艦これＲＰＧ　～初心者たちの処女航海３～　第四話

WhiteGM @WhiteGameMaster

そういう意味では、何をするでもなく年末にゆっくりできるのは、贅沢と言えば贅沢なのだろう。だが同時に「それが贅沢なのか」とも思う。 　めでたい日を何を憂う事もなく当たり前の様に祝うことができないのということは、常に少なからず何かに怯えて警戒しているという事だ。 　#初Tw艦RPG

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「ル級、何か難しい事考えてるでしょ？　眉間に皺寄ってる」 「え？」 　テレビを見ていたはずのレ級がこちらをジィッと見ていた。慌てて取り繕うとしたが、既に遅かった。 　#初Tw艦RPG

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「どうせ、世界平和とか小難しい事考えてたんでしょ？　年末なのに。ヲ級を見習いなよ、祭りに参加してるよ？　あそこ、戦場だけど」 　こちらの心を見透かした様につまらなさそうに鼻で笑い、レ級はミカンをほおばった。 　#初Tw艦RPG

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視線を手元に落とすと、剥いたはずのミカンが無くなっていた。 「レ級？」 「飢えた相手への施しだけが唯一絶対の正義だって、やなせたかしが言ってたよ？」 「…仕方ない」 悪びれもせず笑いながら伸ばされたレ級の手に、溜息を吐きながらミカンの最後の一房を置いた。 　#初Tw艦RPG

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まぁ……下らない話をしながらめでたい夜を無為に過ごす、そう考えれば贅沢なのかもしれない。 明日は網走鬼灯姉妹と初詣にでも出かけよう、生憎晴れ着は用意していないが問題はあるまい＜大晦日番外編　了＞