THE STRIKER 「ストライカー 〜最後のソルジャー〜」

エイプリルフール企画水曜深夜劇場 THE STRIKER 「ストライカー 〜最後のソルジャー〜」 【ハワード・キングスレイ主演】
cleardice 13813view 1コメント
2
ログインして広告を非表示にする
  • ニンジャスレイヤー @NJSLYR 2015-04-01 00:13:42
    【ハワード・キングスレイ主演】
  • ニンジャスレイヤー @NJSLYR 2015-04-01 00:15:35
    THE STRIKER 「ストライカー 〜最後のソルジャー〜」
  • ニンジャスレイヤー @NJSLYR 2015-04-01 00:18:57
    「これがメレンキャンプ中将だ」大佐はOHP映像に映し出された不明瞭な写真を示した。どこかの豪邸のプールの空撮とおぼしき写真。ビーチチェアにくつろぐ不明瞭な人影である。「ヘルゴニアの軍事クーデターを扇動し、独裁者となった。彼自身はかつてアメリカ国籍を所持していた。今は違う」 1
  • ニンジャスレイヤー @NJSLYR 2015-04-01 00:21:16
    「……」ナタリーの目が険しくなった。彼女はデスクを挟んで大佐の前に軍隊式直立姿勢で立っている。写真が切り替わり、証明写真風の一枚になった。メレンキャンプは、鷲鼻で、酷薄そうな目が印象的な男だった。「人権に対する罪、拷問、五つの新興国の民族浄化に関わり、死刑判決を七度受けている」2
  • ニンジャスレイヤー @NJSLYR 2015-04-01 00:25:41
    「そして今」大佐の目つきが軍帽の下で一層険しさを増す。「メレンキャンプ中将はヘルゴニア共和国内に秘密軍事施設を建造……大陸間弾道ミサイル射出施設を完成させたと見られている」OHP写真はシートを被せられたミサイルと思しき物体を運ぶ特殊車輛の列を示す。「その照準は我らが合衆国だ」 3
  • ニンジャスレイヤー @NJSLYR 2015-04-01 00:30:10
    「直ちに爆撃を進言しては」ナタリーの眉間に汗がにじむ。「ダメだ、奴の基地は地下深くに建造され、その位置もいまだ定かではない」「では暗殺特殊部隊を派遣し、メレンキャンプを……!」「グリーンベレーすらさじを投げた。それに一度でも失敗すれば、奴は我々の意図を見抜く。核戦争の開始だ」 4
  • ニンジャスレイヤー @NJSLYR 2015-04-01 00:33:53
    「そんな」ナタリーは歯を食いしばった。「では、黙って正義が滅びるさまを眺めていろと仰るのですか?」「そんな命令は私も下したくない。そこで……君には今からヘルゴニアに早速飛んでもらう」「待ってください。話が……」「ヘルゴニア空港で映画の撮影が行われるのだ」大佐は悪戯っぽく笑った。5
  • ニンジャスレイヤー @NJSLYR 2015-04-01 00:41:00
    「次のシーンが山場だ、ヘンドリクスさん」ヘルゴニア訛りの英語で撮影監督が言った。「エンジンが故障したフォークリフトを押すんだ、筋肉の力だけで」「わかった」ヘンドリクスと呼ばれたスタントマンが頷く。彼が着る空港整備士用の制服は両袖をザツに破かれ、屈強な上腕二頭筋を露出させている。7
  • ニンジャスレイヤー @NJSLYR 2015-04-01 00:44:53
    「何十フィート押せばいい?」ヘンドリクスが尋ねる。撮影監督は噴き出すのをこらえた。「ノーノーノー……あれは本物の重機だよ」「……」ヘンドリクスは繰り返した。「何十フィートだ?」「わかった、わかった。だがそんなに遠くまで押す必要はない。このシーンは……エッ!」監督が目を剥いた。 8
  • ニンジャスレイヤー @NJSLYR 2015-04-01 00:48:36
    フォークリフトが、動いていた。ヘンドリクスの全身の筋肉が盛り上がり、吹き出した汗がヘルゴニアの太陽を浴びて眩しく輝く。「何十……フィートだ?」ヘンドリクスが歯を食いしばりながら質問した。監督は呆気に取られた。まるで怪物だ。そしてカメラクルーに指示を飛ばした。「撮影だ!急げ!」 9
  • ニンジャスレイヤー @NJSLYR 2015-04-01 00:53:12
    肉体の奇跡を余さずフィルムに焼き付けるべく、クルーはヘルゴニア空港からほど近いこの撮影地を走り回った。ヘルゴニアは政情不安の真っ只中である。だが、空港付近の治安は辛うじて保たれている。危険に臨む事こそ、リアリズム溢れる画の神髄……監督はヘンドリクスにそう説明したものだ。10
  • ニンジャスレイヤー @NJSLYR 2015-04-01 00:59:01
    「あいつは化け物だ」クルーはヘンドリクスの見ていないところでそう囁き合った。リテイクが重ねられ、何日間も、何度も同じシーンを繰り返し撮影された。クーデター以降、二個の滑走路が放置され、飛行機も映画のセットとなっている。ヘンドリクスはその翼の下で腰を下ろし、ランチを取った。 11
  • ニンジャスレイヤー @NJSLYR 2015-04-01 01:03:14
    ヘンドリクスの耳がヘルゴニア訛りにも慣れてきた頃、一人の女性が撮影現場を訪れた。女はナタリーと名乗った。「凄い筋肉ね」「……あんた、軍人だろ。隠してもわかる」ヘンドリクスは不満げな溜息をひとつつくと、ポークビーンズのスチール缶を握り潰した。「俺はもう、軍隊とは関わらん主義だ」12
  • ニンジャスレイヤー @NJSLYR 2015-04-01 01:06:39
    「ご挨拶ね」「軍隊は金輪際やめた。腕立て伏せ、匍匐前進。だが何よりうんざりさせられるのは、待つことだ。何の戦闘も起こるわけのない後衛で。じっと待つ。それが仕事だ」「軍隊が……物足りなかったってわけ?」ナタリーは呆れて見せた。「話に聞いた以上の……」「大佐は元気か」「エッ?」13
  • ニンジャスレイヤー @NJSLYR 2015-04-01 01:08:35
    フン、とヘンドリクスは鼻を鳴らす。「おおかた、あの大佐は俺を戦闘マシーンか何かのように誉めそやし、あんたを派遣したんだろう。それが彼のやり方さ。一杯喰わされたな」「……」ナタリーは謎めいた表情で見つめる。ヘンドリクスは肩をすくめた。「いいか?今の俺はスタントマンだ」 14
  • ニンジャスレイヤー @NJSLYR 2015-04-01 01:11:03
    彼は周囲を見渡す。「トレーラーを押したり、高所から飛び降りたりする。それが仕事だ」「スリルが満たせるってわけ?」「誰にも迷惑が、かからんしな……」彼は遠い目をした。ナタリーは言った。「じゃあ、この映画がお蔵入りするっていう話は聞いた?公開予定すらそもそも無いって事は」「何?」15
  • ニンジャスレイヤー @NJSLYR 2015-04-01 01:17:19
    「ヘルゴニアの独裁者、メレンキャンプを止められるのは、あなたしかいない。伝説のストライカー特殊部隊の所属経験を持つあなたしか……」「くそったれめ」ヘンドリクスは立ち上がった。「全部茶番だったってのか」そしてビーンズ缶を踏み砕いた。ナタリーは怒気に当てられびくりと身を引いた。 16
  • ニンジャスレイヤー @NJSLYR 2015-04-01 01:20:50
    ヘンドリクスは人差し指を突きつけた。「いいか!俺は!金輪際!軍隊には!戻ら……」KABOOOM!その時、空港が爆発した。二人は爆発と黒煙の方向を見やった。そして再び互いに顔を見合わせた。ナタリーは舌打ちした。「ここももう安全ではないだなんて……」「なんて政情の不安な国だ!」17
  • ニンジャスレイヤー @NJSLYR 2015-04-01 01:27:31
    BRATATATA!BRATATATATATA!マシンガンの斉射音が聞こえた。金網フェンスの向こうにヘルゴニア軍の武装ジープ車列が見えた。「包囲されたわ……終わりね」「まだ手はある」ヘンドリクスがクレーンを指差した。「フォークリフトでクレーンを転倒させ、フェンスを破壊する」 18
  • ニンジャスレイヤー @NJSLYR 2015-04-01 01:33:18
    「まさかそんな!」「陰に隠れろ」ヘンドリクスは既にフォークリフトを押していた。銃弾が車体前面に当たり甲高い音が鳴る。クレーンの横に到達すると、彼は全身の筋肉を漲らせて滑車を回した。徐々にフォークが上昇し、クレーンの右前輪を押し上げ……巨大な影が傾いた。共和国軍の悲鳴が響いた。19
  • ニンジャスレイヤー @NJSLYR 2015-04-01 01:36:57
    「いい?ピンチはチャンスを呼ぶ」ナタリーがせわしなくハンドルを操作するたび、後部座席のビール瓶が左右へ転がり、ルームミラーにくくりつけられたヘルゴニアのお守りが揺れた。BRAKKA!BRAKKA!ヘンドリクスは窓から上半身を乗り出し、追ってくる共和国軍の車両に撃ち返している。21

コメント

カテゴリーからまとめを探す

「電車」に関連するカテゴリー