よこやまくんのなつやすみ

hikari∞短めのお話 @love_suzume

1. ヤバイぞ...。 完全に出て行くタイミング失ってもーた。 ついたての奥で息を殺す、俺...。 横山さん先どうぞって後輩に言われて、休憩室で昼飯食って、スマホ充電しながら昼寝してたら...。 「なんで怒ってんの」 「...怒ってない」 「怒っとるやんけ」

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2. 夏休みももうすぐ終わり。 うちのサークルの恒例行事、3泊4日の海辺のリゾートバイトの2日目。 みんなで焼きそばとかかき氷とか作って売るだけのシンプルなイベントやねんけど...。 水着の女の子と3泊4日終日一緒におったら、そらいろいろ事件も起こるって話で。

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3. ついたての隙間からそっと覗くと、ちょっと拗ねた顔の一年生の女の子。 色白で、いまどき珍しいまっすぐの黒髪で、清楚でかわいらしい...っていうか、密かに俺が狙ってるコやねんけど...。 「だって亮くん、さっきから先輩とばっかり話してるんだもん...」

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4. り、りょうくん！？ 何？ 清楚でおしとやかな彼女と、サークルで、や、大学でいちばんチャラい錦戸がいったいどーゆー...。 「なんもないってゆーてるやんかぁ。信じてくれへんの？」 「だって...」 え、何？ もしかしてもしかして...。 え、つ、付き合ってんの！？

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5. 「俺が好きなんはお前だけやって」 「ほんと...？」 錦戸がにぃって笑って...彼女の後頭部に手をやって...。 キス、した。 はぁ...。 終わった...。 なんもしてないけど終わった...。

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6. シューカツも無事終わって、卒論もやっと目処ついたし、これからゆっくり距離を縮めて...なんて思ってた矢先。 さっすがチャラ男やな...。 「でも、そっちもあかんで？」 「え？」 「横山さん、昨日からお前のことめっちゃエロい目で見てんで」

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7. ばばばば、ばれてるぅぅぅ！ ばれてる！俺！ 何なん？ 錦戸、エスパーかなんかなん？ 「そんなこと...」 「そんなことあんねんってぇ。お前鈍感やからさぁ、心配やねん...」 錦戸が彼女を抱きしめた。

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8. なんで、よりによって錦戸やねん。 あんなん、顔がええだけで中身スっカスカやん。 いかにも上京したての地方のお嬢さんって感じの、ちょっと垢抜けないとこがかわいいなって思ってたのに。 昨日、着替えたら意外にセクシーな、大人っぽい黒のビキニを着てて、あれって思った。

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9. ちょっと背伸びしたいんかなー、なんて微笑ましく思ってたら、なんやおもっきし錦戸の好みやんけ。 男性経験の少ない女の子は、チャラい男にもってかれがちだから要警戒。 って、加藤鷹も言うてたっけ。 アホ。 俺のアホ。 ちゅ、ちゅって音がして、ふたりがまたキスを始めた。

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10. あーあ、思いっきり舌入ってるし...。 おお、ジーザス。 神様、もう勘弁してくださいってえ。 俺、なんか悪いことしました？ このままついたて蹴り飛ばして出て行ったろ、って思った時、耳を疑った。

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11. 「...あっ...だめ...りょう...く...ん」 はっ？ 隙間から眼をこらす。 彼女が水着の上にはおってるパーカーの前から錦戸が手を入れて...。 胸、揉んでる。 「あっ...だめ...っね、誰か来ちゃ...」 初めて聞く、彼女の甘い声...。

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12. ななな、なにしとんねん、錦戸ぉぉぉ！ 頭ん中で絶叫しながら、もうちょっと聞きたい、続き見たいって思ってる俺がいて、猛烈に焦る。 だってだってだって...。 俺、ヘンタイやんか、こんなん...。 「ええやろぉ？もう２日もシてないやん。我慢できんって...」

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13. ふ、ふつか？ アホか、俺なんか1年近くヤってないっちゅーねん！ って、このふたり、とっくにそうなってるってことやんな？ ２ヶ月くらい前の飲み会で、誰かが「彼氏いんの？」って聞いたとき、顔真っ赤にして、 「いたことない...です」 とか言うてなかったっけ？

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14. 処女確定！って喜んでるやつ結講おってんけど...。 まあ、俺やねんけど...。 あれ、嘘？ あの後すぐってこと？ 「な、帰ったらまたあれ着て？制服。高校の」 こ、こすぷれえっち...。 そんなんしてんのかい...。 彼女の清楚なイメージがガラガラ崩れる。

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15. ちゅっちゅしながら壁際の古いソファまで行って、錦戸は足の間に彼女を座らせた。 「亮くん、一回だけって...」 「んー、むっちゃかわいかってんもん...」 「やだ...」 「俺さ、高校ん時全然モテへんくてさぁ、彼女とかおらんかったからぁ、味わいたいねんって。制服デート」

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16. ウソこけや。 お前高校んときからモテまくりのヤリまくりやったって同じ高校んヤツに聞いたぞ。 「...あと一回だけ...だよ...？」 顎持ち上げて後ろに顔を向けてキスして...。 かろうじて半分閉まってたパーカーのジッパーを下ろして、後ろからまた胸に手が伸びる。

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17. 「りょうくっ...だめ...あっ...」 「大丈夫やって...。今休憩俺らだけやし、誰も来ぇへん...」 やばいやばいやばい。 あかん。 あかんで。 だって俺...。 完全に勃ってもーた。 「気持ちい？ピンピンやで？」 「あっ...やだぁ......きゃぁっ」

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18. 「あは...こっちもびっしょびしょやなぁ...」 ブラはとっくにズラされて、白くて形のいい胸と、薄いピンク色のかわいい乳首が露わになってる。 下は隙間から指入れられて...。 自分の右手が知らんうちに股間に伸びててはっとする。 うわうわ俺、なんしてんの？

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19. なんで俺、好きな女の子と、そこそこ近い後輩がヤってるとこ見てひとりでせなあかんの。 あかんあかん。 危うくヘンタイんなるとこやったわ...。 「もう欲しいやろ？」 「っあ...や...ん...」 「自分で挿れてみ？」 「...やぁ...」 「こないだ教えたやん」

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20. ちょ...っと、これ...。 いよいよおっぱじめるつもりか。 ①寝ぼけたフリしてしれっと出て行く。 ②眼を閉じて耳を塞いで、時間が過ぎ去るのを待つ ③潔くヘンタイになって、欲望に正直になる。 三択！ どうする！？俺...。

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21. 「は...ぁ、りょう、くん...」 「ん...ええよ、ゆっくりで、そう...あ...っ、はぁ...上手やん...」 上になった彼女が、ぎこちなく腰を動かして...。 あぁ...もう...。 神様、今日だけ見逃して。 一瞬だけ...。 俺、ヘンタイになります...。

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22. ＿______________ 結局ふたりは仲良く同時にイって、少し遅れて俺も...。 終わった途端、自己嫌悪。 何をしとんねん、俺。 ふたりは繋がったまま、軽くキスをした。 「今やったらシャワー誰もおらんから、先浴びといで？」

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23. 彼女は水着を一応ちゃんと着て、またパーカーをはおって、出て行った。 はぁ...。 ショックと興奮と自己嫌悪で感情ぐっちゃぐちゃやわ。 錦戸は彼女が部屋を出たのを見届けてからタバコに火をつけた。 にしてもこいつ...ほんまにちゃんと付き合ってんのか？

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24. 遊びやったらどつき回すぞ。 錦戸はタバコを持ったまま水を飲んで、首をポキポキやってふわーっとあくびして...。 「横山さーん？終わったんでもういいっすよぉー？」 .........。 おお、ジーザス。 神様、俺は...。