すももたんのボカロ曲で小噺

ひよこ @skyplumpot

最後の夜に、君の夢を祈る。どうか、其処だけでも、僕と君が幸いでありますように。そしてこれからの朝を迎える君が、笑っていられますように。その光の中に僕はいないけど、君は覚えていないけど。さようなら。そして、おやすみ。【LastNight,GoodNight】

ひよこ @skyplumpot

過去の私が、目の前に立って問いかける。「あなたはいま、なにをしてるの？」上手くはいかなかったけど、私は私の描くままにやっていってるから。だから、大丈夫だよ。なにも、諦めなくていいんだよ。そう答えれば、幼い私は泣き出しそうな表情で笑ってくれた。【さよならアストロノーツ】

ひよこ @skyplumpot

本日の天気、快晴。雲も無く、空はただただ青い。その中を泳げたのなら、どんな気分なんだろう。幻想を、無機質な硝子に呟く。冷たい窓に奪われる手のひらの熱。吐き出した声が、窓を曇らせる。待って。もう少しだけ、夢を見させて。この四角い窓だけが私と世界を繋ぐ唯一の扉なの。【そらのサカナ】

ひよこ @skyplumpot

人の心はキャンバスのようだと、誰かが言っていた。純白に生まれ、日々色を重ね、染め替えられ、変化していく。私は今、何色だろう。鏡を見ても答えなんて出ない。私には、キャンバスが見えないんだから。ただ、一昨日よりも昨日よりも、明日はもっと私らしくありたい。例え、望まれずとも。【DYE】

ひよこ @skyplumpot

高い塔から見下ろす地は遠い。構わない、と私は窓枠を強く蹴った。藍に身を投げ、背の翼は風を裂いて羽ばたく。飛び立つ事を、私は恐れたりしない。初めて知る空はあまりにも広く果てしなかった。ふと抱いた郷愁に振り向く。古巣は遠く、私は二度と戻れないのだと悟った。【L'azur】

ひよこ @skyplumpot

僕はずっと待っていた。世界が余りに辛くとも、光を、ただ待っていた。不意にキンと、響く音と閃光。それは僕の体から。苦しみに折り取り、痛みに切り離した筈の「ボク」が内側から光りだす。ああ、最初から、其処に居たんだね。一番欲しかったヒカリは、僕の中に。【アンシクロぺディストの見た夢】

ひよこ @skyplumpot

優しい風が吹いている。砂時計が歩みを緩めたような、穏やかな朝。先を歩く君の、淡色をしたスカートの裾が柔らかく泳ぐ。柔らかな草を踏む音も、楽しげなハミングすら朝風に舞って青を増しゆく空に吸い込まれていく。ふわりと遊ぶ雲を見上げ、「素敵な日ね」そう、君は笑った。【Parades】

ひよこ @skyplumpot

世界は嘘で満ちていて、当たり前のようにそれを本当だと嘯いてる。あたしだって君だって、それはおんなじで。そんなあたしが「あいしてる」なんて、きっとこの声は嘘になっちゃうんだ。「僕は嘘つきだよ」いつかの夕焼けにそんな事を言う君。知ってるよ。そんな君が、好きだから。【うそつきでもすき】

ひよこ @skyplumpot

声ももう届かない人、若しくは神様。どうか祈らせてください。背中すら見えないほど、遠いあなたと私の、この左小指の先が、川を越えて繋がり続けることを。とおい愛しい人、どうか心配しないで。私は大丈夫。だって私達の希望が、しっかりと手を握っていてくれるから。【ONE's hope】

ひよこ @skyplumpot

寝る前に、暗い天井に思いを宿す。朝に目覚める明日の私は、本当に私なんだろうか。それとも、私と良く似た違う生き物なんだろうか。そもそも、私って何だろう。記憶も心も形なんてどこにも無いから、存在の証明なんて出来なくて。でも、私はここに在る。それはきっと明らか。【思慮するゾンビ】

ひよこ @skyplumpot

世界には色が満ちてるけど、僕の中は何にも染まれない気がして白と黒の狭間を彷徨う。放った言葉はよく見れば透明に透き通って、消えてしまう。それでもいいと、掴めない透明を見上げた。くすんだ世界より余程いいじゃないか。カラフルを閉ざして、僕はモノクロに、しずんでいく。【モノクロライアー】

ひよこ @skyplumpot

さいわいはいつも、裏に等しい質量のかなしみを潜めている。表裏、明暗の感情を抱きしめて、それでも私はこのまま、いれたら、いいのになあ。と思ってしまうんだ。叶うかな。ずっと、あなたの、隣にいたいの。さよならなんて、言わずに。【さよならいえるかな】

ひよこ @skyplumpot

途切れ途切れの言の葉を乗せて、届けばいいと空に投げる。届くかな、どうだろう。あんまりにも、遠いから。形を持たないことばは風に消える。この想いだって、いつかは色あせてしまうかもしれない。だからこそ今、君に伝えたいんだ。今の僕を、最果ての君へ。【サイハテ】

ひよこ @skyplumpot

飽きて捨てて正義は壊れ、愛なんてすっかり枯れちゃって。無関心の世界で誰だって僕だって君を傷つけるのに、君だけは誰も傷つけまいとする。そんな姿を馬鹿って嗤ったら、それでも君はやさしく笑う。ずるいよ、そんな綺麗な水を僕に見せるなんて。だから僕は君を馬鹿と呼んで強がるんだ。【藍と真】

ひよこ @skyplumpot

塞ぐ、押さえつける、目を逸らす、閉ざす。燃やせたのなら、あの過去だってなくなって私はすこしだけ楽になれるのに。この痛みもかなしみも燃えてしまえばいいのに。あの日過去を閉じ込めた鍵は結局、私の掌から零れ落ちずにいる。未だ、君と話すことができない苦しみを抱えたまま。【逃火項】

ひよこ @skyplumpot

ふと開いた昔のパソコン。キャッシュに残る、君の居た証。忘れていた筈の過去が、一気に取り戻されて押し寄せる。あの日まで、未来には当たり前に君がいると思ってたんだ。今はもう繋がらないあのサイトが、僕と君の距離のようだと、独り歩く今に想う。【404 Not Found ～Mの歌～】

ひよこ @skyplumpot

知らない施設、与えられたのは乾いた砂と小さな玩具。「何に使うの？」「好きに使うの」それは、答えじゃない。じっと見つめられて、違和感。思考は苦痛で、楽になりたいと心を思いを全て投げ出す。私は私を見失う、廻るまわる雨音だけがこの狭いせまい世界を包み込む。【あめふるはこにわ】

ひよこ @skyplumpot

カラッポってわけじゃないんだけどさ。どこかが空白で埋まらない気がして、たまらない。そこを満たすものを求めて、探して。けど、流れる言葉はあたしを掠めて流れてくばっか。けどその中のどれかがいつか、あたしの隙間にぴったりとはまるんじゃないかって。だから、あたしは求めてる。【ココロカラ】

ひよこ @skyplumpot

最初から、分かってたよ。何をしようと何処にに行こうと、どんな果てを目指したって、もう君はいないんっだって。それでも僕は諦めきれなかったんだ。まだ伝えたい言葉も思いもこんなに、抱えきれないくらいあるのに。どうして、僕はあの時君を引き止めなかったんだろう。【カムパネルラ】

ひよこ @skyplumpot

取り返しが付かなくなってやっと気付いた。なんだ、結局私は私を、あのつまんない世界を気に入ってたんだ。そんな、今更気付くなんて遅いよ。歪んで交じり合う青とあおが、置き換わる物質たちが、落ちる私をまるごと飲み込む。ああ、もしも次があるのなら、今度はモノクロだって愛せるのに。【Θ】

ひよこ @skyplumpot

手が重なるだけでドキドキするから、肌が触れ合ったのならなおさら。だからいつも上手く行かないのかなあ。イメトレのあなたよりも、やっぱりホンモノが何倍もわたしをアイしてくれる。だから嘘でもいいから嫌いにならないで、……やっぱり嘘はダメだから！【秋の夜長にワガママを（デP曲より一曲）】

ひよこ @skyplumpot

見下ろす下に、遊ぶ子供達。きゃらきゃら飛交う笑い声に、翁は目を細めた。争いは過ぎさった過去。友も想う者も皆、先にいってしまった。自分にも、途絶えた先が見える。けれど、未来へ往く子等は幸いあらんと。「見て、桜がさいてる！」歓声に微笑む老木は、只静かに別れの花を咲かす。【玄冬桜】

ひよこ @skyplumpot

かつん、かつんと靴音が僕から発信、口から零れ落ちた声が反響。世界に僕の波紋が広がる。だからって僕は何も変わらない。けれど発したすべての物が世界の欠片となるんだ。言葉にならないものをそれでも僕は探す、伝える。そのたび世界は色を次々に変え、全てを鮮やかに彩るんだ。【ストロボハロー】

ひよこ @skyplumpot

虚構の昼が終わる。僕はただ、空想の夜を待つ。暮れ逝く茜の空を見上げれば、気の早い星達がちりちりと囁きあっている。嘘の青空、意味を無くした昼は、僕には意味の無い。歯車の僕は、ただ時が過ぎればそれだけでいい。星舞う夜空に彩られた台本は、けれど暁に、また書き換わる。【計画都市】

ひよこ @skyplumpot

あ、忘れてた。さっきの【計画都市】からしばらく（多分ずっと）ボカロ曲小噺の後に原曲をのっけてみることにします。私の言葉が、ひとつの紹介になったらいいなあ、って思ったのと、聴いて欲しいから。