バンドパロ 一匹狼との出会い

バンドパロ、荒北との出会い編
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紫音 @honey2_honey0

バンドパロ小話 ~一匹狼の加入~ 高校に入学して半年、東堂は軽音部に入り、同学年の新開と福富とともにスリーピースバンドを組んだ。 福富は幼い頃からドラムをしていたそうで、かなりの腕前で、新開は中学からベースを始めたそうだが、こちらも上手であった。

2015-01-28 21:42:50
紫音 @honey2_honey0

@honey2_honey0 東堂は中学時代はギターでの弾き語りをしていたので、三人で組むと東堂がボーカルとなった。 結成して半年、もうすぐ文化祭で、それに向けて練習をしていた。 授業が終わり、急いで部室に向かうと、新開が先に来ていてチューニングを行っていた。

2015-01-28 21:48:00
紫音 @honey2_honey0

@honey2_honey0 「早いな、隼人。俺も急いで来たんだがな」 「HR終わるの早かったんだ、うちのクラス」 二人で話しながら、福富が来るのを待った。 しかし、なかなか福富は現れなかった。 「フク遅いな…何か聞いていないのか」

2015-01-28 21:52:06
紫音 @honey2_honey0

@honey2_honey0 「ん~、そういえば、会わせたい奴がいるとか言ってた気がするなぁ」 「会わせたい奴?誰だろうな」 「さあ?」 二人で首を傾げると、部室のドアが開いて福富が現れた。 まっすぐこちらに向かってくる福富は後ろにいる誰かの手を掴んでいた。

2015-01-28 21:55:26
紫音 @honey2_honey0

@honey2_honey0 「すまない、遅くなった」 「別にいいけどさ、後ろにいるの誰?」 「荒北だ」 福富から告げられた名前に新開と東堂は驚いた。 荒北は入学早々サボりや欠席が多く、不良なのではと噂のある生徒で、そんな男をなぜ福富が連れてきたのか二人は疑問に思った。

2015-01-28 21:59:42
紫音 @honey2_honey0

@honey2_honey0 福富の後ろにいる荒北は、手を掴まれたままで気まずげだった。 その様子を見た新開は幼なじみに問うた。 「えーと、寿一。なんで荒北くんを連れてきたんだ?」 「ギターが上手かった」

2015-01-28 22:05:14
紫音 @honey2_honey0

@honey2_honey0 返ってきた答えはシンプルで東堂には分からなかったが、幼なじみである新開には通じたようだった。 「なるほど、寿一は荒北くんが気に入ったんだな」 「ああ」 幼なじみだけで分かりあっても、東堂と連れてこられた荒北には何がなんだか分からない。

2015-01-28 22:08:22
紫音 @honey2_honey0

@honey2_honey0 「隼人、どういう事だ」 「つまり、荒北くんはギターが上手で寿一は気に入ったから、一緒にバンド組みたいんだってさ」 「なるほど、って待て!荒北を入れるのか!」 「ああ、荒北は上手い」 「そういう事ではなくてだな、というか荒北は入る気があるのか」

2015-01-28 22:11:50
紫音 @honey2_honey0

@honey2_honey0 福富の後ろで所在無さげにしている荒北に訊くと、首を傾げられた。 「ていうか、オレなんでここに連れてこられたのか分かんねェんだけど…お前ら何?この鉄火面にいきなり付き合えって言われたんだけど…何に付き合うのォ?」

2015-01-28 22:15:51
紫音 @honey2_honey0

@honey2_honey0 荒北の言葉に、新開と東堂は全くもって言葉の足りない福富に呆れ、溜め息をついた。 この、なんともいえないやり取りが荒北靖友との出会いであった。

2015-01-28 22:18:25