チェリーニ「おれは人間を超越するッ! メデューサ、おまえの血でだァーーッ!!」

今もフィレンツェはシニョリーア広場に君臨するベンヴェヌート・チェリーニの大作「ペルセウスとメデューサ」に関するちょっと深読みな解釈。
5
壺屋めり @cari_meli

ところでチェリーニがスゴイ。マルヴェヌートwwwとか言ってごめん。凄まじい職人根性の男だった。まじ惚れる。

2010-12-15 12:34:35
壺屋めり @cari_meli

コジモ一世とチェリーニとの掛け合いは既に漫才

2010-12-15 12:37:05
壺屋めり @cari_meli

チェリーニ作の塩入れは、事前に蝋で作ったモデルをイポリト・デステに見せると「ちょww細かすぎwww職人が10人いても死ぬまでに作り終わらんぞコレww」というので、ムキになったチェリたんは2年強でこれを仕上げ、フランソワ一世に献上したとか。 http://bit.ly/ewx7t7

2010-12-15 12:46:55
壺屋めり @cari_meli

でもいくらチェリーニがすげえ職人でカッコ良くても、やっぱりバンディネッリあたりと「やーいマルヴェヌートー!」「うっせーブアッジョー!」とか言い合ってる感じだったりするとすごく萌えます。主に私が。

2010-12-15 13:35:09
壺屋めり @cari_meli

チェリーニのペルセウス http://bit.ly/facw4n のお話、more specifically 切られたメデューサの首から噴き出す血についてのお話してもいいかな…?

2010-12-15 14:47:46
壺屋めり @cari_meli

さて、メデューサの血だけれど… http://bit.ly/gi3M2E http://bit.ly/eFuLfU 血がブバーッて出とる。ブバーッて。

2010-12-15 15:10:21
たまお @tamao_st

@cari_meli ちょっと位置間違えて生えてきたあごひげのようだ…!!

2010-12-15 15:17:02
壺屋めり @cari_meli

今でこそ「よくもまあブロンズで液体表現しようと思ったなwww」くらいのリアクションが普通(?)だと思うのだけど、チェリーニの生きた16世紀のフィレンツェはなかなか情勢が不安定で、当時のひとの感想は「やだリアル…なにこれこわい…」的な感じだったっぽい。

2010-12-15 15:12:44
壺屋めり @cari_meli

近くに設置されたミケランジェロのダビデやバンディネッリのヘラクレスと並んで、権力(この場合メディチ)の力を見せつけているのだね。

2010-12-15 15:12:55
壺屋めり @cari_meli

ただし注文者のコジモ一世のお達しを見ると、「メデューサの首を持ったペルセウス。それだけ!」としか書かれていない。ペルセウスの下に横たわり勢い良く血を噴き出しているメデューサの死体はコジモの思いつきではなく、チェリーニその人のアイディア、つまり inventio なわけだ。

2010-12-15 15:15:00
壺屋めり @cari_meli

コジモが思いついたデザインでないのなら、「メディチ家の威力見せつけてやるぜHAHAHAHA」的な思惑とはまた別の意味がこの噴き出す血にこめられているのではないのか? まずはメデューサ亡き後なにが起こるのか、オウィディウス先生に訊いてみよー。

2010-12-15 15:17:48
壺屋めり @cari_meli

オウィディウス『変身物語』によると、ペルセウスがメデューサの首を取ると、噴き出した血のなかから、翼の生えたペガサスとその兄弟たちが次々とうまれでたとある。面白いのが、ペガサスは後々に詩を創造することになってんだよね。

2010-12-15 15:21:39
たまお @tamao_st

私が「変な位置のあごひげ」とかくだらないことを考えてるうちに、メドゥーサの血からペガサスが生まれたってことが分かって、すごく勉強になる。

2010-12-15 15:27:05
壺屋めり @cari_meli

Ut pictura poesis のモットーにも明らかなように、ルネサンス期、詩は視覚芸術と密接に関連づけされていて、それはつまりペガサスから芸術がうまれたと考えてもまぁ一応筋が通ることになる。

2010-12-15 15:25:04
壺屋めり @cari_meli

ペガサスがうまれる原因になったのはメデューサの首切りだし、ということはペルセウスがメデューサの首を取るこの場面は、芸術の誕生を予感させる瞬間を描いているのだね。あまり見られることがないけれど、像の土台には同時代の詩人ベネデット・ヴァルキの詠んだ詩が彫り込まれている。示唆的!

2010-12-15 15:26:42
壺屋めり @cari_meli

まぁヴァルキさんは同時代のミケランジェロやら周辺の芸術家に「結局絵画と彫刻はどっちのほうが優れてんですかー?!」とかいうアンケート取りまくった男なのでこいつも大概…。

2010-12-15 15:27:55
壺屋めり @cari_meli

これで今度フィレンツェに行ってシニョリーア広場でペルセウスを見る人は「うわっ生首きもっ」みたいな反応だけじゃなくて、「あれが芸術の起源…!!」というなんとなくディレッタント的な見方ができるNE!

2010-12-15 15:30:27
ちび鳥 @chiitaroh0eiri3

@cari_meli 日本神話の神生みの場面も、変な所から生まれてるよね…メデュウサからペガサスか(つθёθ)

2010-12-15 15:31:01
壺屋めり @cari_meli

@chiitaroh0eiri3 ほんとですよ。昔のひとの想像力すごい。

2010-12-15 15:33:14
ちび鳥 @chiitaroh0eiri3

@cari_meli 美しかったメデュウサを醜い怪物に変え、彼女は殺されてしまうけど、その血から生まれたペガサスは詩を生む。邪なるもの(怪物)から聖なるものが生まれる。→今の宗教観(?)からは聖なるものから聖なるものは生まれる。ってなりそう。実際どっちもありうるのにね。

2010-12-15 15:58:06
壺屋めり @cari_meli

@chiitaroh0eiri3 面白いですよね! 一見対照的に見えますが、気をつけなければならないのは、ルネサンス期にはかなりギリシャ・ローマ神話がキリスト教に取り込まれていた点です。ヘラクレスなんぞもキリスト教の文脈で語られたりしますし…。(続く)

2010-12-15 16:03:55
壺屋めり @cari_meli

@chiitaroh0eiri3 (続き)もちろんサヴォナローラのような「聖書に書かれたこと意外いっさい許さぬ!」的な極端な例もありますが、神話と宗教がいつもまったく反対側ではなかったみたいなんですよね。甘いのか厳しいのか分かんないですねw

2010-12-15 16:04:06
acqua @acqua_azzurra

シニョーリア広場のペルセオは修復中に上からのぞいて見たことがあるのが自慢。頭頂部ー。ふふーん。(しかし細部はなーんも記憶にない

2010-12-15 15:36:48
1 ・・ 5 次へ