2015/3/18講義「世界初の航空戦艦」
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…はい、さて。今回のテーマは「世界初の航空戦艦」で講義を進めたいと思う。 艦これ提督は航空戦艦と言えば「扶桑」「山城」「伊勢」「日向」の4隻だと思い付く事だろうと思うが… 史実で実際に航空戦艦に改装できたのは、伊勢・日向の2隻だけなんだ。
2015-03-18 17:37:54そもそも「航空戦艦」という艦種は古今東西をみても”存在しない”。 日本海軍においても改装された伊勢と日向は戦艦として扱われていた。 はたしてこの改装に合理性は有るのか? 軍首脳部とて理解できてなかっただろう。 世界的にも計画はしたが実行には移されていない。
2015-03-18 17:46:31だが、日本海軍はミッドウェー海戦で主力空母6隻中4隻を失い、急ぎでその穴を埋められる航空母艦が必要となっていた。この頃には航空機と制空権の重要性が既に認識されていたから、連合軍も動かせる空母をありったけぶつけてきてたんだ。 そこで戦艦クラスから何隻か航空改装することが決定した。
2015-03-18 17:47:33…当時戦線に居たのは金剛型、扶桑型、伊勢型だったが、金剛型は空母を護衛できる貴重な高速戦艦であり真っ先に候補から外された。 で、次に古い扶桑型が候補に挙げられた。だが、その時の扶桑型を改装可能な工廠に呼び戻すには時間が掛かり、間に合わないとされたんだ。
2015-03-18 17:51:05そんな中、ちょうど事故で砲塔が破損していたり、激戦地近くに居た伊勢型二隻が選ばれた。 だが資材の不足、時間の無さから航空改装は半分だけ、というわけの分からない設計がまかり通ってしまう。 つまり「飛行甲板」がない。戦艦の姿を半分残した姿となるわけだ。
2015-03-18 17:55:26で、その設計では艦尾側に積んでいた主砲が邪魔になる事になり、陸に揚げて砲台として使用されることになったんだ。 主砲と弾薬を戦地に下ろし、伊勢型の姉妹は工廠へと向かう。 そしてこの設計の肝とされたのは飛行甲板無しで発艦できるシステムの構築だった。
2015-03-18 17:57:51飛行甲板無しで発艦、つまりカタパルトで以って艦載機を発艦させるスタイルが取られた。なので艦尾の甲板は艦載機を並べるスペース、エレベーター付き格納庫が用意された。 着艦? んなものは無理だ。滑走路じゃないんだからな。
2015-03-18 17:59:56それに合わせて航空改装される伊勢型専用の新型水上機「瑞雲」が開発量産されることになったが…これは開発がかなり遅れてな、数が揃えられなかった。当時の主力艦載機「彗星」を改造し、カタパルト発艦できるようにしたものも開発されたが…当時は全航空基地で航空機が足りず搭載出来なかったそうだ。
2015-03-18 18:04:18そんなこんなしてるうちに戦線はどんどん押し返され、伊勢と日向は艦載機を搭載出来ないまま、任務を与えられる。 …前線撤収の為に資材を載せられるだけ載せて内地へと帰還する、という任務だ。 艦載機はなく、周辺には敵空母も存在する中でのいわば脱出任務…。不可能に近いものだった。
2015-03-18 18:07:22現地ででき得る限りの対空機銃、そして少数だけ完成していた28連装ロケット砲(!?)を装備し、貴重な重油などの資材を満載し、伊勢と日向2隻だけで内地へと発つ。 この時の艦長は無名新人だったが…彼の采配、そして天運がこの2隻をほぼ無傷で送り届けたんだ。幸運値が高いのはここからだ。
2015-03-18 18:12:57何度となく潜水艦や空母に攻撃を受けるが、命中寸前の魚雷を高角砲で破壊するとか、新兵器のロケット砲の派手さに米艦載機隊がビビったりとか、艦長の考案した回避運動、それらがカッチリと噛み合った結果、ともいえる。
2015-03-18 18:15:35世界初の戦艦でありながら軽空母クラスの艦載機運用能力を持った「航空戦艦」は先ほどの命がけの輸送作戦「北号作戦」とその前の「レイテ沖海戦」に戦艦として参加しただけに終わった。 …もし本格運用できていたら…というロマンが残る幻の艦種、それが航空戦艦、だ。
2015-03-18 18:20:13…そういえばげーむ内の航空戦艦の日向殿達は自分の観測機であるカ号を積むことが出来るのでありますが…それはやはりもしも、の話だったのでありますか? #講義の質問
2015-03-18 18:24:15