後藤寿庵先生( @juangotoh )が語る『刑事達の挽歌』制作秘話
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当時岩手県水沢市の映画館で、最初ヤマトは清水健太郎の「ボクサー」と併映だった。ついでにうちの中学校では学校 推薦映画以外は見に行ってはいけないことになっていた。ヤマトは推薦されていなかった。
2010-12-05 02:13:01しかし、ヤマトの映画である。なにを犠牲にしても見たかったので、こっそり見に行った。清水健太郎の「ボクサー」は、不良っぽい青年がおんぼろジムでボクサーになって活躍するあしたのジョーもどきの映画だったが、丹下段平もどきのジムオーナーの娘を清水健太郎が無理矢理犯すシーンがあった
2010-12-05 02:16:32半裸でうつむく娘と、事後の清水健太郎のいる部屋に丹下段平もどきが入ってきて、そこであったことに一切無関心な様子で練習を続けさせるような描写があって、これはまあ、多分それほど拳闘キチガイなんだという表現だと思うのだけど
2010-12-05 02:18:55ちなみに、その映画館は、少しして併映のボクサーを、宍戸錠の「ブラックジャック」に変えてヤマトはそのまま上映した。そしたらいきなり学校の推薦映画になって、校内にヤマトのポスターまで貼られたのである。いやー、もうちょっと待てばこそこそ見に行かなくてもよかったのにねー
2010-12-05 02:22:20『刑事達の挽歌』にモデルがいたことが衝撃です RT @juangotoh 中学校の中庭で、友人の西村(刑事達の挽歌のモデル)が「ヤマト映画化らしい」って言ってきて、すげードキドキしたのを覚えてる。
2010-12-05 02:23:06あれはもともと西村が小説形式で書いた「地方都市」という「大都会」のパロディの漫画化がもとで、刑事も西村と後藤のコンビだったのよ。ロリポップで書くときに自分の名前はあれなので西村はそのまま、後藤を田中に変えたんです。RT @urashima41: 『刑事達の挽歌』にモデルがいたこと
2010-12-05 02:26:35友人の西村が刑事達の挽歌の西村刑事のモデルという話ね。そもそも小学校から高校まで一緒で、小学校のまんがクラブで5年と6年で会長を交代でやったのが僕と西村。彼も当時は漫画を描いてた。僕と西村がノートに毎日4コマ描いてくるモンだから、クラスで4コマ漫画描くのが流行ったりした。
2010-12-05 17:41:33中学に入ってあんまし漫画も描かなくなったんだけど、確か3年のときに西村が「こういうのあるんだぜ」って持ってきたのが手作りの同人誌。ファックス原紙(ドラムに巻き付けた原稿を読み取って放電で謄写原紙に穴を開けて手作業で印刷する物だった
2010-12-05 17:43:16なんでも親戚だか知り合いの知り合いだかの作品らしいんだけど、商業出版でない漫画の本があるという事が新鮮だった。西村もそこがおもしろかったみたいで、本を作るとこまでいかなくても、ちゃんとペン入れした漫画作品を作ろうってことになった。
2010-12-05 17:45:05その同人誌は高校生が主人公のギャグマンガでなかなかおもしろかった。主人公は糸目の若者。絵はお世辞にもうまいとは言えなかったけど、ギャグはよかった。絵がプロレベルでない人が平気で本を出していいんだというので敷居が下がった。
2010-12-05 17:47:39んで、西村がギャグのシナリオを書くから僕が絵を描けということで持ってきたのが当時放送されていた石原プロの「大都会」をパロディにした作品。オープニングからパロディにした内容だった。刑事の名前は西村とか後藤、つまり自分たちをキャラにした物ね。
2010-12-05 17:49:40それを持ち帰って、画用紙にカブラペンで作画。漫画入門のたぐいで画用紙が推薦されてたし、安くてどこでも買えるので画用紙を使ったのだが、実は大失敗をしていた。画用紙のざらざらの面ではなくつるつるの面に描いてしまった。入門本には「ざらざらの方に描く」とは書いてなかったんだよね
2010-12-05 17:51:45結果ペン線がにじみまくって、非常に汚い原稿になってしまった。ネームも切らないでいきなりコマを割って描き始めてるので、ページ数なんか適当。確か28P位になったと記憶してる。作業は一晩で終わった。今だと信じられない速度だけど。まあほとんど書殴りだよね。
2010-12-05 17:54:14で、西村のキャラはのちの刑事達の挽歌でおなじみのあの糸目にあしたのジョーカット。これ、彼に見せてもらった同人誌の主人公とほぼそっくり。パクリです(笑)。まあ実際西村は目が細かったのでちょうど良かった。
2010-12-05 17:56:05まあとにかく、それで一本原稿を仕上げるという経験をしたので、以後漫画らしい漫画を描くようになったという点で、西村には大変感謝している。
2010-12-05 17:57:35作品名は「地方都市」。ロリポップから仕事のオファーが来たとき、これを元にすることを考えたけど、なにしろ「大都会」の時代はとうに過ぎていたので、パロディーとしても誰にも通じないのは明らかだった。「西部警察」のタイトルをパロってもよかったかもしれないけど、それもちょい古い。
2010-12-05 18:00:44時代的に「男達の挽歌」が有名になってた頃なので、「刑事達の挽歌」にした。ただし後からね。連載当初は読み切り的に各話タイトルだけつけてたと思う。まあ、当時のマイナー誌のノリだと、適当に載せた漫画の次の作品が続きだったりという感じで、端から「連載作品」としてはじめる感じでもなかったし
2010-12-05 18:05:15ロリポップの編集長K氏は「僕はギャグが全くわかりません。なのでこの漫画がおもしろいかどうか判断できません。でもうちはとりあえず半年掲載しますから」と言ってくれたので連載することができた。おおらかだねw
2010-12-05 18:06:44