#TC鎮守府　まとめ５

てぃーえー@C103土ヨ-02b @ta_castlepoint

我々はボックス席に陣取っているわけですが、男一人が準大型〜大型の艦娘に囲まれて談笑している様はハーレムとも揶揄されかねませんが彼女らは兵器。 艦娘が如何に危険な存在かを分からない輩は後を絶たない。 争いや荒事を好まない艦娘は結構居ます。 その逆も然り。 例えば、 #TC鎮守府

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「おっ、お姉さんたち暇？ 俺達と一緒に飲まねぇ？」 男受けしやすい風貌の高雄と愛宕が早速引っかかりました。 命が助かることを祈ります。 摩耶と鳥海が席に戻ってきた。 「提督、ライター貸せ」 「私も久々に」 どうぞ。 摩耶にジッポーを投げて渡す。 #TC鎮守府

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摩耶と鳥海。 高雄型だけあって荒事専門ですが、行動パターンは上二人とは若干違います。 二人は目が合った相手を睨みつけて黙らせるタイプ。特にうちの摩耶を見た友人曰く、 「深海棲艦よりも人間に砲口向ける方が多い」 それよりも問題なのは、上の姉二人です。 #TC鎮守府

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「司令、止めなくてよろしいのですか」 野分が心配そうな顔をしています。ああ、あの二人は無視していいです。 「貴方は司令官ですよ。部下のトラブルの火消しも貴方の役目かと」 野分、慎みなさい。 #TC鎮守府

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「のわきー、高雄さんたちには余計な事をしちゃダメだよー」 舞風の言う通りです。放置が基本です。 「は、」 未だ彼女らの事は知らないでしょう？ ポケットのスマホが振動する。 ほらきた。 #TC鎮守府

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メールでした。 『所用です』 案の定の展開が始まりました。 ため息を付きながら懐からイヤホンを引張り出し、スマホに挿す。同時に着信音。 高雄の番号です。 無言で通話に切り替える。彼女のやりたいことは嫌でもわかります。 そのまま通話状態にして、後ろを見ないようにする。 #TC鎮守府

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「司令、何か？」 野分。イヤホンを片方貸します。 内容を聞いてどう思うかは吐き出すも、胸の内に秘めるかは任せる。 私が良いと言うまで後ろは見ないこと。 「仰せの通りに･･･どうも」 腑に落ちない返事で野分が片耳にイヤホンを挿す。 #TC鎮守府

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「ごめんねぇ。あそこにうちの提督が居るのよぉ」 「提督･･･マジ？お姉さんたち艦娘？すげぇ！戦ったりするんだろ？話聞かせてくれよ！」 「あんなダッセエ奴がこんな美人さんの提督だなんて世の中間違ってるよなー」 「そうよねぇ。童貞だし」 #TC鎮守府

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「マジで？ウケるんだけど！あのにーちゃん何歳だよ！」 「アラサーなのよぉ」 「うっわありえねぇ」 愛宕の声は高雄の携帯が拾うように結構大きめの声です。 会話の内容が先程の続きなので私の心を酷く抉ってきますが気にしてもムダってことぐらい私はわかっている。 #TC鎮守府

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――つづき。 #TC鎮守府

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「姉貴たちにはな、悪い癖があってだな」 「癖？」 「聞いてりゃわかる」 野分、とりあえず後ろの様子に気が付かないふりをしていなさい。 「…わかりました」 鋼色の瞳に一瞬影がさすものの、指示に従った。 『それでね、今日はお仕事の打ち上げなのぉ♥』 #TC鎮守府

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『仕事って？』 『敵をぶっ殺す仕事よぉ？ちょっとパラオまで行って血の海にしてきたの』 だんだん発言が物騒になってきました。 『パラオ？すげぇなぁ。リゾート地だろ？今は立入禁止だよな？』 『深海何とかっていう怪獣だろ？』 『そそ。それそれ』 #TC鎮守府

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『で、お姉さんたちなんていう戦艦なの？』 高雄の舌打ちが聞こえた気がした。 『戦艦じゃないわぁ。戦艦はあそこに居るおっきい子よ』 まて、武蔵に振るな。 『でもぉ、あの子は気性が激しいから話しかけると危ないわ』 『へ、へえ、そうなんだ』 どの口がそんな事を言いますか。 #TC鎮守府

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『けどさぁ、世の中不条理だよなぁ。どうしてそんな奴が提督で、美人に囲まれて一日中過ごしてんだよ…』 『そうよねぇ。童貞でオタクだし、こまっちゃう』 高雄は沈黙している。 だいたい相手に火をつけるのが愛宕なのは変わらない。 そういう手口だ。 #TC鎮守府

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『でもぉ、うちの職場すごくお給料がよくてぇ♪』 そりゃまあ、うちの稼ぎ頭ですし、私の護衛の１人ですし。 『マジで？』 『月収いくら？』 『ナイショ♥』 『えー、教えてくれたっていイイじゃーん』 #TC鎮守府

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「たまには人間どもの風俗に溶け込むのも悪くない」 艦娘はアルコールを摂取できますが、殆ど酔わない。 それは大型艦になればなるほど顕著になり、 「強い酒だということは分かるが、酒に酔うという感覚は未だよく分からぬ」 武蔵はズブロッカを瓶ごと呷っていますが全く平気。 #TC鎮守府

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『ほらほらー、負けてるわよー？』 『二人ともすげぇ』 イヤホンから流れてくる声から察して、高雄達も同じく度が強い酒をガンガンやっています。 高雄達をチラ見するとどうやら飲み比べをしているみたいです。 #TC鎮守府

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艦娘相手に酒で勝負して勝てるとでも思ってるんですかね？ 男達の雰囲気からしてよからぬことを考えているのは見え見えですが。 ちなみに私は酒に強くないのでキューバリブレが限界。 #TC鎮守府

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「貴様はやたら強い煙草を好む癖につくづく可愛らしい酒ばかり好みおって。男ならこれぐらいいけよ」 ラム酒の瓶を目の前に置かれますが黙って武蔵に突き返す。 「だったらアタシが貰うぜ」 摩耶が隣から瓶を奪う。 #TC鎮守府

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「おい摩耶！それは元々私の酒だ！自分で買って来い！」 「ケチってんじゃねぇよ！」 私を挟んで喧嘩するのはやめてほしい。 ただでさえ人間の規格を外れた力の強い艦娘がしかも重巡と戦艦が殴り合いを始めたらならば衝突するだけで周囲の地面が割れます。 #TC鎮守府

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チャラい兄貴達と飲み比べをしていても高雄は一言も発しない。もう少し静観しましょう。 『お姉さんたちさ、それでもあんな奴と一緒だと面白くなくない？』 『俺達とここより楽しいところ行こうぜ』 『俺らの知り合いが店やってんだよ。そっち遊びに行こうよ』 #TC鎮守府

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高雄たちが男等を誑かす一方こちらでは酒瓶を巡って摩耶と武蔵が醜い争いを繰り広げています。 「あたしは秘書艦だぞ！身分はテメエより上だろうが！たまには労えよ！」 「貴様は月幾ら稼いでいるのだ！私より稼ぎが良いはずだぞ！冗談も休み休み言え！こんな時だけ身分を使うな！」 #TC鎮守府

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『どうだい？一緒に行かない？』 うっわ露骨な誘い。 『そうねぇ、どうする高雄？』 『久々の俗界とはいえ下等生物との戯れはどうしてもくだらないわ。何を言うかと思えば下心丸出しのナンパですか？汚らわしい』 『そうよねぇ。たかが人間如きが思い上がるなっていうぅ？』 #TC鎮守府

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『はい？』 恐らく男達は態度が急変した二人に面食らったことでしょう。 『艦種の判別すら出来ぬ無知蒙昧が艦娘を口説こうとはまさに』 『下等生物のすることね』 『え、』 戸惑う男達。ご愁傷様というしかありません。 『奢ってくれてありがとねぇ❤️』 『失せなさい』 #TC鎮守府

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後ろを振り向くと列をなして引き下がる集団。男の1人と目が合った。 何か言いたげな視線ですが無視を決め込む。 #TC鎮守府