《おてて》丸山先輩...これ、きもちいの?

hikari∞短めのお話 @love_suzume

1. 「だいじょうぶですか！？」 一回表、初球をはたいたバッターのファールボールが俺の脳天を直撃した。 部活引退してヒマやし、同じクラスのやつが出てるからってだけで来た、高校野球の秋季大会。 「まる、だいじょうぶか！？」 横にいた友達に身体を揺すられて目を開けると...。

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2. 天使がいた。 あれぇ、うちの学校にこんなかわいい子おったっけぇ...。 白地に青と黄色のスクールカラーが入ったノースリーブ。 青いプリーツのミニスカ。 黄色いポンポン持ったポニーテールのチアガールが心配そうに俺を覗き込んでた。 うはっ。 めっちゃかわいいやん！

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3. 「あ...全然、だいじょうぶ...」 ミニスカのチアガールは足元のクーラーボックスから保冷剤を出して、どうぞって渡してくれた。 そっからは、試合なんてそっちのけ。

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4. 俺の斜め前でめっちゃ一生懸命踊ってて、チャンスのときにヒット出たりすると応援すんの忘れて「きゃーっ！」って言っちゃって、交代んとき先輩に怒られてて...。 そんなんを9回眺めて、試合が終わる頃にはもう好きになってた。 試合は結局負けたみたいで、彼女は涙ぐんでて...。

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5. うちなんて強豪校でもなんでもないし、これ一回戦やし。 なんて心のキレイな子なんでしょう...。 リサーチしたら、彼女はダンス部の1年生で。 1年生とどーやってお近づきになったらええもんか...考えてたある日。 部活の手伝いをして、部室を出たら急に雨が降ってきた。

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6. 駅まで走ろうとして飛び出したら、勢い良く誰かにぶつかって...。 ミニスカのチアガールが雨の中に吹っ飛んだ。 「あ...ごめん！大丈夫？」 「大丈夫、です...」 彼女はそう言ったのに動かなくて、慌てて雨ん中に飛び出る。 わわわ。 めっちゃ血ぃでてるやんか...。

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7. 「ごめん、立てる？」 「はい...」 「ほ、保健室行こ」 足引きずってる彼女に肩を貸して、歩き出した。 ケガさしといて申し訳ないけど、これ...めっちゃラッキーやん！ まさに恵みの雨やな。 「すんませーん、ケガ人なんですけどぉ...」 保健室には誰もおらんくて。

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8. 恵みの雨どころか風も吹いてきたぞ。 「ごめんなぁ。これ...痛いやろ？今消毒するから...」 膝から太ももの下まで大きく擦り剥けてて、見るからに痛々しい。 消毒液を染み込ませたガーゼを傷口に当てると、一瞬顔を歪めた。 「あ...っ、いたっ...」 ......。

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9. わ、今の、ちょっと...えっろ...。 ...あかんあかんあかん。 イケナイこと考えるとこやったわ。 なんぼなんでも一足飛びにそんな...。 傷口に薬を塗って、ガーゼを当てて貼り付けた。 「はい、終わり」 「ありがとうございます。すみませんでした」

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10. 雷がゴロゴロいって、校内放送のチャイムが鳴る。 警報が出て電車止まった、校内の生徒は外に出るなって。 わ、ええの？ 雷様まで俺の味方...？ 「あ...部活、大丈夫？」 「はい、今日はもう終わりなので...」 急に暗くなった気がして、電気をつけた。 ら...。

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11. あー...これはこれは...。 なんというか...。 びしょ濡れの白いユニフォームからめっちゃ透けてんの。 かわいいピンクのブラがさ...。 うっわ...。 めっちゃムラムラする...。 ...気づいてないんかな。

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12. このまま何も言わんのも明らかにヘンタイやし、かと言って電気消すのもおかしいし...。 一瞬で悩みに悩んで...。 「あ...のさ、これ...着といて？」 カバンからジャージを出した。 「え？」 「や、あーっと、うん、だから...」

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13. 俺が指さすと、ようやく気づいたのか、きゃっって小さい声をあげて胸を隠した。 「あ、ごめん、ごめんなさい。見てない見てない全然」 見てるけど。 ジャージを肩にかけるとすぐに袖を通して前を閉じた。 なんとゆーか、これはこれでまたエロいねんけど。

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14. ぶっかぶかのジャージの裾から少しだけスカートが見えてて、萌え袖んなっとるし。 って、さっきから俺、もうエロい目でしか見れんくなってんけど...。 「丸山さんはケガ、しませんでしたか？」 「え？俺のこと知ってんの？」 彼女はきょとんと俺を見る。

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15. 「陸部の丸山さん、ですよね？」 「はい...」 「有名ですよ。体育祭のリレーで」 陸上部だからってだけでアンカーになったスウェーデンリレーで、先頭がこけて、後続が何人かもらい事故でつまづいてる間にごぼう抜きして1位になった。 あんなんでも目立っとくもんなんやなぁ。

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16. 「友達が、みーんなかっこいいって言ってました」 友達...ね。 あなたはどうなんですか...？ 「雨、止まないですねー」 外を見ようとして立ち上がった彼女がふらっとよろけて...咄嗟に抱きとめた。 いやぁ...めっちゃいい匂いする...。 柔らかい...。

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17. 今日もうあかんわ...。 「あ...も、もしかして、どっか痛い？」 「あの、足くび...」 もっかい椅子に座らして、右の足首を触る。 あかんこと考えんようにしながら靴下脱がして、少しだけ動かすと、また表情を歪めた。 「ど、どっか捻ったんやな。テーピングしとくわ」

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18. 彼女の足元に座って、脚持ち上げて、テープぐるぐるして...。 るけど、全っ然集中できんくて。 だってさ、めっちゃスカート短いし、なんかまかり間違ったら、事故的な感じでパンチラ拝めるんちゃうかって、頭ん中そればっか。 今夜のオカズはゴーカやなぁ...。

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19. まぁ、そんな都合良くいくわけないんやけど。 「ありがとうございます」 彼女が言って。 妄想タイムおしまい。 俺のジャージを着てる彼女がにこって笑って...。 こんな子と付き合えたら高校生活パラダイスやろなぁ。 「丸山さん、て...。今、彼女とか...いますか？」

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20. 「え？別に...おらんけど...なんで？」 唐突に微妙なトーンで聞かれて、急に心臓がばくばくいう。 これは...フラグ立ってる感じ...？ 「あの、練習、したくて」 「れ、練習？」 彼女が顔を赤くして頷いた。 「なんの？」 「...キス、の...」 はぁっ！？

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21. ミニスカ透けブラのチアガールの美少女が、保健室でキスのおねだり...。 って、それなんてエロゲ？ いいえ、現実です...。 リアルガチです！ Why！？ 「あの、土曜日、デートなんです。でも私、そーゆーのまだ、したことなくって、うまくできるか不安で...」

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22. 「や、でもそれ...」 「お願いします。キス...してくれませんか？」 美少女のファーストキスいただけるなんてラッキー！ってノー天気な自分と、なんやねんそれバカにしとんのかってドライな俺が頭ん中で戦って...。 「な、なんで俺なん？」 「優しそう...だから...」

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23. 恥ずかしそうにそう言われて、ドライな俺の分身はあっけなく完封負けした。 「ほんまに...ええの？」 「...はい」 キスなんて変に上手いより、初めてあげたほうが男は喜ぶんやけどなぁ。 って説得すんのは簡単やけど。 こんなチャンス、みすみす他の男に渡しますか？

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24. 「じゃあ...ちょっとこっち...」 カーテンに囲まれたベッドの上に誘導した。 「ほんまにええねんな？」 こくんと頷いた。 って俺もそんな、ケーケンホーフってわけじゃないんやけど...。 「じゃあ...俺の、唇、見てて...」

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25. 顔を近づけて、唇が触れるギリギリで止まる。 肌キレイやなぁ...。 「目、閉じて...？」 長い睫毛がゆっくり伏せられて...。 いただきます。 ってゲスいことを頭ん中で呟いて、そのままキスした。 甘くて柔らかくて...。 あかん、止まれんくなりそ...。