『炎 アンサンディ』感想 まとめ
- honoh_tram
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カナダの映画監督ドゥニ・ヴィルヌーヴは、今のところ私にとっては十割打者。あらためて思うのは、寓話そのものの『渦』『複製された男』と、リアリズムタッチの『灼熱の魂』(『炎 アンサンディ』の映画版)『プリズナーズ』、この2つの路線のどちらもが面白いという凄さ。
2014-10-15 01:25:32『炎アンサンディ』。岡本健一は、複数の役を器用に演じる。ひとつひとつの役を楽しんで、工夫して演じているのが伝わって来る。素晴らしい俳優だ。最後に重要な役を演じるのだが、それがまた素晴らしい。こういう不遜な、けれども弱さを抱えている男の役が、すごく合う。リチャード三世もそうだった。
2014-10-15 01:23:33『炎アンサンディ』。「読み、書き、数をかぞえ、話す。それが自分の身を守ることになる」。その通りだ。しかし、戦争という巨大なものの前では、それはまったく役に立たない。人間というものは状況によって恐ろしく残酷になってしまう。被害者にも加害者にもなる。そんななかでいかに尊厳を保つか。
2014-10-15 01:20:31『炎アンサンディ』。深くて豊かな戯曲。戦争が題材の重い話だが、母の過去を辿る双子、という謎解きの話を軸にしているので、先の展開が気になって引き込まれる。役者はどの人も素晴らしい。特に主役の麻実れいは堂々とした演技で、独白のシーンは泣かされた。理不尽に立ち向かう強さと、母の深さ。
2014-10-15 01:17:51「炎 アンサンディ」 岡本健一さんと言えばと、録画してあった「非常の人 何ぞ非常に」を流してるんだが、そういえば小柳友くんも陰間役で出てるんだった。 さっきの二人が、ちがった関係性で出ていて、なんだか面白い。
2014-10-15 01:13:33『炎アンサンディ』。ナワルを演じた麻実れいの説得力のある演技で、ナワルのすさまじい生涯、そして戦争、復讐の連鎖が生む悲惨さが生々しく迫って来る。毅然と戦争に立ち向かうナワル。極限状態にあっても尊厳を保つこと、それこそが人間であることの証なのだ。
2014-10-15 01:11:16「炎 アンサンディ」 今回の演出、神話性とリアリズムの間のどこらへんに落としたいのかというのが、自分にはハッキリとはわからなかった。 ストーリー展開の無茶さは、歌舞伎が似合うんじゃないかなと思ったり。でも、様式美的につくっちゃうと、寓話性が強くなりすぎちゃうかな。
2014-10-15 01:07:09『炎アンサンディ』。双子の旅と同時進行で、双子の母・ナワルの凄まじい生涯が描かれる。双子は母の過去をなにも知らなかった。ナワルは子供たちになにも真実を知らせず、自分の過去についても語らず、ただただ沈黙していたのだ。
2014-10-15 01:04:31『炎アンサンディ』。双子の姉弟が、モントリオールから中東まで旅をして、おぞましく目をそむけたくなる真実に辿り着く後半は緊張感に溢れている。その残酷さには、沈黙する以外にない。
2014-10-15 01:01:29『炎アンサンディ』観劇。恐るべき戯曲。レバノン戦争の話で、現在と過去を行き来する構成なので、もっと難解かと思っていたが、シンプルでわかりやすい効果的な演出で、すっと作品世界に入っていけた。死んだ母の遺言に従い、亡くなったはずの父と、存在すら知らなかった兄を探す旅に出た双子の姉弟。
2014-10-15 00:58:58「炎アンサンディ」を観てきた!感動とか、涙するとか、そういう処理の仕方ではないなと観ながらじりじりと思った。そして観終わった後は投げられた疑問を残して大きな溝をつけられたような感覚がした。こうなったのは何故だ?という疑問を、言葉を使わず目や存在だけで、ただじっと黙って。
2014-10-15 00:57:37「炎 アンサンディ」 しかし、麻実さまは、ホントカッコイイよなぁ。後半の長い髪のところは、ちょっとどうしようかと思っちゃったくらい。 明確にはされてないけど、あそこでナワルが言ったことを実際に実行した女性が、サウダなのかなと思ったのだが。 あれ?あの写真はいつ撮られたんだっけ?
2014-10-15 00:38:54「炎 アンサンディ」 映画にもなってて、知ってる人は知ってる話なのかもしれないけど、一度目はネタバレなしで見た方がいいと思うんだけどな。 以下微妙にネタバレ。 というのは、ぱらぱら検索したら、元ネタの話のタイトルを出している記事が目について。その名前出したらオチがわかっちゃうよ。
2014-10-15 00:26:05岡本健一くんの、ある意味ライブパフォーマンス(最前列だったこともあり、生声が聞こえて)はステキだった。 さすがだわ。 撃たれた。写真撮られた。と言っていた方の興奮がさっきわかった( ̄ー ̄)
2014-10-15 00:14:08「炎 アンサンディ」終演後、しばらく立てなかった芝居は本当に久々。分かった風な感想を口にしたくない。が、誰かととことん語り合いたい。そんな芝居だった。ギリギリだけど観に行けて良かった。
2014-10-15 00:13:43『炎 アンサンディ』ただそのわりには、イスラムのベールとキリスト教の十字架が混在していたりして、細かい部分に目をやると気になってしまうところがある。ほとんど素舞台の抽象的表現なのだから、そういう具体的アイテムも中途半端に出さない方が良かったのに。これは演出の問題か。
2014-10-15 00:10:00シアタートラムにて『炎 アンサンディ』観劇。評判通りとても素晴らしかった。オイディプス王か日の浦姫かな真実。土の上に椅子くらいしかないシンプルな美術なのに映画のような光景が次々と目に浮かんできた。字の読み書き、赤鼻などの伏線が血の赤へ繋がった。 中嶋しゅうさんが砂漠のオアシス。
2014-10-15 00:07:30『炎 アンサンディ』ちなみにレバノン内戦の知識は、舞台を見るのにはほとんど関係ない。見ていく内に「そうだ、映画でも具体名は一切出さず抽象的な感じにしていたので、一体どこの国の話か気になったんだ」と思い出した。戯曲自体が、歴史的な具体性よりも普遍性を重んじているのだろう。
2014-10-15 00:06:44「炎 アンサンディ」 こんなシリアス話に申し訳ないんだけど、小柳くんのシモンと、中嶋さんのエルミルで、ちょっと萌えてしまった。 だって、あんな出生だったら、完全にファザコン間違い無しなところに、エルミルが、もう、惚れるだろ!って言動かましまくりで。 顔の距離が近いんだ(笑)
2014-10-15 00:04:34「炎 アンサンディ」 麻実さまの最後の表情が素敵でごまかされちゃうんだけど、個人的には、あんたの遺言で子供達が幸せになったの?という疑問が。 呪いの連鎖を断ち切るという話が何度か出てくる割りに、結局子供に呪いかけてるよなぁという感じがするのだが。それが親の業という話なのだろうか。
2014-10-14 23:57:48「母は強し」って言うのは、ほとんどの母(女)は自分の子供っていう光を外部に作ることができるからなのかなって思うと、男の人に求められる、希望を自分で見つける、作り出す力ってのはどれだけのエネルギーが要るのだろう。
2014-10-14 23:52:31シアタートラム『炎 アンサンディ』観劇。簡単に言葉にはなってくれない。はじまりがわたしたちと同じ現代だから、過去と壮絶な記憶へ人物たちと一緒にただ引きずりこまれる。…人間が沈黙するということ。沈黙。今夜は沈黙について思考する。
2014-10-14 23:51:37