絹ごしと木綿と冷蔵庫。

アオキ(@iShone5)とごとー(@you1422)のリレー小説。
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しょうこ @iShone5

@you1422 こんなことで友達だったゆうちゃんが敵に回る日が来るなんて、呑気にツイートしてたあの時の私は想像もしていなかった。あの何の気なしの、軽い一言がまるで、――――寒い、寒い、真冬の夜のようだったのである。

2015-01-22 23:00:45
ごとーゆー @you1422

@iShone5 文学部はこれだから敵に回すと、とても面倒。だが、絹ごし連合軍団長の威信と誇り、団員たちの想い、そして故郷の冷蔵庫に置いてきた絹ごし豆腐のことを思うともうあとにはひけまい。そう、もうあの頃に戻ることなど出来はしないのだから…

2015-01-22 23:05:17
しょうこ @iShone5

@you1422 いっそのこと、あの冷たくて暗い故郷さえなかったならば友情を摘み取る必要などなかったのかもしれない………。否、私は知ってしまっていた。かの冷蔵庫の表面という冷たい仮面の裏側に、あたたかな息吹を感じ取ってしまっていたのだった。

2015-01-22 23:13:25
𝘢𝘪𝘳𝘢 @ai1217624

文学部ならではのリプ合戦やめてください

2015-01-22 23:14:54
🦐さこぐち🐴10th✩ @strs_snmy

日分学科渾身の文学的クソリプ合戦

2015-01-22 23:16:10
ごとーゆー @you1422

@iShone5 思い出すとまるで昨日のようである。戦争の意味さえまだ知らぬ私たちは毎日のように冷蔵庫を覗いた。私はそれだけでたのしかった。けれど君の言葉で語られる故郷はいつも冬だ。冷たく冷えきった、まるで冷蔵庫だ。いつから道を違えてしまったのか。いまではそれすら知る術はない。

2015-01-22 23:25:37
しょうこ @iShone5

@you1422 二人して同じように覗き込んだその先が、全くの別物だということには気付いていた。あれは、酷く暑い夏だった。汗かきの君がライムグリィンのボトルを片手に、「メロスのことは忘れろ」と低く吐き捨てた、まさにその日のことであったのだ。

2015-01-22 23:34:00
しょうこ @iShone5

着地点でふぁぼることを決意

2015-01-22 23:36:01
ごとーゆー @you1422

@iShone5 冷蔵庫が壊れたのだ。きっと暑い気温のせいだろう。しかし私たちにそれを理解できるだけの知識はなく理解したのは冷蔵庫が壊れてしまった、ただそれだけだった。だからきっと私は言ってしまったのだ。それが君を苦しめるとも知らずに。そう私は確かに言った。メロスのことは忘れろと

2015-01-22 23:37:52
🦐さこぐち🐴10th✩ @strs_snmy

自らの脳内に存在する語彙の海に手を伸ばす。汲み上げては選別し、文章に並べる。「140字」というリミットに触れぬよう、推敲に推敲を重ねる。そう、いつしか彼女たちの中でその行為は“ゲーム”となりつつあった。クソリプ、いや、これは闘いである。言葉を紡ぐ者としての誇りをかけた闘いである。

2015-01-22 23:39:27
ごとーゆー @you1422

絹ごし連合軍 団長として、草の根的活動 pic.twitter.com/XzinhVO3H5

2015-01-22 23:41:12
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しょうこ @iShone5

@you1422 言葉の意図する事柄より、声を荒らげたゆうちゃんに私は酷く狼狽した。しかし、戦地で思い出すのは、猫の柔らかな腹、あの輝かしい友情の日々。甘やかな記憶に指先まで浸って、しかし、現実では絹ごし連合軍との戦いに明け暮れるのだ。

2015-01-22 23:47:51
ごとーゆー @you1422

@iShone5 いつまでも子どもではいられない。私たちは大人になり、無意識の内に互いを敵とした。戦いに明け暮れた日々の中で私は今でも考える。それでもどうしてあの時君にあんな言葉を殴り付けるようにぶつけたのか、自分でも分からないままなのだ。そして無情にも時は過ぎ去っていった。

2015-01-22 23:52:23
しょうこ @iShone5

@you1422 「木綿とかふざけんなコルァ!!!!」――あれは、君だったのではないか。勿論君はタカラヅカシティで防衛戦を死守しているのだからここにいるはずがない。だが私が木綿豆腐に心酔していく間、君の心は常にそうあったのではないかと今となっては思うのだ。

2015-01-22 23:58:29
ごとーゆー @you1422

@iShone5 「絹ごしとか、ちょっともう無理かな…」ーーそう小さく呟く君の声が聞こえた気がした。空耳か、私の空想か。君の心が木綿豆腐に奪われていくのを、ただ見ていることしか出来なかった私に侮蔑を含んだ冷ややかな笑みを浮かべた君を忘れられない私は、何処へ向かえばいいのだろうか。

2015-01-23 00:04:20
ごとーゆー @you1422

アオキについて行くの必死だかんな!!!!!!!!! (手汗ぐしょぐしょ過ぎて1回ミスリプして慌てて消した)

2015-01-23 00:07:04
しょうこ @iShone5

@you1422 それを聞いた私の胸を衝く衝撃、ぬかるんだ地面を思いきり踏みしめるような、ドッドドドドドド!!!ああ!生きる、とは…………。間もなく自軍は白旗を揚げた。敗北だ。しかし連合軍もまた白旗を揚げ、拡声器で一言、「ドラゲナイ」。それだけだった。

2015-01-23 00:13:00
ごとーゆー @you1422

@iShone5 私に出来ること、それは降伏の白旗をあげること、それだけだった。最前線へ白旗を持たせた伝令を向かわせる。頼む… 間に合ってくれ… また君とあの懐かしい故郷へ帰るために… 冷蔵庫で冷えている絹ごし豆腐と木綿豆腐を二人で眺めるために… あぁドラゲナイとは…

2015-01-23 00:17:33
しょうこ @iShone5

@you1422 国破れて豆腐在り、シティ春にして絹ごし柔し、時に感じては大豆にも涙を濺ぎ、絹ごしを恨みては旗にも心を驚かす。 ―――古歌にこれほど心震わすなど、それまでの私では有り得なかった。あたたかな、冷蔵庫の裏側のような、風が吹いていた。

2015-01-23 00:26:52
ごとーゆー @you1422

@iShone5 そこは草原だった。今まで必死に守っていた防衛線も、弾丸を防ぐ壁もない。ただ、ただ広く自由な草原であった。武器も持たず私は走り出した。君の居るタカツキシティまで。君に会いに行こうと思った。上手く話せるかは解らない。けれど、会いに行こう。ヤックルに乗って。

2015-01-23 00:36:23
しょうこ @iShone5

@you1422 ハリツメタ…ユミノ…フルエルツルノ…ツキノヒカリニザワメク…オマエノココロ…………(コダマカタカタカタ…) 【完】

2015-01-23 00:39:29