飲み屋『赤ランプ』の常連物書きS氏が恋愛お題ったーに挑戦 #rendai

同じ部署の先輩社員である浅倉さんは上司と不倫の関係にあって、一週間程前、破局した。恋愛なんて面倒なことからは距離を置いていた「僕」は、浅倉さんの失恋の愚痴を聞かされて…。 ほんの少しだけ触れ合う、大人の男女のショートストーリー。眠れない夜のお供にどうぞ。 恋愛お題ったー (診断メーカー) 続きを読む
恋愛 s氏
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figment @aka_lamp
aka_lampさんは、「早朝のキッチン」で登場人物が「ひっぱたく」、「眼鏡」という単語を使ったお話を考えて下さい。 http://shindanmaker.com/28927 #rendai
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よし、よい練習になるので今から考える、カウンターで飲んでた物書きSが。てかこれ、このキーワードみっつの時点で既にほぼ出来ている気もするけど、とか強気の発言。
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とりあえず「ひっぱたく」と「眼鏡」がある以上、眼鏡の上からひっぱたかれて「危ないからやめてよ」の流れは外せないわけで。で、ひっぱたかれるほど相手を怒らせた理由を考えればよいのさ。
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場所は「早朝のキッチン」か…。
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朝食を一緒に食べるのが夢だったのだと、彼女は言った。叶わないからこその夢だったの、と。
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同じ部署の先輩社員である浅倉さんは上司と不倫の関係にあって、一週間程前、破局した。
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僕は実に昼行灯のぼうっとしたボンクラで、そりゃ人並みに女の子は好きだけれど、今ひとつ好いた惚れたと言うのは面倒くさい、別世界の事のように捉えていた為、その事を知った時、世の中にはそんな面倒な事を本気でしている人たちが本当にいるんだなぁ、と的外れな事を思ったくらいで、
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完全に我関せず、蚊帳の外も良いところだった。 それがどうして巻き込まれることになったのか、前述の通り僕はぼうっとしているので、浅倉さんに捕まってしまったと言うのが正しい。僕には姉が三人もいるせいか、昔から女性の話を聞くのが上手らしかった。
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愚痴を聞かせるのに都合が良いというだけで自慢にもならないが、浅倉さんはおそらく失恋の痛手を少しでも癒す捌け口を探していて、敏感に僕のそうした部分を感じ取ったらしかった。 あれよあれよと話は進み、僕は浅倉さんに引っ張られ、二人でチェーン系の居酒屋に行った。
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浅倉さんは捨て鉢なのか、最初から飲むペースが早かった。  「佐竹くんさぁ、知ってるんでしょ、あたしと村田さんのこと。てか知らない人なんていないっつーのね、あーああたし飛ばされるのかなぁ、ねぇねぇどー思う?」
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そんな絵に描いたような絡み酒だったが、「どうせ皆知ってるからさぁ、言ってもいいよ、今晩の事」と言い出したあたりから雲行きが怪しくなった。
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面倒を何よりも嫌う僕だったが、それ以上に、少しだけむっとしたのも事実だった。愚痴を聞くくらいならいいが、利用されるのは御免だ。 「飲み過ぎですよ、送りますから、もう今日はお開きにしましょう」「いや。もう一軒いいじゃない」「体に障りますよ」「別にいいもん、どうなっても」
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「よくありません。少なくとも、僕は困ります」「冷たいなぁ」「冷たくて結構です、そんなに行きたければお一人でどうぞ」そう言って実際、僕は背を向けて歩き出した。背中にバスン!と何かが当たる。口を引き結んで涙を流す浅倉さんが仁王立ちのまま僕を睨んでいた。
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足元の、浅倉さんが投げたと思しき鞄を拾う。こどもじゃないんですから、と言い掛けた僕に「ひどいじゃない」ほとんど涙声だ。 「少しくらい、優しくしてくれたっていいじゃない」自分勝手な言い分。だが浅倉さんは尚も泣きながら訴え続けた。
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如何に上司と付き合っている間辛かったか、でも別れた今の方がその何倍も辛いのは何故か、自分がバカで都合の良い女だったことくらいわかっている、それでも、どれだけ上司の事を好きだったか。そして最後に、消え入りそうな声で言ったのだ。朝食を一緒に食べるのが夢だった、と。
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斯くして浅倉さんは僕のアパートまでやってきたが、来るなりトイレに篭り、静かになったので心配になって様子を観に行ったらそのまま寝ていた。仕方なく僕のベッドまで運んだものの、目を覚ます気配がない。
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息は酒くさいし、軽く鼾はかいているし、そんな女性相手に色っぽい展開など何もないまま、かと言って同じ部屋で眠る事も出来ず、早朝、所在ない僕はキッチンにいた。僕は自炊が好きで、お弁当も持参する程だったので、キッチンにいるのは好きだったし、何よりとても落ち着いた。
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小腹が空いたので、一昨日作ったミネストローネに火を入れる。パンも食べてしまわないと、そう思ってオーブントースターのタイマーを捻り、キッチンの入り口に人の気配を感じて顔を上げるが早いか、間髪入れずにひっぱたかれ、眼鏡が飛ぶ。
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「ってぇ…」突然の事で頭が真っ白だった。眼鏡の上からひっぱたかれたせいで、顳顬がピリピリする。ところが、殴った方が泣きそうな顔をしているのだから参る。 「ひっぱたかれるような事、僕、してませんよ」「だからよ!」大きな声を出して頭に響いたのか、顔を顰める。
figment @aka_lamp
「二日酔いの薬、ありますよ」それを探す為に僕が眼鏡を拾おうとするより先に、浅倉さんが眼鏡を拾い、小さな声でごめん、と謝りながら差し出す。  受け取ろうと手を伸ばす。視線が絡む。「佐竹くん」「なんでしょう」
figment @aka_lamp
「眼鏡ないと、結構目つき悪いのね」初めて気付いた、と無邪気に笑う彼女の指先が少しだけ僕の手に当たる。冷たくて、僕はその事に動じた。
figment @aka_lamp
早朝のキッチンはパンの焼けるいい匂いに包まれ、やかんが音を立てて沸騰した事を告げている。今日は土曜日で、会社も休みで、この後の事を考えようとして、朝日に目が眩み、溜息を吐く。  光で散り散りになった次に言うべき言葉を、僕は今、必死で探している。了。
figment @aka_lamp
と、友人の物書き寿見屋による赤ランプのっとりナイト再びでした。

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