◆獅子◆フロッグ・ジャンプト・イン・オールドポンド #2◆二次創作な◆

ししジニー @jiny3jiny34643

(｢'ω')｢◇獅子◇ これから連投するツイートは、ツイッター連載翻訳小説「ニンジャスレイヤー」の私的二次創作小説です。 原作の設定諸々を用いますが、原作ストーリーとの関連は一切ありません。あくまで趣味の物としてお楽しみ頂ければ幸いです。 (｢'ω')｢◇構え◇

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(｢'ω')｢◇ありがとうございます◇  拙いアソビではございますが、お楽しみ頂けましたら嬉しく存じます。 また、もし実況頂けるというブッダ同然な方がいらっしゃいましたら、#shishi_nj タグをお使い下さい。  (｢'ω')｢◇ありがとうございます◇

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(｢'ω')｢◇古池◇ なお、いままでの内容はこちらです 【フロッグ・ジャンプト・イン・オールドポンド】 #1 togetter.com/li/804322 (｢'ω')｢◇水音◇ #さかたまさんいつもありがとう

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【フロッグ・ジャンプト・イン・オールドポンド】#2

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マタギ山脈の一隅、ミズチ・ニンジャクランのドージョーから離れた、渓流沿いの狭隘地。果てしない山の連なりと、深く暗い森とが風景を支配し、その隙間を、か細いが清冽な湧水が、山の神からの恵みめいて流れを成す。その清流に沿うように、山で暮らす者達のつつましい集落がある。1

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いや、あったというべきか。芸術めいたガッショー建築の家々は灰燼となり、ひび割れた炭の柱が無残な跡を留める。いじましいほど僅かなコメ畑には、集落の住人であった、アワレな犠牲者の死体が点々と転がっている。死体は子供も老人もあり、痛ましい暴行や、鉄の刃が撃ち込まれ、弄ばれた痕がある。2

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十字型をした鉄刃は即ち、古事記にもあるニンジャの投擲武器、スリケンである。「アイエエ！アイエエエ！」一件だけ残された家から、男の悲鳴。「ニンジャナンデ…お許しを…！ニンジャナンデ…！」3

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困惑と恐怖。いまやこの集落最期の生き残りとなったエダウチ職人は、無惨にも手足を一本ずつ叩き折られたまま、頭を踏まれドゲザを強要させられていた。「質問に答えろよォ？」エダウチ職人にドゲザを強要しながら問うものは、巨漢である。4

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よく引き締まった体躯は山めいて巨大であり、その身を包むオレンジ・ファイアパターンの装束が威圧的アトモスフィアをいや増している。背中には暴力的な字体で『燃やして壊す』と刺繍されている。「セラギ・ニンジャのジジイがよ、いるんだろォ？この辺りによ？手前らクズは知ってるはずだよなァ？」5

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巨漢はエダウチ職人の頭をより強く踏みつける。その口元はひしゃげた鉄骨めいた凶悪な形状のメンポで覆われている。巨漢はニンジャなのだ。「アイエエ！」エダウチ職人は失禁しながら必死に答えようとする。「答えろテメッコラー！」巨漢ニンジャの怒声！「アイエエエ！」エダウチ職人は再失禁！6

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「そんなんじゃこいつが答えられねえぜ、ファイアワール＝サン」「アァッ！？」陰鬱な声に巨漢ニンジャ…ファイアワールが振り向くと、白褐色装束のニンジャが戸口から覗き込んでいた。「ルッセんだよォ、ブラックマンバ＝サン」ファイアワールが悪態をつく。7

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「俺に試させてくれよ…」黒い装束のニンジャ、ブラックマンバが陰鬱に言った。その目は宇宙めいて黒く、あどけないほどに丸い。「チッ！」ファイアワールがエダウチ職人の頭から足を退ける。ブラックマンバはエダウチ職人の横に座り込んだ。「アイエエエ…ニンジャ…またニンジャナンデ…」8

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エダウチ職人は安堵するどころか、ますます絶望の色を深める。先程までこのニンジャが弄んでいた連中の末路を見ていたからだ。ブラックマンバはしゃがみこんでエダウチ職人の両肩を掴むと、不吉な声音で囁きかけた。9

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「なぁアンタ…このファイアワール＝サンの聞いてること、分かるよな？答えてくれよ…でないとな…」ブラックマンバのメンポがパックリと開く。「ＡＲＲＲＧＨ！」大きく裂けた口中は暗黒めいた黒一色に鋭いキバ！非人間的恐怖！「アイエッ！アイエーエエエエ！」10

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エダウチ職人は恐慌に陥り、身を捩って逃げようとする！だがブラックマンバはニンジャ筋力で離さない。真っ黒い口がエダウチ職人に迫り、ゆっくりと肩口に噛み付いた。「アイエ－ッ！アイエエエエエエエ！」「シューッ！フシューッ！」ブラックマンバの呼吸音。「オイ…話す前に殺すんじゃねえぞ」11

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ファイアワールが憮然として腕を組む。次第にエダウチ職人の身体が痙攣はじめる。「アイッ！アイエッ！ア、ア、ア！」ブラックマンバの丸い目が非人間的な虹彩を増す。「どうだい…苦しいだろ…アンタの心臓、もう止まるぜ…話せば死なずに済む」エダウチ職人の手が宙を掴みもがく！12

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「は、は、話し、ます！話す！」「セラギ・ニンジャは何処だ」「川を、遡、る、オジゾウ！左…の、奥…！」アワレなエダウチ職人の痙攣が次第に弱々しくなる。「どうだい」ブラックマンバがファイアワールに向き直る。「…まぁいいだろォ」ファイアワールは立ち上がり、戸口へと向かう。13

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ブラックマンバはじっと痙攣するエダウチ職人を眺めている。「アッ…タス、タス、ケテ」ブラックマンバは応えず、非人間的な目で死にゆくエダウチ職人を眺めている。「アイェ…ェ……ェー…」ブラックマンバは眺めている。「……」エダウチ職人の痙攣が止んだ。死んだのだ。14

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ブラックマンバは満足そうな虹彩を黒い瞳に浮かべると、立ち上がって戸口から出た。「どうだったい」半具足に毛皮をあしらった山賊めいた装束の男がブラックマンバに声を掛けた。肩には、ヤマアラシめいて密集スパイクが植え付けた禍々しいボーを担いでいる。「川を遡って奥だとさ」15

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ブラックマンバの淡々とした声音。「じゃあ、ご休憩も終わりか」半具足毛皮装束が、手にしていた干し肉を噛み千切りながら続けた。「ファイアワール＝サンも、執念深いね」「そうだな」ブラックマンバはそっけなく答える。「執念深くもなるぜ、ハイウェイマン＝サン。ケジメだ、こりゃァ」16

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背後からファイアワールの声。半具足毛皮装束の男……ハイウェイマンは、ぎょっとして振り向いた。「ファイアワール＝サン」いつの間にか、二人の背後タタミ一枚の距離に、オレンジ・ファイアパターンの巨漢が立っていた。17

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「あのジジイへの恨みは忘れちゃいねェ。見てやがれ…今じゃァ、俺もニンジャよ…インガオホーってヤツを、なァ…」ファイアワールが酷薄な笑みを浮かべ、片手を今しがたのガッショー建築民家へと向けた。「こんな風によォ－！イヤーッ！」ＢＯＯＯＭ！18

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猛烈な火炎が渦を巻いて発生し、ガッショー建築民家は瞬時にドンドヤキめいて燃え上がった！恐るべきニンジャの超自然能力、カトン・ジツである！「グッハハハハ！楽しみだぜェ…！」19

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ファイアワールは哄笑を響かせ、大股に歩き出しながら、大声でもう一人の仲間に呼ばわった。「グレイウィング＝サン！先行してジジイのドージョーを調べて来い！できるだけ詳しくなァ！」「ハイヨロコンデー！」返答が響き、村外れのバイオヒノキ木立から不穏な影が舞い上がる。20

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グレイウィングは翼めいて加工された装束とサイバネ機構により、空を滑空するニンジャなのだ。見る間に影が遠ざかる。見届けると、ファイアワールはグレイウィングの航跡を追うように歩き出した。ブラックマンバとハイウェイマンが続く。燃え上がった家屋の棟木が炭化してガラガラと崩れ落ちた。21