俺達の戦いはこれからだ

RTで流れてきてなんだこりゃと読み始めて落着まで一気に読みきってしまったので勢いで自分用にまとめてみた。
8
@nezikure

「物語の途中で新しく力に目覚めたり、隠された能力が開放されたりするじゃん」 「うむ」 「アレが序盤なら物語の中の犠牲も大きく減ると思うのよ」 「それは…まぁそうだな」 「というわけで作ってみました」 「おま」 「経口摂取で覚醒過程をぶっとばせる薬、名付けて覚せいz」 「ヤメロ!」

2014-10-27 21:46:54
@nezikure

@nezikure 「この薬をスプーンの上に乗せてアルコールランプで軽く炙って…」 「おい」 「溶け出してきた所を注射器で吸い上げて」 「おいっ」 「肘の血管に刺して、少し自分の血液を吸い上げて、軽く混ぜてから」 「おいッ!!」 「注入する事で高価は何倍にも…」 「おいィ!!」

2014-10-27 21:50:53
@nezikure

@nezikure 「うるさいなぁ」 「おま…お前、自分がどれくらい際どい真似をしているか自覚がないのか!?」 「大丈夫大丈夫」 「全然大丈夫に見えないんだが…」 「いい?この薬はフィクションです、実在の薬物及び法律とは 一切関係ありません。OK?」 「あ、お…う、うむ」

2014-10-27 21:55:49
@nezikure

@nezikure 「では早速この『覚せい剤』を…」 「待て」 「まだ何かあるの?」 「名称を変えよう」 「…」 「面倒臭そうな顔すんなし、めっちゃ重要な事だからな?」 「じゃあ『S』とか?」 「却下」 「『アイス』」 「それも却下」 「『バ◯ァリン』」 「ヤメロォ!!」

2014-10-27 22:00:26
@nezikure

@nezikure 「『バ◯ァリン』の半分は【曖昧な物質】な物質で出来ています♪」 「【曖昧な物質】…」 「表には出せません」 「ダウト」 「裏でも流通していません」 「当たり前だッッ!!」 「実在のバファリンとは一切関係ありません」 「だから名称を変えろッッ!!」

2014-10-27 22:05:14
@nezikure

@nezikure 「じゃあもう適当に『薬』でいいじゃん、最近そういうの流行ってるんでしょ?」 「何処の世界の流行だよ」 「…火星あたり?」 「……あぁ、うん。ソウネ」 「というわけでこの『薬』を実際に使ってみようと思います」 「いや、それはダメだろう」 「何故?」

2014-10-27 22:09:55
@nezikure

@nezikure 「物語の中での成長が…」 「それってすぐ強くなって、周りの人を助けられる事より重要?」 「主人公としてだな…」 「銃や剣は使っていいのに薬はダメなの?」 「あ、いや…でもだな…」 「百万回見たような成長や覚醒イベントが、そんなに重要?」 「…」 「命より?」

2014-10-27 22:13:03
@nezikure

@nezikure 「女の子が拉致されて、一人で来いと呼び出されて走って現地に向かう学生の主人公をどう思う?」 「そりゃ、走るだろう」 「自転車にくらい乗ったらダメなの?」 「あ、いや…それは」 「タクシーでも良いよ、そもそも着くまで無事だって保障、無いよね?」 「…あぁ」

2014-10-27 22:16:04
@nezikure

@nezikure 「フラフラで現地に付いて、戦えるの?」 「戦う」 「そこで適当に苦戦して覚醒?」 「まぁ、そうなるだろ」 「その間、拉致された女の子は?」 「捕らえられてるだろうな」 「生かしておく理由の無い状態でね?」 「…」 「ご都合主義が全部ダメだとは言わないけどさ」

2014-10-27 22:19:28
@nezikure

@nezikure 「ソレしか無いだろ」 「ソレが普通の展開だと思ってる時点で異常だよね?」 「俺だってそう思うよ!」 「でもさ」 「なんだよ!」 「女の子が犠牲になって覚醒する物語はクソだよ」 「ッ」 「どんなに綺麗でも、胸を打っても、切なくても、ソレはクソだと私は想う」

2014-10-27 22:22:23
@nezikure

@nezikure 「だったら、だったらどうしろっていうんだ…」 「だからさ、優しい私が用意してあげたんじゃないか この物語は文庫本で20冊以上もだらだらとは続かない、犠牲者を引きずったまま上中下巻を挟まない、その薬がアンタを世界で最強にする」 「…本当か?」

2014-10-27 22:25:52
@nezikure

@nezikure 「もちろん副作用はある」 「副作用?」 「新キャラも新ヒロインも出てこない、アニメにもならない、コミカライズもしない、ハーレム展開も水着回も無い、端的に…売れない」 「ハハッ」 「どう?尻込みした?」 「あのさ」 「うん」

2014-10-27 22:28:31
@nezikure

@nezikure 「『ソレって、俺達に関係なくねぇ?』」 「―――――うん」

2014-10-27 22:29:39
@nezikure

@nezikure 「『薬』をくれ」 「はいよ」 「飲めばいいのか?」 「さっき言った手順の方が効果がある」 「じゃあ、それで」 「文章化出来ない表情しないでよ」 「絵面を考えろ?どう考えてもアレをキメてる奴にしか見えないだろうが」 「挿絵入れとく?」 「ヤ・メ・ロ!!」

2014-10-27 22:33:26
@nezikure

@nezikure 「あと、言ってなかったけど」 「?」 「一瞬でアンタが辿る筈だった物語がアンタの脳裏に再生されるから覚悟して」 「何?」 「はい注入」 「お、ま…グあぁァaaaaaッッ!!!!」 「おぉ、覚醒シーンっぽい」 「テメッ他人事みたいに!!!!!!!!!!!!」

2014-10-27 22:37:40
@nezikure

@nezikure 「…落ち着いた?」 「…百回以上死んだ気分だ」 「アンタ死ぬ度に強くなるタイプの主人公だったんだ」 「これで何十万人も死なずに済む」 「物語が進むと人死が増えるタイプの物語だったんだね、知ってる人はいた?」 「何人も」 「アンタの為にも?」 「何人も死んだ」

2014-10-27 22:42:23
@nezikure

@nezikure 「その過程をぶっとばして、どう想う?」 「…こんな物語はクソだ、クソ以下だッッ!!」 「結構、じゃあ行きなよ」 「おう、行ってくる」 「ん」 「あぁ、そうだ」 「何か?」 「帰ってきてから、お前の水着が見たい」 「…………は?」

2014-10-27 22:46:58
@nezikure

@nezikure 「浴衣着て祭に行ったり、一緒に温泉にも行きたいし、文化祭も回りたい」 「え、ちょ」 「他のヒロインとフラグ立てて、お前を悩ませたりしない」 「や、でも」 「今から助けに行くアイツは、巡り巡って俺の妹だ」 「はァ!?」 「俺も驚いてる、っていうか驚いた」

2014-10-27 22:49:44
@nezikure

@nezikure 「この物語は本来ハーレムエンドだけど、お前一人で手一杯だし、俺も20冊以上掛けてそんな軟派野郎に着地したいとは思わない、しかもその中に実妹とか、ありえない。」 「…っ…っっ!!?」 「だから、行って、すぐ帰ってくる」 「え、ふぁ、ひぇ!?」 「覚悟しとけ?」

2014-10-27 22:53:20
@nezikure

@nezikure 「う、うわぁ…うわぁぁぁ…」 「お前の過去も、抱えてる問題も、一切合切何もかも俺が解決してやる」 「20冊分泣かせて、20冊分笑わせてやる」 「うわぁぁ…あああぁぁぁぁぁ……!!」 「小難しい話なんか大っ嫌いだ!俺達はライトノベル以下でいいッッ!!」

2014-10-27 22:58:30
@nezikure

@nezikure 「『好きです!』」 「『おう、俺もだ』ッ!!」

2014-10-27 23:01:11
@nezikure

@nezikure 「行っちゃった…… 『ライトノベル以下でいい』か…結局、どんな物語もどんな悲痛なストーリーも 結局はたった数行のエンディングまでの長い長い伏線でしかないって、 その間に毎回犠牲が挟まってるなんて、馬鹿げてるって、エンディングまで行ったアイツは思ったんだね…」

2014-10-27 23:05:51
@nezikure

@nezikure 「『何の変哲もない普通の学生の男の子がそう想うまでの物語』がライトノベルなら…それって世界のどんな神話と比べても、負けない物語じゃないかな? まぁ、『私は重い過去を背負った女の子』だから、そう想うのかもしれないけど それにしてもあーあ…水着か…自信ないなぁ」

2014-10-27 23:10:40
@nezikure

@nezikure 「挿絵、入れとくか?」 「ひぁッ!?何でいるの!?」 「助けて、妹だって伝えて、家に送ってきた」 「早くない!?」 「周囲の建物を壊さない様にするの、大変だったからな」 「…最強スレに名前が上がっちゃうタイプの主人公だったんだ、アンタ」 「真ん中くらいだな」

2014-10-27 23:15:01
@nezikure

@nezikure 「それで、これからどうするの?」 「相談しようと思ってな、伏線と時系列を勘案しつつ今後この世界に起こる惨劇を可能な限り被害を減らして解決する」 「…わかった」 「その上でお前とイチャイチャする」 「ふなっ!?」 「お前の知恵を貸してくれ」 「い、良いけど!」

2014-10-27 23:19:30