【石化】RoS World-building - 'Science' of Transformation【科学】翻訳まとめ

sekikumoさん作、かものはしさん翻訳による固め小説シリーズの基本設定まとめです。これを知れば連載中の作品もきっとより楽しく。
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かものはし @kamomoo

【知る】本日は予定を変更して、sekikumoさん作品世界観を構成する、「物質変換学」についてお送りします。

2015-03-21 21:39:23
かものはし @kamomoo

"RoS World-building - 'Science' of Transformation" by Sekikumo sekikumo.deviantart.com/art/RoS-World-…

2015-03-21 21:39:36
かものはし @kamomoo

【知る】固め系オリジナル作品は数あれど、「石化および物質変換はなぜ起こるのか」というテーマについて、深く触れているものは大変貴重です。ぜひお楽しみください。

2015-03-21 21:43:12
かものはし @kamomoo

【石化】RoS World-building - 'Science' of Transformation【科学】 sekikumo.deviantart.com/art/RoS-World-…

2015-03-21 21:54:48
かものはし @kamomoo

RoSの世界において、生命の起源は明らかになっていない。しかし、研究者達にはおおよその予想がついていることだろう。墜ちた女神'Sapphora'が来る以前から、世界には生命が存在していた。そしてそれは女神が世界に干渉した後も、大まかな点において普遍であった。1

2015-03-21 21:58:27
かものはし @kamomoo

学者達は予想する。はじめ世界には、ただ無機質な石のみが存在していた。やがて神が世界へと降り立つと、'エーテル'と呼ばれる神秘的な力が世界を満たした。それは生物、無生物問わず、あらゆる物質へ浸透し存在の礎となった。2

2015-03-21 22:02:08
かものはし @kamomoo

研究者達はそれが真実であると確信している。なぜなら、ある物質からエーテルを全て摘出した場合、その構成物が石へと変化したためだ。量と密度に違いこそあれ、あらゆるものがエーテルを宿している。そしてそれは、より複雑な生物になるほど、より多くのエーテルを含むことが分かった。3

2015-03-21 22:06:08
かものはし @kamomoo

生物が息絶えると、エーテルは徐々に体外へと滲み出し、周囲の物質へと吸収されていく。蘇生の魔法は死後のわずかな間しか有効ではない。その理由は、長期間にわたり多量のエーテルが被害者の身体から失われ続けると、二度と復元することが出来ないためだ。4

2015-03-21 22:09:46
かものはし @kamomoo

多量のエーテルが失われた場合でも、死者の遺体から生前の面影を読み取れるかもしれない。しかし、俗に'魂'と呼ばれる、人間の本質を成すその要素は、死者にはもはや残されていない。5

2015-03-21 22:13:00
かものはし @kamomoo

エーテルは物質的要素——血、肉、骨、つまり肉体にのみ宿るが、命に寿命があるように、それは長い時間をかけて徐々に失われていく。肉体から抜け出たエーテルは、最後には塵となって消滅する。6

2015-03-21 22:15:38
かものはし @kamomoo

魔物の中には生まれつき、獲物からエーテルを吸収する能力を持つ種が存在する。エーテルを吸収されると、被害者の肉体は姿形はそのままに石へと変わってしまう。この過程を人工的に再現したところ、やはり同様の結果となった。7

2015-03-21 22:19:04
かものはし @kamomoo

エーテルが急速に吸い上げられると、対象となった物質は石へと変わるのだ。つまり、人であれば石像となり、木々であれば化石となり、水であれば砂粒へと変化するのである。注目すべき点は、エーテル吸収による石化には、その材質の変化に数え切れないほどのバリエーションが存在することだ。8

2015-03-21 22:22:45
かものはし @kamomoo

まず前提として、物質からエーテルを完全に吸い上げることは困難を極める。例え成功しても、エーテルの枯渇によって塵へと変わるのだ。形を保つための最低限のエーテルがなければ、物資はあまりにも容易に砂となり崩れ落ちてしまうことだろう。9

2015-03-21 22:26:21
かものはし @kamomoo

石で出来た物質はほぼ全て、内部にある程度のエーテルを含んでいる。このエーテル含有量の割合こそが、被害者がどの石材に変化するのかを決定する要因である。10

2015-03-21 22:30:08
かものはし @kamomoo

最も多く目にするのは花崗石だ。エーテルがほとんど残っていない、または加害者が未熟であったり、石化後の外観を考慮されなかった場合にこれが選ばれる。その他の材質、例えば、大理石、石灰石、黒曜石などは、微量のエーテルを宿している。その理由は、これらがより不純物の少ない構造だからだ。11

2015-03-21 22:34:31
かものはし @kamomoo

ルビー、エメラルド、ダイヤモンドなど、宝石もまたエーテルを殆ど含まない材質だ。その反面、それらは驚くほど精細かつ精密なエーテル構造をもつ。古くから宝石は、魔法の媒介として重宝されてきた。それはこの特殊な構造によって、魔力の集中を促し、魔法の発動を容易になるためである。12

2015-03-21 22:38:31
かものはし @kamomoo

金属などの材質は、宝石とは反対の特性を持つ。エーテルの吸収によって物質は石へと変化するが、エーテルを余りにも過剰に供与された場合、その物質は金属へと変化する。金属において、エーテルは高濃度に凝縮されている。そのため、魔法に対して金属は優れた抵抗力を持つ。13

2015-03-21 22:43:14
かものはし @kamomoo

その証拠に、魔法使いの多くは金属製の装飾品を身に付ける。これは、自身が発動した魔法からのフィードバックを軽減するためである。同じ理由で、優れた金属製の防具は魔法への高い耐性を持つ。これに対抗するため、魔法使い達は、金属の守りを無効化するための様々な技術を用意している。14

2015-03-21 22:46:27
かものはし @kamomoo

この情報を元に創造されたのが、物質変換魔法である。この魔法は、あらゆる生物・無生物を、任意の物質へと強制的に変化させてしまう。例えば石化であれば、術者は被害者の身体からエーテルを無理矢理引きはがすのである。未熟な術者による被害者は、そのほとんどが花崗石へと変化する。15

2015-03-21 22:50:36
かものはし @kamomoo

なぜなら、花崗石は最も単純な構造の材質だからだ。熟練の術者は、被害者の身体に宿るエーテルを自由に操ることで、より複雑な構造の材質、例えば大理石への変化を可能としている。そして、さらに一握りの術者だけが、宝石像を生み出す秘術に精通している。16

2015-03-21 22:54:45
かものはし @kamomoo

物質変換魔法によって被害者から引きはがされたエーテルは、しばらくの間、霞となって石化した肉体の周りに漂っている。その霞はなんらかの要因によって、かつての宿主の体といまだリンクされている。石像が移動された場合、霞も追従して移動する。回復魔法は、この霞を利用する形で行われる。17

2015-03-21 22:58:50
かものはし @kamomoo

'霞'は宿主を記憶しているため、本来の身体に霞を誘導することは比較容易である。しかし時間が経つにつれ、この霞は少しずつ消滅していく。これが、長い間放置された石化被害者が元に戻れない理由だ。つまり、かつて肉体に宿っていたエーテルが消滅した場合、石化の解除は不可能となる。18

2015-03-21 23:03:12
かものはし @kamomoo

特筆すべきは、被害者の石像の中核には、未だ一定量の生命力の残滓が存在していることだ。これこそが被害者の'魂'ではないかと推測されている。この生命力の残滓は、どんなに月日が経とうと、決して石の身体から離れることはない。唯一の例外は、石像が修復困難なほど粉々に破壊された時だ。19

2015-03-21 23:07:51
かものはし @kamomoo

この場合、囚われた'魂'もが同様に砕け散るのではないかと推測されている。多くの者は'魂'によって、生前の被害者の思考、記憶、感情、そして石化する直前までの体験、その全て保存されていると信じている。20

2015-03-21 23:11:46