『アナと雪の女王』の光と影★裏話・叶精二氏(「宮崎駿とジョン・ラセター」収録)

論座 @webronza

大ヒット記録中　『アナと雪の女王』の光と影（１３）――心象で綴られた主観的な世界 t.asahi.com/fm5g

論座 @webronza

大ヒット記録中　『アナと雪の女王』の光と影（最終回）――国境を越える日本型主観主義 t.asahi.com/fsof

叶 精二（Seiji Kanoh） @seijikanoh

先程、新著の見本を頂きました! 印刷所の製版開始ギリギリまで加筆を続け、 10月24日のジョン・ラセターのプレゼン情報の一部も組み込みました。 ワガママを許して下さった編集さん、デザイナーさん、御協力頂いた皆様に心から感謝です。 pic.twitter.com/bvhWo7TEdV

拡大

叶 精二（Seiji Kanoh） @seijikanoh

★『アナと雪の女王』の光と影★裏話（1）発売直前につき緊急連載です。 この1ヶ月間の校正過程で、本文の章組、資料データ、用語統一、カバーと本文デザインなどが二転三転、結局第三稿まで出力。印刷当日まで赤を入れ続けたもので、仕上がりが不安でしたが、予想よりずっと良くなっていました。

叶 精二（Seiji Kanoh） @seijikanoh

★『アナと雪の女王』の光と影★裏話（2）入稿後の10月24日のラセターのプレゼンで今後のラインナップ、その邦題やスタッフが一挙公開となり、急遽差し戻しで本文・表など加筆・訂正。結果、ページ増でレイアウトまで変更。全ページ行組を1行ずつ増やすなど無茶苦茶をやって頂きました（苦笑）。

叶 精二（Seiji Kanoh） @seijikanoh

★『アナと雪の女王』の光と影★裏話（3）来年公開のピクサー新作邦題が『インサイド・アウト』から『インサイド・ヘッド』になったり、『ザ・グッド・ダイナソー』の「ザ」が消えたとか、マスカー&クレメンツの新作が初の3Dになったとか、『ベイマックス』関連の細々した修正等が山積で不眠に。

叶 精二（Seiji Kanoh） @seijikanoh

★『アナと雪の女王』の光と影★裏話（4）実はタイトルに「影」が入るのは印象が悪いのではないかと「ディズニー新時代」等のポジティブな別案を推されたのですが、一存で原題のまま通させて頂きました。「光」だけ記したいわけではなく、内容にそぐわない題で売るのはむしろ失礼だと思いました。

叶 精二（Seiji Kanoh） @seijikanoh

★『アナと雪の女王』の光と影★裏話（5）価格も2000円＋税ということで一度公表されてしまったのですが、希望をお伝えしてギリギリの1800円＋税に下げてもらいました。本当はもっと安くして欲しかったのですが、これが限界とのことでした。代わりに帯や表紙に凝った紙を使用して頂きました。

叶 精二（Seiji Kanoh） @seijikanoh

★『アナと雪の女王』の光と影★裏話（6）ながれものさんが当ミニ連載と単行本の元となったWEBRONZA連載などを含め、下記にまとめて下さいました。 感謝です。 togetter.com/li/742106

叶 精二（Seiji Kanoh） @seijikanoh

★『アナと雪の女王』の光と影★裏話（7）「あとがき」にも書きましたが、今回の企画は元々全く別の内要の書き下ろし単行本の予定でした。発端は2010年6月で、今回編集を務めて下さった方からの依頼でした。最初の企画は1万字位まで進んだのですが、諸事情でボツ。その後も別企画に二転三転…。

叶 精二（Seiji Kanoh） @seijikanoh

★『アナと雪の女王』の光と影★裏話（8）2012年11月再始動。宮崎駿監督とラセター氏の30年余の関係をまとめる別企画を提起したものの、2013年は大塚康生さんの『作画汗まみれ 改訂最新版』編集＋監修、『風立ちぬ』『かぐや姫の物語』の取材・記事・番組監修などで全く時間が取れず。

叶 精二（Seiji Kanoh） @seijikanoh

★『アナと雪の女王』の光と影★裏話（9）見かねた編集さんから朝日新聞社「WEBRONZA」編集の方を紹介され、2013年9月と10月に寄稿。「試験」で認めて下さったのか、ライターが不足していたのか、幸い今年3月から連載『宮崎駿とジョン・ラセター』の開始となりました。

叶 精二（Seiji Kanoh） @seijikanoh

★『アナと雪の女王』の光と影★裏話（10）出版不況の折、売れない書き手の持込企画が易々と通るほど業界は甘くありません。約10年で8社と関わり、10以上の企画がボツでした。連載過程で、ある程度の認知を得れば、出版企画が通りやすく売れ行きが見込めるなどメリットも大きいとのことでした。

叶 精二（Seiji Kanoh） @seijikanoh

★『アナと雪の女王』の光と影★裏話（11）連載は不定期ながら想像以上に大変でした。一応隔週ペースでしたが、その都度入試前の受験生のように時間不足であがきました。文字数は2000字以上という他は制限はなかったのですが、毎回長くなり1回分を2回に分けることになったりしていました。

叶 精二（Seiji Kanoh） @seijikanoh

★『アナと雪の女王』の光と影★裏話（12）幸い、連載はアクセスランキング1位を獲得、毎回上位に長く居座る結果を得られました。運が良かったと思います。しかし、1ヶ月後の3回目で突如中断となり、4回目は未だ掲載されていません。その理由は、映画『アナと雪の女王』が公開されたことでした。

叶 精二（Seiji Kanoh） @seijikanoh

★『アナと雪の女王』の光と影★裏話（13）『アナと雪の女王』は全米で大ヒットしていましたから、連載でも採り上げるつもりで感想の整理はしていました。編集さんが余りに絶賛されるもので、賛否を整理したメモの一端をお見せしたところ「これは面白い! 別に記すべき」と熱心に勧められました。

叶 精二（Seiji Kanoh） @seijikanoh

★『アナと雪の女王』の光と影★裏話（14）有難いことにWEBRONZAさんは「別連載案」を歓迎して下さったのですが、主観的印象的映画評のみでは書く意味がないのではと考え、資料や裏付が不足しているのですぐにまとめるのは難しいと、一端はお断りしました。W連載も時間的に不可能でしたし。

叶 精二（Seiji Kanoh） @seijikanoh

★『アナと雪の女王』の光と影★裏話（15）実はクリス・バック、ジェニファー・リー両監督来日の際、ディズニーに何度も取材を申し込んだのですが実現しませんでした。もちろん、ジョン・ラセター氏にも連載前から打診を続けていますが、未だ実現していません。10年前に一度お会いしたきりです。

叶 精二（Seiji Kanoh） @seijikanoh

★『アナと雪の女王』の光と影★裏話（16）そうこうしている間に『アナと雪の女王』は日本でも空前の大ヒットとなり、早期執筆を説得されました。苦肉の策として、米サイトや情報の収集・翻訳を手伝って頂くこと、『宮崎駿とジョン・ラセター』の中断などを条件に新連載を始めることになりました。

叶 精二（Seiji Kanoh） @seijikanoh

★『アナと雪の女王』の光と影★裏話（17）話を少し戻しますが、そもそもなぜ宮崎監督とラセター氏について書こうと思ったかと言いますと、大塚康生さんの著作『リトル・ニモの野望』（04年）の元となった『熱風』連載（03年）の資料・画像整理などを少しお手伝いさせて頂いたことが契機でした。

叶 精二（Seiji Kanoh） @seijikanoh

★『アナと雪の女王』の光と影★裏話（18）その時に1982年ロスのフランク&オリーによる作画講習の模様、ディズニー等周辺スタッフとの交流など様々なお話を伺い、大量の写真も拝見しました。相手はラセターだけでなく、グレン・キーン、ジョン・マスカー、ブラッド･バード等、錚々たる面々。

叶 精二（Seiji Kanoh） @seijikanoh

★『アナと雪の女王』の光と影★裏話（19）大塚さんの著作では、講習がメインではありませんので語られたのは挿話のごく一部、時系列も曖昧でした。その後も大塚さんやテレコムさん取材の度に周辺事情を伺い、日米のアニメーションの歴史的転換点が82年9月だったのではと思うようになりました。

叶 精二（Seiji Kanoh） @seijikanoh

★『アナと雪の女王』の光と影★裏話（20）82年9月米側は『カリオストロの城』に衝撃を受け、これを指標と掲げてCG導入を訴えたラセターは解雇され、ILM・CG部で再始動。残ったマスカーらは『ホームズ』オマージュたっぷりの『オリビアちゃんの冒険』（86年）からニュークラシックスへ。

叶 精二（Seiji Kanoh） @seijikanoh

★『アナと雪の女王』の光と影★裏話（21）日本側は宮崎監督が帰国後にテレコムを退社し、やがて『ナウシカ』映画化を始動。一方、高畑勲監督はロスで『クラック!』偶然観賞し、その後フレデリック・バックを師と仰ぐことに。各人のその後30年の分岐点が82年9月だったと思えてなりません。