うん‐どう【運動】 [名](スル) 1 物が動くこと。物体が時間の経過とともに空間的位置を変えること。「振り子の―」「天体―」⇔静止。 2 からだを鍛え、健康を保つために身体を動かすこと。スポーツ。「肥満防止のために―する」「―競技」 ☆ 「なぁーにが体を動かすこと、だよ」
2014-11-08 00:25:22村で作った野菜を、町まで遠路はるばる売りに行く。時間にして2時間。往復にして4時間!辞書はこんな重労働さえも『運動』の範疇なのだろうか? 村の大人たちはそうだった。『若いうちは苦労するもんだ』といって、何の改善もしない。だから若い奴らが離れて、限界集落になっちまったんだ。
2014-11-08 00:25:59野を越え山を越え、川を渡って町に着いても、儲けはわずか。 町じゃ足元見られて買い物もままならない。 はあーあ、この繰り返しで村の慣習に殺されるのかな、俺は。 そう思いながらとぼとぼ、野を越え山の麓に近づいたときに、茶色い野ウサギが目に入る。
2014-11-08 00:26:39兎と言ったら普通跳ね回るものなのだろうが、ふるふると震えながらうずくまっていた。 「足怪我してるじゃないか」 服の袖をちぎって、右足の出血を覆う。傷の深さからして、刃物によるものだろう。 「気をつけろよー」 ひどいことをする人もいたもんだと呟きながら、山を登って、それから下って。
2014-11-08 00:27:34川を渡ろうとすると、緑色のカメが目に入る。 カメと言ったら普通のろのろと地を這うものなのだろうが、両足をじたばたさせるだけだった。 「ひっくり返されて動けないのか」 ひょいと拾ってカメの天地を180度回転させる。 「こんなことして何が楽しいのかね」
2014-11-08 00:28:20ひどいことをする人もいたもんだ、と呟きながら、橋のない川を渡って、町について。いつも通り、少ない稼ぎと憐れみの視線をもらって、そして帰った。 ☆ こんこん。こんこん。 薄い扉をノックする音だ。 もう夜が更けたというのに、誰だろうか。
2014-11-08 00:28:54しかし、こんな辺鄙な村に来るモノ好きはいないし、最近は村の住人からも嫌われてる。 村についての愚痴をさんざ言っているからだろうか。 いい加減ノックがしつこいので、がらっと引き戸を開けた。 「あーもう、何だよ」 扉の前にいたのは、女の子。 まん丸い赤目、2本の跳ねた髪。
2014-11-08 00:29:55そして、纏う布がたわわに実った果実を制御しきれていないのが気になって仕方ない。 そんな男を夢中にさせる要素満載の女の子が目の前にいるだけでも驚きなのだが、 「今日助けて頂いたウサギです」 この一言にはさらに驚いた。 「中に上がっても?」 「え?ええ、どうぞ…」
2014-11-08 00:30:15理解がおっつかないので、どうぞと言うしかなく。 すっとウサギの子が家に入ると、更なる来訪者。 「失礼しま…ひゃっ!?」 入口でこける来訪者。 俺はその来訪者に乗っかられ、抱きしめる形になってしまった。 そして、指先に違和感。 この子、背中が固い。
2014-11-08 00:31:21「はわわっ、失礼しました。わたし、今日助けて頂いた亀でございますぅ」 ばっと離れ、両手をバタバタさせて顔を赤らめる。ぱっつんの緑髪。そして、起伏に乏しい細っこい体。でも、その幼げな容姿をみていると、支えてやりたくもあり、簡単に押し倒せそうでもあり。 「で、その兎と亀が何の用です」
2014-11-08 00:32:14「何って、せっかく神様に頼んで人間の雌の姿にしてもらったんですから」 「やることはぁ、ひとつですよぉ」 ウサギの子が両手のひらでで俺の頭部を包み込む。そこから、ぐいと顔を近づけた。 「ん、む、ちゅっ…」 無理矢理、俺の唇を奪うウサギの子。舌を這わせ、唇や頬を、ひとしきり舐る。
2014-11-08 00:32:42「ねえ、旦那様ぁ」 「だ、だだだ旦那様?」 「助けて頂いたんですもの、私の全てを捧げるのは当然ですよぉ」 ウサギの子が俺を押し倒し、肢体を擦りつけながら、語りかけてくる。 ずっと見ていると気がどうにかなってしまいそう。
2014-11-08 00:33:17「旦那様、知ってますか?兎って、年中発情期なんですよ?妊娠中でも、平気でヤっちゃうんですよ?」 こんな寂れた村では出会いがない。故に経験も無い。情けないことだが、迫られるとどうしていいのやら、だ。勢いに身を任せるか。などと考えていると、いつの間にか俺のパンツが露わになっていた。
2014-11-08 00:33:48「うぉっ!」 「ん、れる、ちゅぱ…」 亀の子が下着を脱がしにかかり、ついには俺の亀を…っておい、これ以上説明させるな恥ずかしい。 「ご主人様ぁ」 「ご、ごごごご主人様ぁ?」 「助けて頂いたんですものぉ、身も心も尽くすのは当然ですよぉ」
2014-11-08 00:34:35カメの子が、舌足らずの声で、ゆったりと語りかけてくる。 ずっと聞いてると脳が蕩けてしまいそう。 「ご主人様ぁ、知ってますかあ?カメって、一度に5個から、20個の卵を産むんですよぉ。ご主人様のためならぁ、私、何人でも生みますぅ」
2014-11-08 00:35:04