Legend of Gia【内輪向け】
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鉄槌が下される直前、突然彼らに雨あられと弾丸が降り注ぐ クロームはガルメを投げ飛ばし、弾丸を甘んじて受ける 「ハッハッハ、流石は自称ヒーロー君。己の敵をも助けるかね」 彼らを見下ろす位置に現れたのは〝赤い靴底〟〝流血の指揮棒(タクト)〟…ミヤマコである #Gia文(374)
2015-04-26 00:38:36そして彼の指揮する指先がクロームをなぞるようにすると後ろに控えた超常遣いにも有効な打撃を与えうる威力を備えた火砲が一斉に放たれる クロームが気を張ると、その瞬間に時間が停止したかのような感覚と共に放たれる弾丸たちを踏み台にミヤマコに肉薄していく #Gia文(375)
2015-04-26 00:40:57「君は悪だ、毒を得た悪だッ!」 その空間においては聞こえるかは不明だが、ヒーローは断罪の言葉を紡いで撃破の覚悟を固め、そして拳も堅める 刹那 その脇腹を寸断する白い光 瓦礫の山が変質し、『素材』が生誕していた 手には血塗れた刃、ヒーローの力が抜けていく #Gia文(376)
2015-04-26 00:44:08「奇手の一枚も用意するさ、ヒーロー君の相手ならねぇ」 ミヤマコの言葉、応じるように素材は剣をクロームに向ける 「正面からやりたい所でしたが、仕事優先が我輩の信条でしてネ」 #Gia文(377)
2015-04-26 00:46:09ヒーローは片膝をつき、動くこともままならぬ 素材の斬撃は正確無比、命を奪うも動きを奪うも自由自在 きゅん、と何かが引き絞るような音が周囲に響いた クロームは白刃の煌きの音かと歯噛みし、 ミヤマコはクロームの最後の足掻きかと防衛本能で腕を前に出し #Gia文(378)
2015-04-26 00:48:24突如ヒーローとミヤマコたちの間に現れたのは少女、青年、そして獣人 「確かに運んだぜ、またどうぞ」 という社長の平時と変わらぬ声とそれがフェードアウトする その寸毫すら無い瞬きに全ては同時に動いた #Gia文(380)
2015-04-26 00:55:04素材の抜刀斬撃が煌めく ミヤマコが音を発しようとする クロームが傷も抑えず少女を抱えて盾になる 獣人が腕を振るい糸が踊る 青年が雄叫びを上げる #Gia文(381)
2015-04-26 00:57:58「我輩の剣で断てぬとは」 「そんなにホイホイ黄昏時は訪れねーよ」 「チッ、魔狼気取りかね?」 「いいや、そのものだぜ」 「ちょっと、血が出てるって!」 「君が撃たれる事を考えれば軽傷だ」 「重症だよ!どう見ても!」 「一斉射げ」 「風歌ァァーーッ!!」 #Gia文(382)
2015-04-26 01:05:42暴風が全てを吹き飛ばす、超常遣いならまだしもミヤマコの部下たちはそのまま遠くへと流されてしまう 否、 ミヤマコもそうなるはずだったが素材が己の信条に従いミヤマコを掴むとその彼の退避命令を受けてその場から撤退する #Gia文(383)
2015-04-26 01:08:27「ったく、社長も置いていく場所ってのを考えて欲しいもんだな」 糸は意志を持つよう彼女の服の裾に戻っていく 「…ここに居るんじゃないのか、風歌は」 「見ての通りだよ」 台風が来たとてこうも荒れないであろう周りを見る 「居ないな」 「居たらやばかったろーが!」 #Gia文(384)
2015-04-26 01:11:40「お馬鹿なやりとりしてないでちょっと来て!この人が!」 さやが呼ぶ 「馬鹿はコイツだけだ、この風歌馬鹿」 「ははっ…ま、そうなるな」 「…褒めてないからな?」 二人は怪我を負うヒーローを確認すると応急手当をして、さささが肩を貸して全員がその場を後にした #Gia文(385)
2015-04-26 01:15:22「…オレまで助けるとは博愛主義も過ぎるぜ、ヒーローさン」 彼らが去るのを見届けるとガルメもその場を離れた 「しっかし…オレの作劇が狂い始めてるのは気に食わねェな。誰が、何がオレの作劇をおかしくしている?」 ガルメは静かに、しかし確かな怒りを孕んだ声を出す #Gia文(386)
2015-04-26 01:19:13プランは狂う しかし物語は進む 魔王災害の復活という舞台は数多の思惑に繋がれて緩やかに、しかし確実に「その日」に向けて動き出していた #Gia文(387)
2015-04-26 01:22:10