G.I.S.M. - Performance Of War

知る人ぞ知る日本のハードコアパンクの雄であり、ナパームデスに影響を与えデスメタルの創始者とも言われる"G.I.S.M." 自分自身が若き日に体験した"G.I.S.M."への想いを振り返り、彼等の思想を改めて考察することで、閉塞的な今の時代を打破する何かを、探してみたい。
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考察: 1982 - 2014

M*A*S*H「無上の悦びは無条件で綻ぶに似ているからね」 @kumakakiya

憎悪に理由なんていらない。それでも、自分から喧嘩をふっかけて、返り討ちに遭うとつらい。致命傷を負えば、再起できなくなる。恐怖心が芽生えれば、二度と暴力が振るえなくなる。矢吹ジョーが力石を殺した後に、テンプルが打てなくなったのと同じように。

2014-11-08 01:16:34
M*A*S*H「無上の悦びは無条件で綻ぶに似ているからね」 @kumakakiya

父は十八歳で大東亜戦争に志願した。負け戦の臭いが漂っているから、赤紙が来る前に行ったと言っていた。海軍の特攻部隊に配属されて、仲間が先に命を落としていく中、父の番に回らず終戦を迎えた。子供の頃、耳にたこができるくらいに、この話を聞かされた

2014-11-08 01:18:17
M*A*S*H「無上の悦びは無条件で綻ぶに似ているからね」 @kumakakiya

今は平和だと思う。もし日本に徴兵制が引かれて、戦争に行くようになったらと思うと、誰もが慄くだろう。戦争映画を見過ぎていれば、殺人に至る瞬間を、その時に訪れる感情の昂りを、何となく想像してしまう。それでも、一度でも相手を血塗れにした経験があれば、覚悟はできる。

2014-11-08 01:20:05
M*A*S*H「無上の悦びは無条件で綻ぶに似ているからね」 @kumakakiya

G.I.S.M.のレコードやビデオテープは、実は殆ど売ってしまったファン失格者だが(それでも「G.I.S.M.ファン」と名乗るのは抵抗がある。彼等は商品ではなかった)、最初のビデオを見たときの記憶は残っている。特にShoot to Killの薄気味悪さが印象深い。

2014-11-08 22:00:05
M*A*S*H「無上の悦びは無条件で綻ぶに似ているからね」 @kumakakiya

SAKEVIは原曲通りに歌わないで、曲前にかかったベトナム戦争のミリタリーカデンス(海兵隊の行進歌)、もしくはカレント93がサンプリングしたチベット民俗音楽のように歌う。パンクは叫ぶ、という既成概念が吹っ飛んだ。気狂いが静かに歌い出す不気味さがあった。

2014-11-08 22:02:03
M*A*S*H「無上の悦びは無条件で綻ぶに似ているからね」 @kumakakiya

この歌唱法は3rd収録のPhenomenal Exile Schizophrenic Patientsに継がれる。歌唱法と言い切っていいのか?今は消息不明なのを考えると、商品化(産業ロックのヴォーカリスト化)を拒む姿勢が垣間見える。今は彼の軌跡を反芻するだけに留めたい。

2014-11-08 22:04:03
M*A*S*H「無上の悦びは無条件で綻ぶに似ているからね」 @kumakakiya

SAKEVIは(Beast Artsは)YouTubeに無断投稿されたG.I.S.M.映像を片っ端から削除申請していた。今は活動停止した為か、映像投稿が復活している。廃盤になっているものもありデータベースとして貴重だが、SAKEVIのかつての行動を思うと複雑な気持ちになる。

2014-11-09 23:17:03
M*A*S*H「無上の悦びは無条件で綻ぶに似ているからね」 @kumakakiya

マッドマックスの映像とG.I.S.M.の曲をマッシュアップしたファン動画がある。G.I.S.M.が訴えたイメージはハリウッド映画のエンターテイメント性とは違うものだが、曲だけを聞くとシンプルなデスメタルを想起し、アメリカンなエログロ表現にマッチすることに気づく。

2014-11-09 23:19:05
M*A*S*H「無上の悦びは無条件で綻ぶに似ているからね」 @kumakakiya

意図的にG.I.S.M.の他の曲と、全く異なる映像のマッシュアップを進めてみた。著作権的に問題があるのは自覚している。しかし、G.I.S.M.は商品化より噂(バズ)を優先したと捉えた上で、デスメタルのオリジネイター色が強くなっている現状に対して、マッシュアップで批判したい。

2014-11-09 23:21:41
M*A*S*H「無上の悦びは無条件で綻ぶに似ているからね」 @kumakakiya

G.I.S.M.の初期音像は英国のディスチャージを踏襲したクラストコアだった。セックスピストルズ等の70'Sパンクは50'Sロックンロールに回帰したようなシンプルな曲構成にネガティブな感情が増幅されたが、80'Sクラストコアは70'Sパンクのロックンロール臭を脱臭した。

2014-11-11 00:03:14
M*A*S*H「無上の悦びは無条件で綻ぶに似ているからね」 @kumakakiya

ヘビメタとパンクは仲が悪かった。恐竜みたいな時代遅れ感やヒッピー的な長髪やラブ・アンド・ピースの生ぬるさをパンクスは嫌ったが、重々しいブラックサバスのようなリフはクールだと認めていた。やがてメタルとパンクは異種交配して、リリスのようにデーモンを次々と産み落としてゆく。

2014-11-11 00:05:06
M*A*S*H「無上の悦びは無条件で綻ぶに似ているからね」 @kumakakiya

G.I.S.M.は2ndを境に音像がヘヴィメタル化する。「デス、デス、デストロイ」のキャッチーなサビが耳に残るNih Nightmareもメタリックな佳曲だ。クラストコアの早いだけの曲ではなく、ミディアムテンポに絡むザラザラとした質感のギターリフが、生々しいインパクトを創出した。

2014-11-11 00:07:54
M*A*S*H「無上の悦びは無条件で綻ぶに似ているからね」 @kumakakiya

ここで、G.I.S.M.の初期音像を紹介する。知る人は既に知っていると思うが、1982年にシティロッカーレコード(ドグマレコード)から出たオムニバス"Outsider"のものだ。新宿ロフトのライブ動画が既にアップされているが、それを引用してレコード版の音をミックスしてみた。

2014-11-12 00:08:08
M*A*S*H「無上の悦びは無条件で綻ぶに似ているからね」 @kumakakiya

引用元のロフトライブ動画は画質は悪いが、かろうじて当時の彼等の容姿が確かめられるのは貴重だ。恐縮だが、SAKEVIの初期容姿には日本人的な素朴な一面が見られる。ギターのRANDYも全盛期のヘビメタルックスではなく、シドヴィシャス風のベーシックなパンクスタイルだ。

2014-11-12 00:10:10
M*A*S*H「無上の悦びは無条件で綻ぶに似ているからね」 @kumakakiya

あと余談だが、この動画の中に、G.I.S.M.と同時期に活動していたハードコアパンクバンド"Ghoul" のMASAMIが映っている。MASAMIも、前述のRANDYも、今はこの世にいない。当時の自分にとって雲の上の存在だった彼等を想い、動画を見ながら酒を酌み交わしたい。

2014-11-12 00:12:03
M*A*S*H「無上の悦びは無条件で綻ぶに似ているからね」 @kumakakiya

1983年の横浜寿町で行われたラフィンノーズのライブに、G.I.S.M.のSAKEVIが参加した動画を紹介する。日本のハードコアパンクマニアなら知っているだろう。全編収めた動画は"gism yokohma"で検索できるが、今回はラフィンの"How To Kill"を引用する。

2014-11-12 23:34:11
M*A*S*H「無上の悦びは無条件で綻ぶに似ているからね」 @kumakakiya

ちなみに当時のラフィンノーズはチャーミーがギターを弾いている。ベースはポンが加入したばかり?で、二人とも痩せていて若々しい。SAKEVIがチャーミーの代わりに歌っている。音質がかなり悪く、SAKEVIの声がかろうじて聞き取れる程度なのでご容赦願いたい。

2014-11-12 23:36:07
M*A*S*H「無上の悦びは無条件で綻ぶに似ているからね」 @kumakakiya

"How To Kill"はラフィンがメジャー化した後に、東芝EMIの"Meat Market"に再収録された。ラフィンノーズの軌跡と、G.I.S.M.の軌跡。チャーミーとSAKEVIが共同編集したミニコミ誌"P.O.W."が唯一の接点だったのか?盛者必衰の理を考えてみたい。

2014-11-12 23:38:08
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