#完全ノープラン艦これ与太話 【ノー・リモース・リコンストラクション】 #5~#6

ニンジャスレイヤーをリスペクト重点した艦これファンジンSSです。 初風の首が飛ぶ!サツバツ!妙高が出てチョップで殺す! #1~#2: http://togetter.com/li/721721 続きを読む
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春魔解丼 @vespiking

「グウウーッ!」モルワイデは魚雷5本分の海面を後退し、どうにかストップした。両腕艤装がミシミシと音を立て、圧迫された胃袋から押し出された黒い体液が、ごぼりと口から零れ、両腕に突き刺さった球磨の生首に降り注いだ。「オ、ゴ……てめェ……」妙高は無表情だ。 #KZNPLN

2014-10-16 00:18:50
春魔解丼 @vespiking

「……そうですわねえ。もう数日くらい、クランを延命できたかもしれませんのに。愚かな艦ですわ」頭部を失った球磨を投げ捨て、妙高は冷ややかに呟いた。トバシ・クビ・キャノン。なんたる破壊力か。モルワイデもまた、球磨の生首を海中へ投棄した。 #KZNPLN

2014-10-16 00:20:57
春魔解丼 @vespiking

続いて、妙高の瞳が間近のブラックピーコックをじろりと睨む。「ヒ、ヒイーッ!?」「……ご安心下さい。オヤブンが死に、貴女方を殺す理由もなくなった。キルクレセントを退けた評判が広まれば、まあ、暫くは攻めてくるヤクザもいないでしょう」続いて、モルワイデを再び見る。 #KZNPLN

2014-10-16 00:25:51
春魔解丼 @vespiking

「……チッ」モルワイデは舌打ちし、睨んだ。睨み返すのではなく、睨んだ。奴はこちらを睨んでいない。敵意を向けていない。目を向けただけだ。この上ない屈辱であった。「サメワニ沖のモルワイデ。いいでしょう。覚えておきますわ。縁があれば、また」 #KZNPLN

2014-10-16 00:30:10
春魔解丼 @vespiking

妙高は去り際、メルカトルを強く睨んだ。刺すような殺気が、幼いメルカトルを射抜いた。それが何を意味したのか。彼女にはまだ、わからなかった。生存の安堵だけが残った。モルワイデはその場にへたり込む。守り抜いた。亡き浦風から貰い受けた、この海を。今は、それだけを考えよう。 #KZNPLN

2014-10-16 00:33:49
春魔解丼 @vespiking

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2014-10-16 00:34:28
春魔解丼 @vespiking

「レップーカイ!スゴイ!レップーカイ!」メルカトルは目を輝かせ、飛龍の周囲をぴょんぴょんと跳ね回った。「そ、そんなにスゴイ……?ほ、ほら」飛龍は烈風改を手渡した。「スゴイ!スゴイ!」烈風改。最新鋭の艦上戦闘機だ。 #KZNPLN

2014-10-16 00:37:27
春魔解丼 @vespiking

現代の艦娘用烈風シリーズは、大戦期の同名戦闘機をモデルとしつつ、単なるダウンスケールに留まらない。当時目指していたスペックを実現すべく大幅に改善が施され、名実共に零戦の後継機として申し分ない戦闘機に仕上がっている。 #KZNPLN

2014-10-16 00:41:25
春魔解丼 @vespiking

「オカーサン言ってた。むかしの烈風、あんまり強くないって。でも、これすごく強そう!」メルカトルは古びた本を広げた。大戦期の航空機の図鑑だ。「そうそう。これ、筑摩さんという美しい方がつくった。ここ、エンジンとかが違う。実際傑作な」弥生もきゃあきゃあとはしゃぐ。 #KZNPLN

2014-10-16 00:44:08
春魔解丼 @vespiking

はしゃぐ1隻と1基をよそに、蒼龍はモルワイデにオジギした。「ありがとうございます。まさか、サメワニのスシネタを送ってくださるなんて」「いいよ。ウチは別にスシ屋じゃないし、正当なカネと安全保障が貰えれば、スシネタくらい出すさ」 #KZNPLN

2014-10-16 00:46:36
春魔解丼 @vespiking

背後のクーラーボックスには、大量のオーガニック・マグロやアナゴが氷漬けで保管されている。少なくともスシ・コンの開催には充分だろう。ツキジにも話を通し、独自ルートを持たない弱小スシ屋にも配分する予定だ。モルワイデらも、スシ・コンでメルカトルの母の情報を集めるという。 #KZNPLN

2014-10-16 00:51:01
春魔解丼 @vespiking

とりいそぎドックに放り込まれ、修復プールでバイオ再生していた夕張も、はやる気持ちを抑え切れなかった。いよいよ、本番だ。どこまで貢献できるかは、わからぬ。何も変わらぬやも知れぬ。だが、やらなければ何も動かない。夕張はギーク気質だ。何事もまず、動いてみねば。 #KZNPLN

2014-10-16 00:53:06
春魔解丼 @vespiking

「ネエ、島風は来るの!?」「島風なら、今遠征中だったはずよ」「チェー」ブラックピーコックは残念そうに脚をばたつかせた。しかし、顔は笑っている。和気藹々としたアトモスフィアを眺めながら、モルワイデはしかし、怪訝な顔を浮かべていた。「アレ、モル、どしたの?顔色悪いよ」 #KZNPLN

2014-10-16 00:56:47
春魔解丼 @vespiking

「……いや。その間宮って艦。どこから、何を仕入れてるんだろうな……」別に何という事ではない。著名なスシ補給艦ともなれば、独自のルートを持っていても何ら不思議ではない。だが、モルワイデには無性にそこが引っかかっていた。理屈ではない。裏社会に生きる者の、嗅覚だ。 #KZNPLN

2014-10-16 00:58:53
春魔解丼 @vespiking

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2014-10-16 00:59:04
春魔解丼 @vespiking

「ハァーッ……ハァーッ……スシ……スシを……!」薄暗い帝都の夜道で、ぎらぎらと目を輝かせながら、駆逐艦が頭を掻き毟った。「スシ……間宮さんのスシ!アアアーッ!」駆逐艦は口から泡を吹き、ガンガンと電柱に頭を打ちつけ、電柱に赤い染みだけを残し、動かなくなった。 #KZNPLN

2014-10-16 01:01:30
春魔解丼 @vespiking

帝都では、朝見つかる浮浪者の死体などチャメシ・インシデントである。ケンペはいつも通り駆逐艦の死体を回収し、いつも通り電柱の血液に着目し、いつも通り転倒死として記録し、『検死解剖不要』の欄にチェックした。いつも通りの朝が、始まった。 #KZNPLN

2014-10-16 01:03:53
春魔解丼 @vespiking

ネオヨコスカ・スシ・リコンストラクション当日の朝は、かくして、いつも通りに始まったのだった。 #KZNPLN

2014-10-16 01:05:00
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