女王の微笑み

 
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イフ@文字喰い @20wor

その名を。聞いただけで、全てを思い出す程度には。ああ、なんて忌々しい、そのひと。視界に入っただけで吐きそうになる、その、姿。会わなくてよかった。会えなくなってよかった。死んでしまった、なんて。生きていたことがあったのかしら、と、嘲笑。だいきらいよ、永遠に。 #女王の微笑み

2015-04-11 19:28:05
イフ@文字喰い @20wor

「好きだから。それ以外に何がいるの」そう言った彼女の頬を張った。その次は、拳で。何度も。何度も。殴る。血が飛び散って、カーペットが水玉模様になるくらい。潰れればいいと思った。壊れろと思った。醜い肉の塊に、なればいい。そうすればもう、誰も。誰もこの女を見ないのに。 #女王の微笑み

2015-04-12 17:11:30
イフ@文字喰い @20wor

抵抗しない、この女が。私のことが好きで好きで仕方ない、この女が。憎い。憎い、憎い憎い。血が舞う。私の手が赤く染まる。それでもまだ殴る。そして思い知る。本気なんだと。どこの誰とも知らない、そんな、そんな、薄汚い男のことを。愛しているのだと。許さない。許してなるものか。#女王の微笑み

2015-04-12 17:17:37
イフ@文字喰い @20wor

今さら、一人で、幸せになろうなんて。絶対に、許さない。#女王の微笑み

2015-04-12 17:19:04
イフ@文字喰い @20wor

誰に好かれても誰に嫌われても、別によかった。けれど、誰かよりも劣っていると思うと心が千切れそうだった。私は私に嫌われることが、怖かった。一欠片の失望で立てなくなると思った。女王のように。振る舞わなければ。 #女王の微笑み

2015-04-17 19:48:42
イフ@文字喰い @20wor

食べたものを、全部吐く。生暖かい血も、ぐちゃぐちゃした内臓も、臭い肉も。食べられない。食べられるわけがない。気持ち悪い。でも、食べたい。涙が出そうで出ない。どうやら、あれも鬼だったらしい。人間を食べていたらしい。震える手で、口に詰め込む。あれにできるなら。私にも。#女王の微笑み

2015-04-17 19:55:21
イフ@文字喰い @20wor

一度思い出せば、忘れていたことが嘘のようだった。私の母親は、それを反抗期と呼んだけれど。違う。違った。苛立ちの根源はあれだったのだ。側にいてもいなくても、関係ない。あれは、存在がそのものが害悪なのだ。生きていても死んでいても。そう、いなくなった今でも。#女王の微笑み

2015-04-17 20:00:10