短編【Red】

pe-ko @Peko8_m

「もうすぐ、誕生日やろ？なんか欲しいもんとかあるか？」と聞かれる。本当はもっと、一緒に居られる時間が欲しいって言いたいけど、それは難しい…よね？『特にないかな。気にしなくても大丈夫だよ』「…なぁ、欲しいもん、俺との時間とか言わへんの？」と肩に寄り掛かりながら言ってくる渋谷すばる。

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買い物に来たショッピングモールで七夕の願いごとを短冊に書いて笹に付けるイベントをやっていて「願いごと書こう」って言ったら「えぇよ」意外と乗り気なすばるくん「なぁなぁ、お前は願いごとなんて書いたん？」って興味津々に聞いてくるから「ヒミツ♡」って言ったら「教えろや」とちょっと不満気。

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「すばるくんは、何て書いたの？」と聞いたら、いきなり短冊を渡される。見てみると『◯◯と結婚して幸せな家庭が築けますように』「これって…」と驚きながら、すばるくんを見ると「俺の願いごと叶うんかなぁ？」とジッと見つめられる「そんなの私の願いごとが答えだよ」とすばるくんに短冊を渡すと、

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「これ、ホンマか？」と短冊を見ると、ますます目を見開いて、短冊と私を交互に見てくる「うん♡」と頷いて、2人で一緒に笹の葉に短冊を結ぶ。『これからも、ずっとすばるくんと一緒に要られますように』この願いごとが、すばるくんへの返事だよね…？ pic.twitter.com/zRlyvKNfvc

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すばるくんと家で2人で過ごす日は家に帰ってきたら、手洗い、うがい、化粧落とし。理由はすばるくんがすっぴん好きだから♡今日は化粧を落としてるところに仕事の電話。タイミング悪いって思いながら、中途半端に化粧を落とした状態で電話に出て話をして居ると、私に向かって何か言ってるすばるくん。

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どうしたのかな？って思ったら、手には化粧落とし。もしかして、化粧落としをやってくれるって言ってたのかな？たまには甘えてみようかな…？小声で「電話中やから、口は後やな。目からか？」とかブツブツ言ってる姿が愛らしい。目を閉じろってジェスチャーされて、目を閉じる。目をゴシゴシやられる。

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ゴシゴシやられるのが痛くて思わず、痛そうに顔を歪めたら「ん？痛いんか？ゴメンな」って携帯を当てていない方の耳元で囁かれる。すばるくんの吐息も当たって思わず、ドキッてした瞬間、電話も終わる。すると「くくっ」ってすばるくんの笑い声。どうしたんだろう？って思ってたら、顔に出てたみたいで

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「んー？なんか、お前パンダみたいやなって思ってな」「遊んでないでちゃんとやってよ」「なんや？お前、電話してたんとちゃうん？」「電話は終わったけど、すばるくんがやってくれてるから、甘えたくなっちゃったんじゃない」って言う私を見ながら、ニヤニヤするすばるくん「だから…」「だから…？」

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「最後までやってよ…」「なん？やってほしいん？」って言う言葉に頷くと「そんなこと言わんよなぁ」ってニヤつく「ねぇ、すばるくん。段々、言葉の意味合い違って来てるよね？」「ん？そぉか？まぁ、終わった後は…な？楽しみにしとってええんやろ？」 pic.twitter.com/jWiKVge7N8

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仕事でお食事券をもらったらしく、珍しく外でご飯食べようってなって。嬉しくて、いつも以上にめかし込む。普段は着ない服。少しヒールの靴。力が入って派手になる化粧。待合わせ場所に着くと先に着いて待ってるすばるくん。後ろから「すばるくん♡」って言ったら「なんやねんもぅ」って少し驚いた顔。

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「なんか、今日…ちゃうな」「だって、外にご飯を2人で食べに行くのとか久しぶりだし」「ほぅか…。でも、そんなかっこしてくようなとことちゃうで？」「いーの！」「はいはい、そーですか」そういうと歩き出すすばるくん。でも、なんか言いたそうだよね。変だったかな？それとも逆にドキドキしてる？

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そんなこと思いながら居ると「何、ボーッてしとるん？置いてくで」と少し先を歩いていくすばるくんの後を急いで着いて行く。すばるくんが連れて行ってくれたお店はお洒落なイタリアンのお店で、やっぱりおめかしてきて良かったな…とか思いながら、ご飯に美味しいワインに舌鼓して、2人で家路に着く。

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私の家に着いて、ソファに腰をかけるすばるくんに、コーヒーを淹れて…「部屋着に着替えてくるね」と急いでモコモコの可愛い部屋着に着替えて、化粧も落として、隣に座ったら「なぁ…。俺…さっきのお前よりさ…」って私の太ももの上にコテンと横になって、じっーと、大きな目で真っ直ぐ見上げて来る。

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「俺はこっちのが、えぇな」って笑うとすばるくんの左手は、気がつくともう私の頭の後ろ側にあって、思いっきりグッとそのまますばるくんの顔にどんどん近づいて行く。無意識に目を閉じてそのまま軽くキスをした「なぁ、どうや？これから、このまま…」 pic.twitter.com/8xguNRA3yX

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飲み会の迎えを頼まれて、お店の近くに車を止めて待ってると車越しに「ねぇ、彼女…」って声を掛けられて、どうしようって困惑してると「お前ら気安く近付くなよ。俺のんやからな」って聞き覚えのある声「え？渋谷さんの彼女さん？」「いや、カミさん」 pic.twitter.com/7fPatyNEMK

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「日曜日、遊園地行かない？」とすばるに取引先からもらった遊園地の入場券を見せると「はぁ？そんな子供っぽいとこ、行けるか！ボケ」「そうだよね。勿体無いけど…」と残念そうな顔をしたら「しゃあないから、付き合ったるゎ」って、嫌そうな顔したくせに、デート当日、遊園地に着くと私の手を取って

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気がついたら、手は私の太ももを這ってスカートの中で「2人きりやし、俺…今めっちゃ…」「えっ？ちょっと待って」「えぇやろ？あかん？」「ここで？」「ここやからやろ？」「いやいや…そこにカメラもあるしさ」そんな押し問答してる間に、1周終わりそうで諦めたのか、また、向かい合って座り直す。

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アトラクションに向かって走り出す「来たからには、全制覇するからな！」子供っぽいとかバカにしてたのに、こういうの好きなんだ、可愛いな。意外な一面にドキ♡とする。不意にこっちを振り返って笑顔で「最後は観覧車乗るからな。俺、1番好きやねん」 pic.twitter.com/UFPSaRGwXB

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朝の宣言通り、アトラクション全制覇して、最後の観覧車に乗る。すっかり外は暗くなって、観覧車からの景色は宝石を散りばめたようにキラキラ輝く夜景が上に近づくにつれて目に付くようになる「見てよ！外綺麗だよ」と向かい合って座るすばるくんに言うと「ホンマやな」と言いながら隣へ移動してくる。

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観覧車から降りようとすると、すばるくんに手を掴まれて「え？」と思ってる間に係のお兄さんに「あ、すんません、もう1周！」とニコッと笑う「え、あ、はい」とカシャンと締まる観覧車のドア「ここじゃなくても…」「ここやなくてもするけど…我慢できへんし、我慢してたし」「じゃあ、我慢しててよ」

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隣に座り直されて、カメラの位置を確認して、いきなり立ち上がったと思ったら、私がカメラから隠れそうな位置に、立ってそのまま深いキスをされる。結局、もう…言葉よりも身体が疼いて根負けする「ちゃんと、1周終わるまでにイかすから、安心せぇよ」 pic.twitter.com/Yn7cHKwmFx

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メリークリスマス①すばるver. 会える保証なんてない。 そもそも、気付いてもらえる保証もない。 だけど、会えたらいいな。 ううん、やっぱり会いたいと思う。 転職して3年。 今年のクリスマスはいつもより、 無駄な期待をしてしまう。 転職してからは、予定のないクリスマス。

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② 転職する前は、クリスマスは、営業所から営業マンが棚卸しのために、本社に出張して来る日だった。 1年で1番会社が人であふれかえって、活気があふれる日で。 滅多に会うことのない、大阪営業所の営業マンの渋谷さんに会える日。 普段は会うことは無くても、毎日、仕事の電話をして…

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③ ずっと、どんな人だろうって気になってた。 だから、初めて会った時… 自分の想像していたイメージとは違っていて、驚いた。 営業所っておじさんばかりって聞いてたこともあって。 心の中ではガッツポーズしてしまった。 どうしよう、顔好み… 「いつも、お世話なってますぅ…」

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④ そう言って、くれた大阪土産。 くいだおれ人形の3色ボールペン。 今も手帳の脇に必ず挿さってる。 「うちの会社、おっさんやおばさんばっかやろ？歳近いし、仲良くなれたらえぇなと思って。特別！他の人にはないから、内緒やで？」 そう言って笑った顔に、思わずドキッとしてしまう。