お題の一文から続きを考えてみよう ~影菅・及菅編~
「影山飛雄は、まるで漫画に出てくるような『神様に選ばれた天才』と呼ぶのに相応しい人物だったと思う。」それと同時に人に恨まれる天才でもあった。 「菅原さん!」と俺を呼ぶ声はまるではしゃぐ子犬のようで。俺の殺意なんて微塵も知らない。「可哀想に…」ぽつりと呟いた声に感情はなかった。
2014-12-01 15:56:34「影山飛雄は、まるで漫画に出てくるような『神様に選ばれた天才』と呼ぶのに相応しい人物だったと思う。」そして俺は神様が手を滑らせた不良品。表情と感情が噛みあわないんだ。いつもとびっきり笑う度に心の奥は冷たくてギシギシ苦しい。いつか壊れてしまうんじゃないかって怯えてる。
2014-12-01 16:10:10「影山飛雄は、まるで漫画に出てくるような『神に選ばれた天才』と呼ぶのに相応しい人物だったと思う。」片や俺は凡人。世の大多数はそうだろ?あいつが特別なだけ。でも特別に追いつきたい、対等になりたいと思ってしまった。それが幸せの始まりで、幸せの終わりだったね。分不相応で、笑える。
2014-12-01 21:11:06「孝支さんは、絵に描いたような良い先輩だった。」影山が俺のことをそう話したと聞いたときの感情を何と呼ぶのだろう。「絵に描いたような」という表現はあまりに的確で、けれど影山は褒め言葉として言ったに決まっていて、無自覚に俺の心を深く刺す、あいつのそういうところが本当に憎くて愛おしい。
2014-12-01 21:44:24「菅原孝支は、絵に描いたような良い先輩だった。」 なんて聞くと鼻で笑ってしまう。誰が良い先輩だって?俺は君ほど悪い人間を知らないよ、スガちゃん。隣ですやすや寝ている彼の頬をそっと撫でると、気持ちよさそうに擦りつけてくる。もういいや騙されてもって思ってしまった自分が悔しい。(及菅版
2014-12-01 21:49:49「影山飛雄は、まるで漫画に出てくるような『神に選ばれた天才』と呼ぶのに相応しい人物だったと思う。」俺の努力はあいつの陰に埋もれてしまっただろう。隣にいる俺はただの凡人なのだから。けど、その天才に慕われているということに優越感を覚えずにはいられない。
2014-12-01 22:24:57人は疑わない。まさにこの、普遍的な絵が、素晴らしいものであると。他人には知りえない。その一筆に込めた意味など。私が口を閉ざす限り、私は永遠に「良い先輩」であり続ける。誰も信じない、私に名前など無かったのに。知らない誰かが名付けたその日から、私は「良い先輩」になったのだ。
2014-12-01 22:49:27孝支さんは、絵に描いたような良い先輩だった。と同時に、脆くて危うい男だった。笑顔の下に、焼けるような情熱と凍えるような皮肉を押し込めて生きていて。俺は彼の内側に入りたくて、いつももがいていた。求めても求めても足りなくて、皮膚すらも邪魔で。彼を抱いている時だけ、ようやく安心できた。
2014-12-01 23:15:26「菅原孝支は、絵に描いたような良い先輩だった。」そう思われる為に全てを費やした気がする。自分の顔も感情も性格も全てをその人にとって適切な自分に描き変えて、いつしか自分で描いた理想の俺に、本当の自分さえ殺されてしまった。もうその顔さえ思い出せないんだ。 (@rui4444)
2014-12-01 23:24:47影山飛雄は、まるで漫画に出てくるような『神に選ばれた天才』と呼ぶのに相応しい人物だったと思う。そんな男が、どうして俺なんて選んだんだろうね。泣きそうな顔で愛のことばを繰り返す飛雄。ばかだな、お前に愛してもらえるだけの何かなんてないのに。俺が差し出せるものなんてこの命くらいなのに。
2014-12-01 23:42:16「菅原孝支は、絵に描いたような良い先輩だった。」 「お前の目に映る俺は綺麗?」「はい、綺麗です」「そっか」それならいいや。たいそういいや。だってお前にはこのレイヤーの底の凍りついた心臓に気がついてないってことだ。この絵の一番の見処で、一番醜いところに、気がついてないってことだろ?
2014-12-02 00:10:37「影山飛雄は、まるで漫画に出てくるような『神様に選ばれた天才』と呼ぶのに相応しい人物だったと思う。」 ただし天才なのはバレーだけね。と言える人は少しは影山の事を知ってる人。その中で影山を可愛いと言えるのは俺だけだと思う。可愛さの余り、できればこの手でその息を止めてやりたかったと。
2014-12-01 13:39:31