蒼穹のファフナーEXODUS 三間音響監督プレイバック
第11話 変貌
『蒼穹のファフナーEXODUS』第11話、プレイバック。アバンは、織姫の台詞を立たせる為に、戦力の強さを表すメンバーの気合いと音楽で。前半で、咲良と剣司の台詞バックに曲を貼ったが、ダビング時にカットした。説明し過ぎな違和感を感じた→ pic.twitter.com/QndHK1SHsf
2015-03-22 02:27:18からだ。『蒼穹の〜』で難しいのは、前にも呟いたかもしれないが短い曲(ブリッジと言う)を作る(編集)事だ。生のオーケストラだけにステムは無い。15秒、20秒、30秒的な曲が欲しい時には、本当に悩むw。さて、話をドラマに戻そう。前半でのポイントは、彗と母の香奈恵のシーンだ。香奈恵役の
2015-03-22 02:30:03→竹内順子さんは、『イナズマイレブン』からのお付き合い。妥協をしない彼女は、大好きな役者さんの一人だ。それだけに『イナズマイレブン』で、彼女からの信頼を得る迄には時間を要した。こちらの考えを納得してもらうまで、話し合う。「仕方ない…」「やれば良いんですね?」は、彼女の中には無い。
2015-03-22 02:32:33→だからこそ、彼女の中で腑に落ちた時は、こちらの期待以上のものが返ってくる。『イナズマイレブン』では、前半はかなり時間を長く使い、丁寧に作業をして来た。秋山監督にも随分と迷惑をかけたかもしれないw。しかし、後半は竹内キャプテンの元、誰もが己のゴールを目指し、サッカーに挑んでいた。
2015-03-22 02:34:26→今でも忘れられない作品になっている。タイプは違うかもしれないが、『ちはやふる』のちはや役の瀬戸麻沙美さんも、納得するとグイグイ来る、挑む気持ちが素敵だった。主役の持つ力とは素晴らしい、『イナズマイレブン』で触れた時と同じ感覚だった。主役の魅力に引き寄せられ、みんなが一丸に→
2015-03-22 02:36:03なって作って行く現場は、さらに楽しい。…と、話がまたズレ始めたw。そんな竹内さん(どんな?w)に、息子の彗に興味を持たないで、と言う部分がなかなか、納得させられず、この部分は丁寧に収録した。悪意はなく、ただただ興味が無い事の難しさを私自身が知る事になる。このシーンは、彗のその後の
2015-03-22 02:39:50→気持ちに音楽を貼りたかったので、こちらが納得いくまで、竹内さんと、小野さんにはお付き合い頂いたw。感謝。後半に入り、美三香に異変が起きるシーンも、最初は音楽があったが、これも説明的と判断、ダビング時にカットした。そして、零央と美三香の2人のシーン。ここもこだわったシーンの一つ→
2015-03-22 02:41:42零央役の島崎信長さんに、このシチュエーションでの零央の気持ちを、お互いに今一度確認した。何故、この台詞があるのか?この時の零央の目的などである。目的があるからこそ、行動に出る、行動に出る時の目的ある台詞。何度も確かめるかのように、2人が頑張ってくれたシーン。零央の優しさにのる音楽
2015-03-22 02:43:40→が映える。最後に里奈役の白石涼子さんにふれておこう。前にもさわりだけ呟いたが。この話で、白石(涼)さんが、変わり始めた事が確信になった。昔から知っている彼女は、甘えん坊さんだ。叱られたり、怒られたりするのが嫌いなんじゃないかと思う。だから、現場では叱られないように頑張っていた。
2015-03-22 02:45:40→しかし、彼女は変わって来た。叱られないようにではなく、相手(私や監督の)のしたい事を理解する事に頑張り始めた。自分ではなく、相手のために。『蒼穹のファフナー』、そう、この作品のテーマだ。アフレコの終了後に、彼女から「あのシーンをもう一度やらせてもらえませんか?」と言われた。→
2015-03-22 02:47:54断る理由は、どこにも無い。なぜなら、平均点でオッケーを出した、私の気持ちに気付いてくれたのだ。こんな嬉しい事は無い。何度も、彼女は挑戦し、私の弾む「オッケー!」を受けて取り、彼女はスタジオを後にした。この日の作業後の飯は美味かったw。さて、次回はどんなドラマが?次回、第12話!
2015-03-22 02:48:50今回の『蒼穹のファフナーEXODUS』プレーバックは、かなり脱線してしまったw。でも、沢山の作品から学ぶ事も多く、これからも新しい作品と、スタッフとキャストとの出会いが、作品へと流れ込むに違いない。商品にならないよう、丁寧に、今後も自分と戦っていかねばw。弱い自分だからこそ。
2015-03-22 03:02:28第12話 戦場の子供たち
『蒼穹のファフナー EXODUS』第12話プレイバック。前半戦ラス前の今回は、アフレコ、ダビング(ファイナルmix)ともに悩んだままの作業となった。前回からの衝撃の未知なる同化現象の新メンバー達の深刻さから始まるトップシーン。ドラマ→ pic.twitter.com/99RdzPNLfS
2015-03-29 03:22:17最初の台詞は、剣司だ。どの作品でも同じだが、最初の台詞は重要である。そのニュアンス次第で、シーンの流れが決まってしまう。台本のト書きには「不安げに」と書かれている。そして、台詞はオフ台詞(絵にキャラが映っていない)、絵の表情からニュアンスは拾えない。一番難しい、第一声になる。→
2015-03-29 03:23:25ただ不安げに台詞を言ってしまっては、アウトだ。剣司は皆んなの健康チェック、リーダーとしての責任があるからだ。ト書きの「不安げ」にヒントがある。不安ではなく、不安げなのだ。よって剣司の台詞には、分析という挑む気持ちが無ければならない。このトップの台詞は丁寧な収録を心掛けた。剣司に→
2015-03-29 03:24:38その事を伝えれば、その後は史彦、千鶴と大人組に続くので問題は無い。剣司、咲良達は一番難しいポジションにいると言っても良いかもしれない…。よって、白石稔さん、新井里美さんには厳しく接している(飴はいらない、大人としての責任感をこの役には持って欲しい)。大人と子供の差は、人それぞれの
2015-03-29 03:26:15→考え方があるだろう。私的には、大人は他人に接し、相手を思いやる気持ちがあり、子供はまだまだ自分の事で精一杯な、自分しか見えていないと考えている。時に子供でも、空気を読み(相手がいる事)言葉をかけてくる時がある。少なからずも大人を感じるw。逆に幾つになっても自分だけを中心として→
2015-03-29 03:27:33他人の事を考えられない人に、子供を感じるのだ。剣司、咲良は10年の間に成長したのだから。またまた寄り道が過ぎた、話を戻そう。ダビング時では、前半パートは勿体つけて、後半一気にと思っていたので、あまり音楽を貼らないよう意識して、選曲をした。しかし、最初の通し観(台詞、音楽、効果を→
2015-03-29 03:28:34全部出して、放送と同じ様に一気にアバンからエンディングまでを観る事)で違和感を、何箇所も感じてしまった。この回は、監督を始めスタッフにはお待ち頂き、構成を変え、選曲のし直しをさせて貰ったのだ。特に前半パートである。それが何処かは解説する必要もないがw。それにより後半パートが→
2015-03-29 03:30:25より最初の目論見通りになったと思っている。総士と溝口のシーンも、冲方先生からの2人の距離はそんなに近くない、というアドバイスから距離感(実際の距離では無く、心の距離)を出して貰った。10年という月日が役者さん同士の距離感を縮めさせるw。遂に後半、この話の山場的なところだ。まずは→
2015-03-29 03:32:24輝の感情爆発からのシーンと、死を覚悟する子供達(咲良とカノン)を送り出す親子のシーンだ。この2つは、アフレコ前から音楽は決まっていた。輝役の梶裕貴さんは、全くもって心配無い。彼の十八番とも言えるシチュエーションだ。どんな輝を?と楽しみにしていたくらいだ。輝の悲しみから来る怒りに→
2015-03-29 03:33:32他のキャストも乗ってくる。良い感じになって来た。しかし、ビリーだけはある意味、そこに乗ってはいけない。一歩引いて声をかける難しい立ち位置にいた。ビリーは何度もそんな相手を見ている、また自分も以前はそうだったのだから…。ビリー役の森田成一さんとも、一つ一つ相談し、このシーンを終えた
2015-03-29 03:33:58→最後に親子のシーン。娘達が帰れないかもしれない戦場に行く事を許すシーンだ。死ぬのがわかっていても送り出す。痛みは子供達ではなく、自分に返って来るもの。子を失う悲しみ、あの時止めなかった自分を責める後悔の気持ち…。その事を踏まえて覚悟を決める大事なシーンだった。よって何度も丁寧に
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