- DB_kongo000
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#リプで来た艦娘でSS書いてみる 比叡編 おはようございます。比叡です。 たった今、ちょうど起きたところです。ベッドの中で上体だけを起こし、欠伸を噛みしめる。 「あっ!お姉さまの部屋にいかなくちゃ!」 妹たるもの、姉の寝起きを迎えるのは当然の事。
2015-01-19 02:14:44「ぎゃあ!」 慌ててベッドから降りようとしたせいで、毛布に足を捕られてしまいました。 ゴロンと床に投げ出され、強打した腰を抑える。 「あっ、そっか……お姉さまはいないんだ……」 そこで完全に眠気が飛び、お姉様が別の鎮守府の勤務であることを思い出す。 辛いです。お姉様が好きだから。
2015-01-19 02:15:09「おはようございます、比叡姉さん」 「おはよう、霧島」 朝食の為に食堂に行くと、妹の霧島とばったり。 二人で一つの席に着きます。 もちろん、遅れてくるらしいもう一人の妹の為に席を一つ空けています。 「あれ?霧島、眼鏡変えた?」
2015-01-19 02:15:43正面に座っている霧島の顔を見ていると、少し違和感。 霧島の眼鏡の色がいつもと少し違いました。 「ええ、昨日の休日に。どうですか?」 「フレームの緑色が少し明るくなったね。うん、知的さはそのまま、可愛さ上昇!いいと思うよ!」
2015-01-19 02:16:17「か、かわっ……やめてください、面と向かって言われると、姉さん相手でも照れてしまうわ」 「えー?可愛いんだから可愛いって言わせてよー。次はピンクとかにしてみたら?もっと可愛いよ!」 「もうっ!姉さんったら!」 「あはは、分かった分かった、出来るだけ我慢するから怒らないで?」
2015-01-19 02:16:40「別に怒っている訳では……」 霧島は頬を膨らませて横を向いてしまいました。 ごめん、ごめん、黒豆あげるから怒らないで? 本気で怒っている訳ではないのは分かるけど、だからといって謝らなくていい訳はないよね。 謝り倒していると、くすくすと笑い声が降ってきた。
2015-01-19 02:17:05真上に視線を上げると、朝食のトレーが視界いっぱいに広がる。 驚いて、わっ、と声を上げると、トレーが視界から消えて行って榛名の顔が見えた。 「おはようございます、比叡姉さま」 「なぁんだ、榛名か。おはよう、びっくりさせないでよ」 「ビックリさせようとした訳ではないのですが……」
2015-01-19 02:17:44苦笑を浮かべながら榛名がワタシの横の席に着く。 後は金剛お姉さまが入れば……4人揃ってた昔はよかったなぁ。 「ね、榛名も霧島の新しい眼鏡、いいと思わない?」 「はい、とっても素敵だと思います」 「姉さん!榛名も!」 可愛いと思うんだけどなぁ。
2015-01-19 02:22:39霧島は可愛いって言われるのが好きじゃないのかな? 確かに霧島と言えばピシッとしていてクールゥー!って感じだから美人って言ってあげた方が嬉しいのかも。 「なになに、霧島、メガネ変えたの?」 「陸奥!おはよう」 「おはよ、今日も姦しいわね」
2015-01-19 02:23:10ひらひらと手を振って近寄ってくるのは、ビッグセブンの一人でもある戦艦陸奥。 私の肩に手を置いたと思うと、そのまま体を預けるように背中に伸し掛かってきて、顎を私の頭の上にセットされてしまいました。 私のあうあうーという言葉にならない抗議を無視して妹達と挨拶を交わしています。
2015-01-19 02:23:34「あら、ライムグリーンね。いいじゃない。艦娘とはいえ、オシャレは大事よ。ねぇ武蔵?」 「……私に洒落っ気のことを聞くのか?」 更に近寄って来たのは、あの46㎝砲の使い手、武蔵。 ピンと真っ直ぐに伸びる細い眉の間を寄せながらも、霧島の顔を覗き込んでいる。
2015-01-19 02:23:54「あなたもそういう色の眼鏡をつければいいじゃない」 「よしてくれ、陸奥。私に似合わないのは自分でも分かる、が……霧島のは似合っている、のではないだろうか……」 段々言葉が小さくなっていったのは、自分で言った通りファッションについては自信が無いのかもしれません。
2015-01-19 02:24:21彼女自身は素肌に包帯を巻いて、寒ければ軍服を肩にかけるといった服装でしか見たことない。 みんなにもおだてられ、霧島は真っ赤になって俯いてしまいました。 そう言ったところが可愛いんです。 でも怒られてしまいますからね、言いません。
2015-01-19 02:24:45「お前達はどうだ?」 「武蔵、先輩には敬語を使いなさいと何度言えば……」 「そうだな。親しき仲にも礼儀あり、だ。特にお前の喋り方は、傲慢を想像させる」 大変です、ぞくぞく皆が私たちのテーブルに近寄ってきます。
2015-01-19 02:25:09山城さんは朝に弱いそうで、どこかふらふらしています。 小さい声で武蔵に何か言っているようですが当の武蔵、聞いていません。 日向は呆れたように横に首を振るだけ。 「すまんな、そんなつもりはないのだが……どうしてもこの喋り方以外が出来なくてな……」
2015-01-19 02:25:43ばつが悪そうに首をかく武蔵。 悪いのは言葉遣いだけなことなんて、ここにいる人たちはみんな知っているんですけどね。 「霧島、ちょっと貸してー?」 「ああ、何を!眼鏡が無いと霧島、戦えません!」 「はい、それで武蔵にセット!」
2015-01-19 02:26:01陸奥が霧島の眼鏡をひょいと取って、武蔵のものと入れ替えます。 おお、凄い違和感。 みんなも同じことを考えているようで、おお、とかああ、とか感嘆符以外の感想が出てきません。 「陸奥!どうしてくれるんだこの微妙な空気を……霧島、すまない」 「ありがとう。もう、悪戯は勘弁して欲しいわ」
2015-01-19 02:26:25「ごめん、ごめんって」 大きく小さく、皆が笑っています。 結局今日はみんなで朝ご飯を食べました。 お喋りが進んでしまって演習に遅れかけてしまったのは秘密です。
2015-01-19 02:26:31「よしっ!準備OK!みんなもいい?」 ハンガー内、エレベーターを降りて、出撃直前。 私、実は特別任務に就いています。 その任務は、輸送艦隊の護衛。 この鎮守府から、ちょっと外れの鎮守府まで物資を輸送するのです。 なんとそこは、お姉様の勤務地! 素晴らしい! 素晴らし過ぎる!
2015-01-19 02:27:49本来ならば戦艦の私が就く任務ではないのですが、最近は近海でも深海棲艦が出没するようになったことが考慮され、高速戦艦である私に白羽の矢が立ったのです。 これも金剛型の2番艦であるからこそ、お姉さまの妹でよかった!
2015-01-19 02:28:12比叡「おはようございます、お姉さま!こちらはいい天気ですが、風が少し強くて寒いです。お姉さまのところはいかがですか?」 金剛「グッモーニン!少し寒いネ。私は内勤が多いので平気だケド、比叡は気を付けてネ!」 あぁ……お姉さま、私の身を案じてくれるなんてありがとうございます。
2015-01-19 02:28:46文章のやりとりではいつも優しいのに、どうして直接会うと逃げられてしまうのでしょうか。 「それはね、ずばりツンデレよ!」 「あれっ陸奥?どうしてここに……っていうか、今の声に出てたの!?ヒエー……恥ずかしい……」 思わず顔を両手で覆う。 皆の視線が生温い。
2015-01-19 02:29:07「提督がどうしても見送りたいっていうから付き添いよ。あんまりにも遅かったから置いてきちゃったけど」 「うー……それより、つんでれってどういうことですか?」 「比叡、貴女、金剛を前にして恥ずかしくなったりすることはある?」 「ないです」 「そ、そうよね、貴女は猪突猛進だものね……」
2015-01-19 02:29:37お姉さまを前にしたら私の頭はお姉さまで一杯になって、私の感情何て消えてしまいますっ! 「そうね……それじゃあ……」 「うわあっ!?」 陸奥は私の肩を壁に向けて押すと、私の頭の横に手を伸ばしました。 どんっと音が鳴り、陸奥の白い顔がどんどん迫って来ます。
2015-01-19 02:29:53