ハロウィン怪談BASARA #kaidan_bsr (2014) まとめ。

2014年11月1日に行ったハロウィン怪談BASARAをまとめました。
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数寄屋@鈍色スイッチ @suquiya

@kai_bsr しかし、政宗がそれを知ったのはついこの間のことだ。いきなり知らされたその事実を整理し、認識するヒマもなく、それを教えた人物である叔母は謎の怪人に襲われて、政宗に助けだされたはいいものの、重傷をおって病院で眠っている。 #kaidan_bsr

2014-11-02 01:37:27
数寄屋@鈍色スイッチ @suquiya

@kai_bsr そんなふうであったので、政宗自身は、そういうことに関しては、てんて素人なのだった。 #kaidan_bsr

2014-11-02 01:37:52
数寄屋@鈍色スイッチ @suquiya

@kai_bsr 叔母が残したワゴンに入る。取り出したのは先祖代々、魔物を記録した帳面である。分厚いそれを開いて探す。 #kaidan_bsr

2014-11-02 01:38:06
数寄屋@鈍色スイッチ @suquiya

@kai_bsr さほど時間もかからず、それは見つかった。 『ブルッドバッド』と書いてある。どうやら狼のような性質を持っているらしい、が、記述が古く、詳しいところはもう少し時間をかけないといけないだろう。 #kaidan_bsr

2014-11-02 01:38:20
数寄屋@鈍色スイッチ @suquiya

@kai_bsr 「…」 夜も良い頃である。一応捜査協力を願ったが、あの青年の家を調べても、確たる証拠はなかった。小十郎も渋い顔をしていた。 #kaidan_bsr

2014-11-02 01:38:32
数寄屋@鈍色スイッチ @suquiya

だが、どうしてもあの獣の顔が頭から離れないのだ。 だから、決めた。 「忍びこむか」 #kaidan_bsr

2014-11-02 01:40:01
数寄屋@鈍色スイッチ @suquiya

@kai_bsr そして政宗は、その家の庭へと忍び込み… 「あのさ、そりゃ俺様はブルッドバッド…所謂狼男っていえばいいかな、そういうやつだよ。でも俺は平穏が欲しいの。静かに暮らしてたいんだよ、そんなことしないからね!」 #kaidan_bsr

2014-11-02 01:42:08
数寄屋@鈍色スイッチ @suquiya

@kai_bsr まんまと返り討ち、家の中に入れられて説教を受けていた。 #kaidan_bsr

2014-11-02 01:42:37
数寄屋@鈍色スイッチ @suquiya

@kai_bsr 「そりゃね、流石に赤い色とか…見るとやばいけど、抑えこまないでブルッドバッドが静かに溶け込めないんだよ」「…じゃあだれがやったってんだ」「…あー…。ま、退治されても困るしね…」 #kaidan_bsr

2014-11-02 01:43:55
数寄屋@鈍色スイッチ @suquiya

@kai_bsr 教えたげるよ。縄張りがあるから、途中までしか行けないけどね。そう言って、家の主人たるブルッドバッド、猿飛佐助はちょっと笑った。 #kaidan_bsr

2014-11-02 01:45:40
数寄屋@鈍色スイッチ @suquiya

@kai_bsr 森の奥の小屋の地下にて、その少女は縛られ、ベッドの上に横たえられていた。「やあ」地下へと通じる扉が開き、一人、男が降りてくる。「デザートを作ったよ。お食べ」「…」少女は答えない。 #kaidan_bsr

2014-11-02 01:48:27
数寄屋@鈍色スイッチ @suquiya

@kai_bsr 怯えた様子の少女にため息を付き、男は尋ねる。「何が不満なんだい?」少女は少し逡巡したあと、告げる。「…おうちにかえして…」ぎらり、男の瞳が光る。「お食べ」「…」「食べろ!お前の家はここだ!」 #kaidan_bsr

2014-11-02 01:50:03
数寄屋@鈍色スイッチ @suquiya

@kai_bsr 「おい、何だその葉っぱ」「臭い消し。匂いするとあっちが感づくから」「…」佐助に従って森の中を歩いて行く。木の橋をわたってその先に一件の民家。「…あれか…」一歩進もうとすると、「じゃ、俺様ここまでが限界。じゃね!」 #kaidan_bsr

2014-11-02 01:52:04
数寄屋@鈍色スイッチ @suquiya

@kai_bsr 「…」そそくさと去っていった彼を追いかけるのは諦め、政宗は携帯電話を取り出した。 #kaidan_bsr

2014-11-02 01:52:39
数寄屋@鈍色スイッチ @suquiya

@kai_bsr 「政宗様、如何なさったのです、突然…」「いや、ちょっと、怪しいやつを見つけた」「は?いいからいいから!あ、これ臭い消しな」「えっちょっうわ、ええ!?」 #kaidan_bsr

2014-11-02 01:54:11
数寄屋@鈍色スイッチ @suquiya

@kai_bsr ドアのノックに答えて出てきたのは、一人の男であった。市警であること告げると、一瞬、また顔が変わる。小十郎にはわからないらしいが、政宗はそれで確信を深める。 #kaidan_bsr

2014-11-02 01:56:39
数寄屋@鈍色スイッチ @suquiya

@kai_bsr このあたりで物騒な事件があるため、話を聞かせて旨を伝えると、中に入れるのを少し渋りつつ、しかしきちんと迎えてくれる。入って家の中を色々と見回すものの、特に怪しいところはない。ラグの上に置かれたテーブル越しに話を聞いたが、 #kaidan_bsr

2014-11-02 01:59:11
数寄屋@鈍色スイッチ @suquiya

@kai_bsr 特筆すべきところはなく。小十郎に呆れた視線を向けられながら、家から出た。 「…まったく、なんだっていうんですか。確かに彼はあの靴を履いていましたが」「いやその、ええと…」 彼が狼男だからです、なんて、言えるはずもない。 #kaidan_bsr

2014-11-02 02:00:30
数寄屋@鈍色スイッチ @suquiya

@kai_bsr 黙ってしまった政宗に、並んで歩き出しながら「たしかに貴方のカンは鋭くていらっしゃいますが…」などと説教をしようとしていた小十郎が、いきなり歩を止めた。 #kaidan_bsr

2014-11-02 02:02:14
数寄屋@鈍色スイッチ @suquiya

@kai_bsr 「どうした、小十郎」「鼻歌」「え?」「鼻歌が。」 ――あの、歌でした。 #kaidan_bsr

2014-11-02 02:02:48
数寄屋@鈍色スイッチ @suquiya

@kai_bsr 急いで走って戻る。どうやら入れ替わりのように出立したらしいのをいいことに、家の中へと入る。しかし、妙なところは見当たらない、と、どん、と、かすかな物音がした。 「…え?」 #kaidan_bsr

2014-11-02 02:04:56
数寄屋@鈍色スイッチ @suquiya

@kai_bsr どこだ。そう思いながら歩き、ふと、テーブルの下のラグに目が止まった。 「…」ラグをめくると、そこに。「扉だ…」 #kaidan_bsr

2014-11-02 02:05:52
数寄屋@鈍色スイッチ @suquiya

@kai_bsr 降りて少女を発見して、上がろうとすると、小十郎の悲鳴が聞こえてきた。「小十郎!」 叫んで上へと。相方に襲いかかっている男を見る。鋭い爪をむき出し、暴れるその姿。 ――ああ、なるほど、狼だ。 #kaidan_bsr

2014-11-02 02:07:44
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