TRPGダイス物語

風術師1/8192@風のごとく！ @wind_magician

ある日、僕はダイスを買いたいと思い、家を後にしました。せっかく買うのなら、いいダイスを買いたい。いいダイスってそもそもなんだろう。風術師は考えました。いいダイス……それはやはり、出目が良いものだろう。彼は考えました。　#TRPGダイス物語

風術師1/8192@風のごとく！ @wind_magician

しかし、イカサマダイスを使うのは彼の流儀ではありません、それ以前に反則です。あくまで合法的に、確率的に良い目の出やすいダイスを探す必要があったのです。彼は東急ハンズへ行きました。種類よりも数を求めたのです。 #TRPGダイス物語

風術師1/8192@風のごとく！ @wind_magician

売り場を探し歩くと、そこには大きな瓶に大量に詰められた8mmダイスがありました。しかし、その中から出目の良いダイスを見出すことは神にも出来ません。そこで彼は考えました。掌に握れるだけの山盛りのダイスを握りしめたのです。　#TRPGダイス物語

風術師1/8192@風のごとく！ @wind_magician

数十個はあったでしょうか。彼はそのダイスをスチール棚の上で盛大にぶち転がします。そして、6の目が出たものだけを残して、他は除けていきます。瓶に詰められた数百個のダイス、それが尽きるまで、彼はダイスを転がし続けたのです。　#TRPGダイス物語

風術師1/8192@風のごとく！ @wind_magician

一回、二回……数十回転がしたでしょうか。その中で6の目を出し続けたダイスのみをチョイスし、蟲毒の計を実行し続けたのです。結果として、数百個のダイスの中から、彼は2個のダイスを選定しました。　#TRPGダイス物語

風術師1/8192@風のごとく！ @wind_magician

こうして生まれたのです。怨念渦巻く呪いのダイス、6の目に特化した究極の、それでいて何のはばかいもない、悪魔のダイスが。しかし、彼はまだ気づいていなかったのです。　#TRPGダイス物語

風術師1/8192@風のごとく！ @wind_magician

6が出やすいということは、重心の関係でまたその裏目の1も出やすい。彼が手に入れたのは諸刃の刃。自らを傷つけることも覚悟の上で振ることしか出来ない、そんなシロモノなのです。　#TRPGダイス物語

風術師1/8192@風のごとく！ @wind_magician

あなたは、ほ　し　い　で　す　か　？　#TRPGダイス物語