おねショタシェアル(仮)

(@satsumari_mapy)と(@gin_0929)によるショタシェゾイイヨネからはじまったリレー話 シェアル まだまだつづく!(むしろ終わるのか) ※関係無い人の編集はお控え下さい
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さつまりも @satsumari_mapy

退行により己の身が心許ない感覚を味わったのは夜半過ぎの事。何故半端な時間に起きてしまったのだろうと悔やみながら枕を抱き、まどろみから抜け出せず覚束ない足取りで辿り着いた隣の部屋。ドアを叩けば夜更かしな主が顔を出す。見開かれた眼に己の情けない姿が映り、シェゾはいたたまれなくなった。

2014-10-22 22:49:07
不在中🥂 @junonoo

@satsumari_mapy 「いやあ、でも」そこで言葉を切り、アルルは今一度ソファの横に座る少年をまじまじと観察した。「本当に美少年だったんだねえ」「…うるさい」彼が毒づきながらマグカップを傾ける。カップを持つ手は小さく弾力がありそうで、桜貝のような爪は愛らしさを覚えさせる。

2014-10-22 23:19:12
不在中🥂 @junonoo

@satsumari_mapy 横顔でさえも思わず見惚れたのは、一つ一つのパーツが綺麗だからだろうか。元々彫刻のような顔だ、とは思っていたが少年時代は別の美しさを彷彿とさせる。もっちりとした肌と頬に淡く差す赤みが愛らしい。銀の睫毛は長く、その下の青の瞳はクリクリと丸く大きい。

2014-10-22 23:19:16
さつまりも @satsumari_mapy

@gin_0929 「ホットミルクとか、ガキ扱いかよ」ふて腐れたその言い回しには日頃の覇気が乗せられていなかった。「落ち着くでしょ」アルルは次第に解れていくシェゾの眉間のしわを見て、やんわりと微笑んだ。「眠れなかったんだね、添い寝してあげようか」「はっ!? なっ…ばか」

2014-10-22 23:30:41
不在中🥂 @junonoo

@satsumari_mapy アルルはシェゾの手からホットミルクを取り上げ、立ち上がりもう片手でシェゾの頭を撫でた。「…ボクも寝るところなんだけど、キミがいればもっと安眠出来そう。ここはお互いの利益の一致って事で、どうかな?」彼の頭を撫で、そしてそれを甘受する彼を見る日がくる

2014-10-22 23:39:33
不在中🥂 @junonoo

@satsumari_mapy なんて思わなかったなあ、とシェゾの言葉を待つ。すると、服の袖を掴まれる感触。「…しかたねえな」普段より高い声の返事。アルルは彼を見下ろし、そして後悔した。そこには顔を赤く染めながら、宝石のような双眸を持つシェゾが、上目遣いで見上げていたのだから。

2014-10-22 23:39:37
さつまりも @satsumari_mapy

@gin_0929 幼いシェゾにむずがゆい心情を向け、頭を撫でていた手をそのまま背に下ろしベッドへ誘う。促されるまま、それでも僅かに躊躇いがちに素足でぺたぺたと床を踏み鳴らしながらアルルについて来るその姿は、とても庇護欲をそそるものだった。

2014-10-23 07:13:41
不在中🥂 @junonoo

@satsumari_mapy 時折頼りなくなったその姿を振り返り眺め、従順についてくる姿にアヒルの親子みたい、と思いながら寝室へ彼を招き入れる。シーツを捲り、さあどうぞとアルルが促すと、シェゾはいつもより大きくなったベッドに戸惑いつつ、いそいそと所在無さげながらも潜り込んだ。

2014-10-23 17:58:25
さつまりも @satsumari_mapy

@gin_0929 先にシーツに包まれたシェゾは、ベッドの端に身を寄せた。そうしてアルルのための場所を空けてから、本当に一緒に眠るのかと最後の確認を取るかのような、拙い視線を向けて来る。アルルは目を細め、再びシェゾの頭に手を伸ばし、透けるようにやわらかい髪をゆっくりと梳いた。

2014-10-24 07:34:32
不在中🥂 @junonoo

@satsumari_mapy シェゾは髪を梳く懐かしい感触に、昔母にこうして貰った事を思い出し、ゆっくりと目を閉じ、意識を微睡みへと委ねていった。眠りへ落ちる姿を眺め、精神も子供に戻ってるのかな、と思いながらアルルもその横へ潜り横顔を覗き決意した。「…明日スカートはかせよう…」

2014-10-24 22:37:59
さつまりも @satsumari_mapy

@gin_0929 薄手のカーテンが光を透過する。シェゾは瞼越しに朝を感じ取り、渋々目を開き体を起こした。昨夜の記憶を脳裏で辿り嘆息した後、傍らにアルルの姿がない事に気付く。寝ぼけ眼を小さな手のひらで擦ると、目に鮮やかなピンクの袖。「何じゃこりゃあ!」何故か衣がワンピースだった。

2014-10-24 23:06:34
不在中🥂 @junonoo

@satsumari_mapy こんなことをするのは一人しかいない。普段は低血圧で中々ベッドから起きたがらない彼も、勢いに任せて布団を剥ぎ、ベッドから飛び降り部屋を飛び出した。ワンピースに何度かつんのめりそうになりながらリビングへ入ると、充満するコーヒーの匂い。「アルル!貴様!」

2014-10-25 09:35:03
さつまりも @satsumari_mapy

@gin_0929 「あ、おはよシェゾ」太陽さながらの満面の笑顔で出迎えたアルルに、シェゾの怒りのボルテージが上がる。「おはよじゃねぇ、人が寝てる時になんてことしてくれた!オレの服はどこだ!」「いい天気だから洗濯したよ……あまり怒らないで、キミサイズの服がそれしかなかったんだ」

2014-10-25 13:36:50
不在中🥂 @junonoo

@satsumari_mapy 「いい天気だからって洗濯…何?」「コーヒー飲む? ミルクとか淹れたほうがいいかな?」「なんて言った、服がこれしかない…だと?」シェゾが青ざめ愕然としながらした問いに、アルルは今日の天気さながらの笑顔で答えた。「そうだよ。今日、服を買いにいこうね」

2014-10-25 21:50:48
さつまりも @satsumari_mapy

@gin_0929 「なっ貴様、この格好で外へ出ろというのか!?」「似合ってるよ、とても」間髪入れずに寄越された返答は、シェゾにとって死刑宣告だった。開いた口が塞がらずに居ると、隙ありとばかりに温かいクロワッサンを詰め込まれた。「むぐ」「こら、座って食べなさい」誰のせいだ、誰の。

2014-10-25 23:43:50
不在中🥂 @junonoo

@satsumari_mapy 「それも似合ってるけど、上に薄い色を合わせるともっといいかも…」「むぐぐ…」「いや、あえてこの一色だから映えて可愛いんだよなあ…」反論しようとも、クロワッサンを押し込められたお陰で咀嚼の作業を余儀無く強制されたシェゾは、この口論の不利さを悟った。

2014-10-26 11:46:13
さつまりも @satsumari_mapy

@gin_0929 「色以外でも迷うんだよね、ワンピースもいいけどフレアスカートとかも似合いそう……シェゾはどう思う?」「知るか!!」クロワッサンを食み終わったシェゾは何もかもが不服だと示す為にアルルへキツイ睨みをくれてやったが、何故かへにゃりと笑みを返された。全く以て解せない。

2014-10-26 22:17:06
不在中🥂 @junonoo

@satsumari_mapy 「ま、それは出掛け先で考えればいっか…とりあえず、その服で良いよね?」「色々不服申し立てしたいんだが…」「大丈夫ね、分かった! じゃあ支度してくるから、待っててね!」その笑みのまま全身を検分した彼女にジト目で訴えてみたが、軽くあしらわれしまった。

2014-10-27 01:19:14
不在中🥂 @junonoo

@satsumari_mapy シェゾは禁じえなかった溜息をし、改めて自分の全身を眺め直した。随分とひ弱な身体になったものだ。幸いなことに魔力の衰えはなさそうだが、これでは、身体が耐え切れないので魔力を使う事は出来ないろう。楽観的なアルルの姿を思い直し、彼は再び溜息を零した。

2014-10-27 01:19:20
さつまりも @satsumari_mapy

@gin_0929 闇の魔導師ともあろう者が、このまま着せ替え人形に甘んじる訳にも行くまい。服装の問題だけで済まないこの事態の終息へ向けて策を巡らしながら、カフェオレを飲む。好物の分類に入るはずのそれから、口腔がひりつくような苦みを感じ、シェゾは顔をしかめた。こども舌が恨めしい。

2014-10-28 08:14:30
不在中🥂 @junonoo

@satsumari_mapy 「シェゾ、どうかな?」と、アルルがひょこりとリビングの扉から顔を出した。「似合う?」フワリ、その場で彼女が回ると全円形のスカートが色鮮やかにはためいた。「キミとお揃い、おんなじ色のワンピースにしてみたの」笑んだ彼女の姿に、シェゾの頬に朱がさした。

2014-10-28 22:35:01
さつまりも @satsumari_mapy

@gin_0929 言葉より確かな反応に、アルルは照れながら後ろで手を組んだ。「……まあ、街でアーマー付けた格好で歩くよりは物騒さがない分良いんじゃないのか」「わぁ、小さくなっても君の褒め方は斜め上を行くね」「勘違いするな、別に褒めた訳じゃ」「はいはい」姿は変われどシェゾである。

2014-10-30 00:56:19
不在中🥂 @junonoo

@satsumari_mapy 変わらないなあと感慨に耽りながら二人で靴を履いたところで、アルルがはい、と当然のように手を差し出せば「何のつもりだ?」シェゾがドス黒い(しかし普段よりは高い)声で聞き返した。「何って、手を繋ぐんだよ。ホラ早くしないと、色々な人にその姿みられるよ?」

2014-10-30 21:19:38
さつまりも @satsumari_mapy

@gin_0929 さあと促されても、こればかりは己のサイズがどうこうという問題ではない。シェゾは羞恥心とやるせなさでないまぜになった感情を歯を食いしばり相殺し、誘うアルルの横を走ってすり抜けた。すぐに振り向き、餓鬼らしく舌を出した。「何でも言いなりになると思ったら大間違いだっ」

2014-10-31 21:46:12
不在中🥂 @junonoo

@satsumari_mapy しかし彼女の反応はシェゾの予想と違った物だった。「……キミさあ、それってワザと?」「何?」「何でもない、行くよ、よーいどん!」そう言うや否や、アルルが走り出す。シェゾはすぐに追い抜かされ、慌てて待てよ不意打ちはズルイぞ、と叫びながらその背を追った。

2014-11-01 23:52:52