言って走っていきました…… その日の遠征は、どことなく気まずい雰囲気のままこなすことになったのは言うまでもありません……

2014-10-07 03:43:39
彷徨う三日月 @DD_crescent

そして。 遠征から帰還した私達……いえ、曙を、運命の選択が待っていました……

2014-10-07 03:44:09