破壊の宴その2

前に雑談から生まれたお話その2. 後でまた続き更新すると思う
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CF型マシニーカhir @hir_CF

朝日が差し込む。小鳥のさえずりが聞こえる。 柔らかな空気に包まれ、もっと眠っていたい。 ところが、とてもおいしそうな匂いが漂ってくる。卵が焦げるにおい。トーストが焼けるにおい。出来立ての朝食のにおい。 #破壊の宴

2015-01-05 22:55:20
CF型マシニーカhir @hir_CF

眠気と食欲、しばしの戦い―― 当然の如く食欲が勝利。私は、タオルケットを捲ると眠っていたベッドから身を起こした。 ふと、違和感。ここはどこかしら? 大きな窓。白い、殺風景な部屋。あるのは寝具だけ。 「起きたか?」ガチャ その時扉を開けて入ってきたのは、熊のような大女 #破壊の宴

2015-01-05 22:58:50
CF型マシニーカhir @hir_CF

あなたは? 「私か?そうだな。―私は」 考え込む女を観察する。 身長は190㎝近くあるだろうか。頭から2本の角を生やした髪飾りをつけ、筋肉質。タンクトップにホットパンツというラフな格好。 「まあ、お前の姉―と言ったところか」 姉? 「じき分かる。まずは飯だ」 はあ #破壊の宴

2015-01-05 23:05:39
CF型マシニーカhir @hir_CF

よくわからないが、食事を出してくれるというのであればご相伴に預かるべきだろう。お腹がすいたわ。 「連れてきたぞ」 隣の部屋では、30過ぎの男が料理を並べていた。ここはキッチンか。 「おお、おはよう。そして誕生おめでとう」 誕生日?分からないことだらけですね #破壊の宴

2015-01-05 23:10:25
CF型マシニーカhir @hir_CF

皆が席につくと、とりあえず食事が始まる。 ハムエッグ、トースト、サラダ、コーヒーの、ごく普通の食事。 「このハムエッグのベーコン、"アレ"で作ったのか?」 「たぶんな。商店に残っていた真空パックを持ってきたわけだが」 「これもある意味私の兄弟なわけか…」 ? #破壊の宴

2015-01-05 23:16:01
CF型マシニーカhir @hir_CF

そんな雑談を挟みつつも、やがて食事は終わる。 「…さて。我々が何者か。というところから話せばいいのかな」 説明が欲しい。 「その前に。君は自分が誰か分かるか?」 ?それは勿論…… !? ない。 記憶が…ない。 「覚えていない?」 頷く。 「大丈夫。それで正常だ」 #破壊の宴

2015-01-05 23:21:38
CF型マシニーカhir @hir_CF

正常?記憶がないのが? 「ああ。だって、君を作ったのは昨夜だから」 ……冗談でしょう? 私の言葉に彼らは顔を見合わせる。 「見せた方が早いか」「同感だ」 見せる? 男は傍らから端末を取り出すと、何かの動画を再生する。 ――― #破壊の宴

2015-01-05 23:25:30
CF型マシニーカhir @hir_CF

これは。 「見るかい?」 差し出された手鏡で自分の顔を確認。 そう。自分の顔も知らないのだ。私は。 そして確認する。 私自身と――動画で、パーツ単位に組み立てられている少女の顔とを。 「培養した細胞を、合成食肉用のプリンターと医療用ユニットで組み立てた。それが君だ」 #破壊の宴

2015-01-05 23:28:38
CF型マシニーカhir @hir_CF

「ちなみにこの巨人は君より前に同じ方法で作った」 男の言葉に大女の方を見る。―どう見ても人間にしか見えないが―作った? 「この世界の科学技術は、君が思っているよりずいぶん進んでるんだよ。それこそ、ありふれた機械を寄せ集めるだけで人間を作るくらいは簡単にできるほどに」 #破壊の宴

2015-01-05 23:32:42
CF型マシニーカhir @hir_CF

溜息。 そういう事なら納得しないわけにはいかないですね。 「話が早くて助かる」 それで?何故私を作ったの? 「同じこと言ってるなあ」 二人は顔を見合わせるが、この状況なら誰でも同じことを言うと思う。 「色々やってもらいたい事はあるが―まずは戦闘だ」 !? #破壊の宴

2015-01-05 23:40:22