BLAME！×艦これ Prototype-LOG

ケモ耳ジト眼娘十四朗 @Jyuusirou

東亜重工でメンサーブに転送された霧亥。目を覚めすとそこは……都市構造体とは明らかに異なる場所だった。重力方向と反対にどこまでも続く空間。はるか彼方まで存在する巨大な水の塊。そして、重金属ペースと製ではない床。それは空と海と大地と呼ばれるものだった。 #BLAME艦これ

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柔らかい足場。細かい砕屑物が積み重なった足場に男は立った。 巨大な水の塊の中には幾つか反応がある。遺伝子的に見て人間の物とは異なっている。別の生物だ。 それと、二キロ先から何かが近づいている、人のそれとよく似た遺伝子構造だが、これも人とは違う #BLAME艦これ

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珪素生物でも、セーフガードでもない。統治局の代理構成体でもなかった。詳細不明、と男の視界に移った文字は告げる。手を自らの武器に伸ばす。まずはこの空間について知ること、そして死なないこと。自らに付与された役割を果たすこと。 #BLAME艦これ

ケモ耳ジト眼娘十四朗 @Jyuusirou

通常視界で確認できる距離まで、詳細不明の動体が接近した。それは人の形をしていた。背が高く、白く長い髪の——女性だった。 よく似た人間を男は知っている。長い長い探索の中で知り合った女性。 彼女と目の前の正体不明目標はよく似ていた。 #BLAME艦これ

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「良かった、生きてる。この辺りで漂流している人がいるから見てくるように言われたんです」 にこやかに女性は告げた。水の上を歩きながら。 特殊な力場のようなものを男の視界は観測する。 #BLAME艦これ

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「この辺りは深海棲艦が出る地域ですから、手遅れになる前に救出するように言われたんです。すぐに迎えの船が来ますから、それまで私が護衛しますね。あ、名乗り忘れていましたが、私は翔鶴型航空母艦一番艦の翔鶴と申します」 「………」 #BLAME艦これ

ケモ耳ジト眼娘十四朗 @Jyuusirou

「変異……違う。お前は人間ではない。人とは構成材質が違い過ぎる」 「あっ、あ、はい。あの、確かに私は艦娘ですけど……」 「艦娘ってなんだ」 やっと口を開いた男は不躾にそんなことを聞いた。翔鶴と名乗った女性は男の冷たい口調に戸惑う。 #BLAME艦これ

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「艦娘を知らないんですか？」 「………」 「そ、そうですか。色々ありますからね！世界は広いですから、はい！」 「………」 「も、もうすぐ船が来ますからね！」 「………」 「あの、もしかして私……何か起きに触ることを言いましたか？」 「霧亥」 #BLAME艦これ

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「はい？」 「……霧亥だ」 「貴方の名前、ですか？」 「………」 「分かりました！霧亥さんですね！それでその、霧亥さんはどうしてここに？この海域で何かお仕事を？」 「ネットに接続できる人間を知らないか？」 「ネット……ってなんですか？」 #BLAME艦これ

ケモ耳ジト眼娘十四朗 @Jyuusirou

「俺はネット端末情報遺伝子を探している。お前は珪素生物でもセーフガードでもなさそうだ」 「え、えぇ確かにそのような団体には所属しておりませんが……あ、迎えの船が来たみたいですね！お話は泊地に戻ってからにしましょうか！」 #BLAME艦これ

ケモ耳ジト眼娘十四朗 @Jyuusirou

霧亥は接近する物体を望遠視界で補足する。黒い外骨格で形作られた物体。珪素生物と類似する物質で体を構成した生物。 翔鶴とは明らかに異なる構造と特性が違う。 「……一つ聞きたい。アレは味方か？」 「えっ、アレって……」 #BLAME艦これ

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翔鶴から電波発射を認める。跳ね返った電波を受け取るやいなや、翔鶴は血相を変えた。 「嗅ぎつけられたの！霧亥さんは下がってください。深海棲艦が来ます」 「敵、か？」 「何を寝ぼけたこと言ってるんですか！深海棲艦といえば敵です！」 #BLAME艦これ

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霧亥が銃を抜く。視界で捉えた目標。翔鶴が言うところの深海棲艦に照準を合わせる。 金属を擦り合わせるような音が鼓膜へと突き刺さる。充填は一割以下。この距離ならば十分過ぎる。 引き金を引いた。 #BLAME艦これ

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解き放たれた力場が線となり一直線に伸びた。 爆音と共に霧亥は後方へと吹き飛ばされる。 重力子放射線射出装置——の放つ閃光が近づきつつあった深海棲艦を貫き、着弾地点を円柱状に世界から消し去った。尚も閃光ら伸び、70km先でようやく減衰、消失した。 #BLAME艦これ

ケモ耳ジト眼娘十四朗 @Jyuusirou

目の前の光景に目を見開いて見ていることしか出来なかった翔鶴が我に帰り、浜辺に転がった霧亥へと駆け寄る。 翔鶴が手を貸すまでもなく、霧亥は何事もなかったかのように立ち上がり銃を収めた。 「き、霧亥さん！そ、それなんなんですか！」 #BLAME艦これ

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霧亥は答えず、その場に座り込んだ。 東亜重工での一件から殆ど補給なしで戦い、目が覚めたらこの場所に居て、敵らしきものに重力子放射線射出装置を発射した。 電気漁師とはぐれ、シボとも別れた今、霧亥の置かれた状況は生電社以前に逆戻りだ #BLAME艦これ

ケモ耳ジト眼娘十四朗 @Jyuusirou

探索をすべきだ。探索を続けるべきだ。 己に課された任務を遂行する。ネット端末情報遺伝子を見つけ出すという目的を果たす為に、まずは東亜重工に戻る算段から立てなくてはならない。 #BLAME艦これ

ケモ耳ジト眼娘十四朗 @Jyuusirou

「はぁ……分かりました。私も霧亥さんと海を眺めることにします。うぅ、どうしてお話ししてくれないんでしょう……」 「……海、これが」 「そうです、海です」 「そうか」 この巨大な水の塊は海だった。それは以前、紙製の情報記録媒体に記されていた言葉だった #BLAME艦これ

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BLAME！×艦これ LOG.1「海」 END #BLAME艦これ