《記憶》

妄想劇の続き
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まー @marble223

ママはクシャクシャの顔で泣きながら笑ってた。ぼくはママが大好きだった。ぼくの知ってるママは、優しいママだった。でもいつも泣いていた。ぼくはいつも身体が痛くて、それはなぜだかわからなかった。きっと熱が出てるせいなんだろう。たまにぼくはママと出かけた。あの人がいない時に。2人で一緒に

2014-12-18 23:57:51
まー @marble223

夜によく公園に行った。誰も居ないブランコに乗って、星や月を見た。でもお家に帰るとぼくは熱を出して、またしばらくぼくは眠っていた。ぼくは時々、夢を見た。怖い怖い夢を。夢の中ではぼくはいつも男の人に殴られていた。何て言ってるのかはわからないけれど、ぼくは怖くて目を閉じる。すると

2014-12-19 00:03:12
まー @marble223

真っ暗な世界になり、ぼくは深く深く眠ってしまう。眼が覚めるとママがいる。また、ぼくは熱を出してしまったんだ。あの人がぼくの家に来てから、ぼくはよく熱を出すようになったんだ。それまではぼくはママと2人で住んでいた。ママはお仕事に行って、ぼくは幼稚園に行っていた。幼稚園に行きたいな。

2014-12-19 00:06:13
まー @marble223

ガチャガチャ!玄関のドアが開いた。アイツだ!アイツが帰ってきた!ぼくはあわてて布団に潜り込んだ。「酒!!」「おかえりなさい」「酒だよ!酒!」「買ってくるから」「用意しとけよ!使えねーやつだな!!」女は急いでコートを着ると出かけたようだ。アイツはテレビをつけると、なにか喚き散らして

2014-12-19 00:10:59
まー @marble223

いた。しばらくすると女が戻ってきた。アイツは缶ビールを飲み始めた。しばらくするとうつらうつらし始めたので、女がぼくに「カズ、押入れで寝なさい。ママお仕事に行ってくるわね。絶対出ちゃダメよ」そう言ってぼくを押入れに入れた。ぼくは暗がりの中で、戸の隙間から部屋を見た。アイツはいびきを

2014-12-19 00:14:58
まー @marble223

かきはじめた。女は仕事に行った。いつもこの時間に仕事に行く。ぼくもうつらうつらと眠っていた。すると、大声で目が覚めた。「ミチ!どこ行きやがった!クソっ!酒がきれたじゃねーか!あ、あいつに買いに行かせるか!おい!クソガキ!どこだ!?チッあいつ、どこ行きやがった⁉︎」ぼくは押入れの中

2014-12-19 00:18:34
まー @marble223

で、棒を立てかけた。もちろん戸が開けられないようにだ。女が教えてくれた。いつもはガタガタして開かないと、ブツブツ言いながら諦めるのだが、今夜は蹴り始めた。「クソガキ!そこに居るんだろう!出てこい!!」ぼくは震える指で棒を掴んでいた。必死で開けさせまいとしていた。でも子供が大人に

2014-12-19 00:21:51
まー @marble223

力で叶うわけがない。ぼくは外に引きずり出された。そこからはぼくもあまり覚えていない。気付いたら病院だった。しばらくぼくは病院にいた。それからまたしばらくすると、誰かがぼくに会いに来た。いろんな人がいた。ぼくにいっぱい質問をした。ぼくは疲れていた。フカフカのベッドでゆっくり

2014-12-19 00:25:16
まー @marble223

寝たかった。いっぱい寝て起きたら、誰かがベッドの横の椅子に座っていた。「誰?ママは?ママはどこ?」「ママはちょっと用事があって、しばらく一緒に居られないんだよ。だから、今日からおじいちゃんとおばあちゃんの家に来るんだよ」そう言って、知らないおじさんとおばさんが手を握ってくれた

2014-12-19 00:28:31
まー @marble223

ぼくは、おじさんとおばさんの家に行った。おじさんとおばさんは、ママのお父さんとお母さんだと話してくれた。ママは若い頃にお家を出て、ずっとお家に帰ってなかったんだって。2人はぼくのおじいちゃんとおばあちゃんで、これからは3人で暮らすんだって言われた。ぼくはママが帰ってくるからお家に

2014-12-19 00:33:15
まー @marble223

帰りたい。ママはぼくが居ないと泣いちゃうからって話すと、2人は困った顔をした。ママはしばらくお家には帰れないから、帰るまでここで待ってましょうね。と、おばあちゃんが言った。ぼくはママはここにぼくがいる事わかるかな?って聞いたら、わかりますよ、だってここはあの子の家ですからね

2014-12-19 00:35:43
まー @marble223

って、おばあちゃんは言った。そうして、ぼくはおじいちゃんとおばあちゃんの家で暮らすようになった。心のケアとかいうやつをするために、1年くらい病院に通った。ぼくはどんなに嫌な検査もした。ママが迎えに来てくれるのを信じて。もう熱を出したりしないようにしたかった。今度はぼくがママを守る

2014-12-19 00:39:58
まー @marble223

んだ。ぼくはおじいちゃんやおばあちゃんにも、だんだん慣れていった。嫌われたらママが迎えに来てくれないかもしれないと思い、ぼくは一生懸命いい子にしていた。そうして数年経った。ぼくはもう待てなくなっていた。ある日、おばあちゃんに聞いてみた。ママはいつ迎えに来てくれるの?と。すると

2014-12-19 00:43:10
まー @marble223

おばあちゃんは、困った顔をしたが、ぼくの肩を掴み。「カズ。もう4年生だもんね。そろそろ知った方がいいのかもね」と静かに言った。数日後、ぼくはおじいちゃんとおばあちゃんに連れられて、着いた場所はお墓だった。「カズ、ママは死んじゃったんだよ」ぼくはわからなかった。おじいちゃんが何を

2014-12-19 00:47:58
まー @marble223

言っているのか。おばあちゃんはお花を供えながら静かに話し始めた。「病院で初めて会った日の事を覚えているかい?」ぼくは頷いた。「あの日にママは亡くなったんだよ。2人とも瀕死の状態で見つかったんだ」「アイツはアイツは…無抵抗の女子供に…」おじいちゃんは唇を噛み締めた。ぼくはじっとお墓

2014-12-19 00:55:59
まー @marble223

を見ていた。ママ、もう居ない?もう迎えに来てくれないの?ぼくは、ぼくは…。ママがいつか観に来てくれかもしれないからって、一生懸命野球を頑張ってた。勉強も。ぼくは何のために頑張って来たんだろう?ママに喜んでもらいたくて、笑ってもらいたくて、一緒に過ごしたくて…それなのにママは

2014-12-19 01:00:08
まー @marble223

その時、おばあちゃんがぎゅーっと抱きしめてくれた。ぼくは泣いた。そう言えば最近怖い夢を見なくなってる事にも気づいた。ただ、ぼくは何かに怯えていた。それが何なのかはわからなかったが。ぼくはぼくが怖くなる時があった。あれは中学の時だった。隣のクラスの女の子がぼくに告白してくれたんだ。

2014-12-19 01:15:17
まー @marble223

野球部のマネージャーをしていた、その子は、よく気のつく明るい女の子だった。ぼくは野球部の中でもわりに上手い方だったから、1年生だったがレギュラー入りしていたので、生意気だとよく先輩にしごかれていた。でも、その子がそんなぼくをいつも励ましてくれた。「やっかんでるだけよ!気にしない

2014-12-19 01:26:11
まー @marble223

あなたが居なきゃ試合にも出れないじゃない。頑張って!我が部のエースなんだから」と。そんな彼女がぼくを想ってくれていたのだ。ぼくは告白された時は驚いた。こんなぼくでいいんだろうか?と。しかし、何故かぼくが彼女に言ったのは「おまえなんか要らない」だった。ぼくは自分が信じられなかった。

2014-12-19 01:29:37
まー @marble223

なんでそんな事を言ってしまったんだろう。その時の彼女のビックリしたような、悲しいような、怒ってるような表情は今でも思い出す。その夜、ぼくは久しぶりに怖い夢を見た。夢の中でぼくはぼくに、おまえにはおれがいる。と何度も何度も言われる夢を見た。あれは誰だろうか?ぼくなのか?それとも…

2014-12-19 01:33:57
まー @marble223

俺はずっとずっと、あいつを守ってきたんだ。あいつは俺が居なきゃダメなんだ。なのにあいつは、俺じゃなくあんな弱っちい女にすぐに騙される。誰があいつを守ってきたんだ!女はあいつを守ってくれたか?いや、守ってくれたりしない。あいつはわかってないんだ。なにもわかってない!俺が居なきゃダメ

2014-12-19 01:38:10
まー @marble223

なんだ!だから俺はいつもあいつに近付けないように気を配ってきたんだ。女はダメだあいつをダメにする。あいつには俺が居れば十分じゃないか。だから、俺はあの時もあいつを守ってやったんだ。そうさ。あいつを守るためなら俺は何だってやるんだ。だってあいつは俺の大事な大事な…

2014-12-19 01:41:26
まー @marble223

【歪んだ愛】「梨田、今から話す事は、本当は僕は墓場まで持って行こうと思ってたんだ」「何だよ、大袈裟な奴だな」「いや、真面目な話」「ごめん」「おまえさ、本当に知りたいのか?真実を。真実は知らない方が良いこともあるんだぞ」「…俺は知りたい。ちゃんと受け止めたいんだ」「そうか…

2014-12-19 01:51:58
まー @marble223

「俺は、このデジカメが送られて来て、動画を見て、凄い違和感を感じたんだ。何かがおかしい。何か隠されてる。それを俺はどうしても知りたい。いや、知っとかなきゃいけない。そんな気がしたんだ」「まぁ、今のお前が受け止められるかどうかは、あいつ次第だが」「あいつ?」「カイだよ」「カイ」

2014-12-19 01:55:43