仮面をつけた嘘つきのクラウンの物語集
ドロップをお店で売って利益を出せても、自分はポーションを渡せても、その元手は結局は相方あってこそだったのさ。いっそ聖職者になった方が良かったんじゃないか、なんてことまで考えた。 #嘘つき話
2015-03-05 01:10:39そんな日々が続いたある日、マーチャントは、意を決してこう口にしたよ。「パーティーを解散しよう」ってね。結局それしかないと思ったのさ。 #嘘つき話
2015-03-05 01:11:41その時の相方の反応はどうだったのだろうね?抵抗したかもしれないし、お荷物が減って喜んだかもしれないね。まぁどちらにしろ、ワタシの知ったことではないよ。結局は解散したというだけの話だからね。
2015-03-05 01:13:06君も、夜は背後に気をつけるといい。何がいるか分かったものではないからねぇ…クックック。ではまた、いつかの夜に…クックックック……
2015-03-05 01:17:21第4夜:バードの物語
そのバードは不幸を呼んだ。しかし、誰も彼を嫌わなかった。何でだと思う?誰も気づかなかったからさ、本人すらもね。 このバードは演奏が上手かった。そしてモンスターを引き寄せる性質があった。だから、彼がいる狩りはとても稼ぎが良かったのさ。もちろん、倒せれば、の話だよ。 #嘘つき話
2015-03-07 01:52:23だから、彼の参加する狩りは、必然的に技術が必要とされた。技術が劣っていればどうなる?そう、喧嘩になる。バードの周囲では口論が絶えなかったし、ギルドに入れば必ず解散した。だけど、バードはそんな自分の性質も気づかずに、「世の中そんなものだろう」と思うだけだった。 #嘘つき話
2015-03-07 01:53:08そうして、バードは次の場所へ旅立っていく。不幸を運びにね? クックック……今もどこかで、彼は不幸を振りまいているかもしれない。もしかしたら、彼はここにいるかもしれないよ…クックックック……
2015-03-07 01:55:26第5夜:番外編・アルケミストの物語
※この直前でクライブが「誇りにかけて怪しい薬は作らないし混ぜない」と発言していました
アルケミストには好きな人がいた。いつも自分のポーションを買っていく一人の客に恋をした。 しかし売り手と買い手の関係でしかない。言葉も二、三言交わす程度。だから、アルケミストは、その客が離れないように、依存性のある薬を混ぜたのさ。 #嘘つき話
2015-03-09 22:01:03その客は気づかないままそれを飲み、次第にポーションを買う頻度が増えていった。 しかしアルケミストはそれだけでは満足できなくなっていた。彼は次に、媚薬を混ぜて売ったのさ。その客はやはり気づかないままそれを飲み、アルケミストを好きになった。 #嘘つき話
2015-03-09 22:02:07しかしアルケミストはそれでも満足しなかった。だって、全て自分の手で仕向けたものだから。そしてアルケミストは、毒を作ったのさ。 アルケミストがそれを客に渡したのか、それとも自身で煽ったのか…どうしたのだろうねぇ? #嘘つき話
2015-03-09 22:03:50いつから間違っていたのだろう?何が正解だったのか?クックック…さぁて、君はどう考えるかな? 答えを返そうとしたかい?その返答に対して、ワタシが何か言ったところで、所詮は嘘つきの戯言さ…クックック…
2015-03-09 22:06:13第6夜:ブラックスミスの物語
そのBSは強さを求めていた。毎日毎日、朝から日が暮れるまで狩りを続け、重い両手斧も、まるで小枝のように振り回し、暴風を起こし薙ぎ倒した。その様子は、時々の商いをしている姿からは想像もつかないものだった。 #嘘つき話
2015-03-13 01:03:57数少ない常連からの狩りの誘いに行くことはあっても、固定の相方は作らなかった。ギルドにも入らなかった。ひたすら狩りに注がれたその意識は、その姿は、やがて鬼人と囁かれるほどにまでなったそうだよ。 #嘘つき話
2015-03-13 01:05:24