がらくた鎮守府 '15春イベ編

一部ゴア・スプラッタ表現あり注意。
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02Junks @junkworks

まだ今ほど重巡の兵装が充実していない頃から第一線で数々の戦果を挙げてきた妙高は、我が鎮守府の重巡の中では絶対的エースと呼んでよい存在。地獄の鉄底海峡突破メンバーの一人でもあり、その時からの戦友である古鷹との仲は良好。 #がらくた鎮守府

2015-05-04 03:46:00
02Junks @junkworks

今回も俺が最終制圧に備えて支援艦隊の用意をしていたら、彼女たちはその間に泊地水鬼の撃滅を完了してしまっていた。妙高は艦隊の先頭に仁王立ちで、水鬼や戦艦改の攻撃を一身に引き受けていたらしい。穏やかな性格に反して苛烈なその戦い方を、最初に誰が称したか「武神妙高」。 #がらくた鎮守府

2015-05-04 03:50:47
02Junks @junkworks

片腕・片足が途中でもげ、残った身体も火傷と銃創だらけ、こんな有様でもドックでの休養を命じられて言う事は「私のような(ry」。だからお前がそれを言うと本当に他の誰も休めなくなるからやめてくれ。マジで。 #がらくた鎮守府

2015-05-04 03:55:17
02Junks @junkworks

艤装の最終チェックに余念の無い大和・武蔵を傍目に、俺は巡洋艦娘の寮へと向かう。決戦に万全を期すには、もちろんあいつらの力が必要だ。 「―――出番だ。今回も、頼むぞ」『あーい』『いきましょ、北上さん』 #がらくた鎮守府

2015-05-04 20:57:27
02Junks @junkworks

我が鎮守府における北上・大井の扱いは、完全に「決戦兵器」のそれだ。本当にその力が必要であると判断されない限り、実戦に出て来る事はほとんど無い。よって、その戦い振りを見た事がある者も、決戦に出られるような歴戦の艦娘に限られる。 #がらくた鎮守府

2015-05-04 21:01:12
02Junks @junkworks

滅多に働かない割に、提督からの信頼は得て気ままに過ごしている事から、彼女たちを胡散臭がる艦娘も少なくはない。が、他の艦娘にどう思われていようと当人たちが何一つ気にも留めないので、今のところそれが原因で大きな揉め事に発展したケースは無い。 #がらくた鎮守府

2015-05-04 21:04:26
02Junks @junkworks

で、ほとんど現場に出ない彼女たちが普段どうしているかと言うと、だいたい寮の部屋にこもって二人だけの世界を築き上げている、らしい。食事や買い物などのために二人揃って鎮守府内をふらついている事はあるが、それも最低限。 #がらくた鎮守府

2015-05-04 21:07:44
02Junks @junkworks

あまりに遭遇率が低く、中には実際に姿を見た事の無い艦娘もいるため、新入り艦娘の間では半ば都市伝説のような扱いになっていたり、「姿を見られたら武運のご利益がある」などとまで言われてたりする。あいつらはツチノコか何かか。 #がらくた鎮守府

2015-05-04 21:11:12
02Junks @junkworks

『最終決戦に私を駆り出すなんて、珍しいわね』「何言ってんだ、最前線には出さずともいつも決戦の影にはお前の存在があっただろう。支援艦隊の引率、遠征による補給線維持、戦意の鼓舞、手薄になる後方の警戒……」『いちいち覚えてないわ』「嘘をつけ」 #がらくた鎮守府

2015-05-05 00:02:29
02Junks @junkworks

『改二艤装が来たから最前線に出す…そんなところなんでしょ?』「最前線だろうとどこだろうと、これだけは忘れるな。お前はうちの最古参であり、筆頭艦娘であり、俺の片腕だ」『言うようになったわね、最初は実戦指揮すら覚束なかったくせに』 #がらくた鎮守府

2015-05-05 00:06:14
02Junks @junkworks

「作戦時刻が近いぞ、大井・北上やその他精鋭たちがお前の引率を待ってる。決めて来い!」『……ったく、カッコつけちゃって』 #がらくた鎮守府

2015-05-05 00:11:43
02Junks @junkworks

私の装備は、探照灯に対空セット。火力や夜戦に優れる他のメンバーのサポートに徹する形。どうやったって主役にはなれないどころか、探照灯のおかげで危機にも晒される。でも、これで正しい。改二兵装を得たとは言え、初期の特型に過ぎない私の戦力には限界があるのだから。 #がらくた鎮守府

2015-05-05 00:18:02
02Junks @junkworks

私にできる役目を与え、そして大決戦に送り出すあのバカの信頼には、答えてあげる。 ステビア海作戦、死神見習い連合艦隊、叢雲、抜錨!! #がらくた鎮守府

2015-05-05 00:19:21
02Junks @junkworks

「で、気合入れて出て行った結果がソレか、肩に力入りすぎだ。程よく力が抜けるように首の断面ぺろぺろしてやろうか」(叢雲1人大破撤退)『やめろこの変態バカ提督あとで絶対殴る!』 #がらくた鎮守府

2015-05-05 01:01:08
02Junks @junkworks

戦艦棲鬼が待ち構える防衛網を、奴があまり得意としない夜間のうちに強行突破、そして奥に控える敵主力本隊を叩く。これが今回の作戦概要である。強行突破からの本陣急襲は、これまでも何度となくやってきた戦術。機動性に優れる、艦娘という兵器の十八番だ。 #がらくた鎮守府

2015-05-05 15:50:23
02Junks @junkworks

ほぼ丸々一日をかける、長丁場の作戦。兵器として最適化されている艦娘は、予め養分補給を済ませていれば、数日程度なら飲まず食わずでの作戦行動が可能である。が、もちろん指揮を執る俺自身も、寝てしまう訳には行かない。眠気で判断を誤る事もできない。 #がらくた鎮守府

2015-05-05 15:56:53
02Junks @junkworks

『提督。コーヒーと甘いもの、お持ちしましょうか?』深夜、目を擦り始めた俺に、古鷹が声をかけてくれた。「すまん、助かる」『これも、作戦成功のためですから』そうだ。作戦は何も、最前線だけで行っているのではない。 #がらくた鎮守府

2015-05-05 16:02:16
02Junks @junkworks

出撃の無い時も事務を手伝う古鷹、鳥海たち。遠征部隊を率い、物資やバケツの補給を絶やさぬ龍田・初雪たち。後方要員も、それぞれの形でこの作戦に参加している。古鷹が司令室を出、コーヒーと菓子を持って戻ってきた頃、前線からの通信が届いた。 #がらくた鎮守府

2015-05-05 16:07:00
02Junks @junkworks

『こちら第二旗艦夕張。第一防衛網、第二防衛網、突破に成功しました』「損傷状況は?」『第一艦隊に少々の被弾がありますが、いずれも軽微です』「わかった。作戦を続行してくれ」『了解、作戦行動を継続します。以上』通信を切り、コーヒーカップに口をつける。熱い。 #がらくた鎮守府

2015-05-05 16:10:12
02Junks @junkworks

『うまくまけたかしら、叢雲ちゃん』「大丈夫よ、夕張。他は全部潰したから、あのデカブツ1匹じゃ暗闇の中の私たちを追いかけるのは無理よ」『この時期は朝が早いから、第一のみんなも早く通さないと』「わかってる、特に大和・武蔵は朝になったら目立っちゃう」 #がらくた鎮守府

2015-05-05 16:22:33
02Junks @junkworks

夜間強行突破を成功させた第二艦隊は、程なく利根率いる第一艦隊と合流。あとは支援艦隊とも合流し、暁の水平線に勝利を刻むのみ。東の空が白んでくると同時に、視界確保のため、利根が瑞雲を放った。利根の表情が、みるみるうちに険しくなった。「全艦、警戒体勢じゃ!」 #がらくた鎮守府

2015-05-05 16:31:09
02Junks @junkworks

「これで勝ったと、思っているのか? 可愛いなあ……!」艦娘たちの精神に、直接響いてくるような声。夜明けと共に水平線の彼方に姿を現したのは、深海棲艦本隊ではなく、その前衛。空母棲姫率いる機動部隊だった――― #がらくた鎮守府

2015-05-05 16:33:42
02Junks @junkworks

朝、0800過ぎ。司令部に緊急通信が入った。『こちら叢雲!夕張が空母棲姫にやられたわ!』「な…!?」いよいよ脳を侵食し始めていた眠気が、一撃で吹き飛んだ。轟沈の二文字が頭をよぎる。『大破よ大破、早く後退指示を出して!』 #がらくた鎮守府

2015-05-05 16:42:00
02Junks @junkworks

『い、いえ、行かせてください…!』通信に横から割り込んできたのは、当の夕張本人だった。『調査データが、出ています。旗艦に轟沈判定が出る事は無い、それは第二であっても例外ではない、と……』『他のみんなは理想的なコンディションです。前進の許可を、ください…!』 #がらくた鎮守府

2015-05-05 16:45:50
02Junks @junkworks

第二旗艦大破での前進は、我が鎮守府では前例が無い。大抵は大淀・神通や大井・北上が務めているため、轟沈の可能性以前に大破による戦力低下は著しく前進どころではないからだ。しかし、今回の夕張は照明弾や対空砲など、補助寄りの装備になっている…… #がらくた鎮守府

2015-05-05 16:49:20