白嶺ゾンサバ日記

診断メーカー「ゾンビサバイバル! あなたは何日生き残れるか!?」(http://shindanmaker.com/235938)を利用した日記です
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航空母艦『白嶺』(疲労Max) @blackhakurei

今日の白嶺:【アクシデント】コンビニ入り口に巨体のゾンビ。気付かれず侵入できるか? 今が23~10時なら2ダメージ、食糧+5。それ以外なら8のダメージ! shindanmaker.com/235938

2015-05-13 00:57:05
航空母艦『白嶺』(疲労Max) @blackhakurei

【ゾンサバ日記】2015/5/13 HP:98 食糧:100 所持品:ライフル(【戦闘】ダメージ-2。最低1点) 状態:健康 #白嶺ゾンサバ日記

2015-05-13 01:03:32
航空母艦『白嶺』(疲労Max) @blackhakurei

この世に、ゾンビが蔓延るようになって、一体どれほどの月日が流れたのだろうか。 今持っている食料ではいつまで持つかわからない。仕方なく、周囲を探索することにした……勿論、あいつらへの警戒は怠らずに。(1/22) #白嶺ゾンサバ日記

2015-05-13 02:22:21
航空母艦『白嶺』(疲労Max) @blackhakurei

ふと、この周辺に緊急時用の食料庫があったことを思い出した私は、そこへ足を向ける。暫く歩いてようやく辿り着いた食料庫だが、今にも崩れそうな様相を呈していた。 中の食料は諦めた方がいいか……。そう考えた私は、踵を返し立ち去ろうとした。(2/22) #白嶺ゾンサバ日記

2015-05-13 02:25:14
航空母艦『白嶺』(疲労Max) @blackhakurei

その時だ、食料庫から出てくる人影が見えたのは。慌てて身を潜めた私は、その人物――少女――を観察する。年の頃は私より下だろうか? だが、もしかするとゾンビ化しているかもしれない。そう思い直し、彼女の行動を見守ることにした。(3/22) #白嶺ゾンサバ日記

2015-05-13 02:26:43
航空母艦『白嶺』(疲労Max) @blackhakurei

暫く様子を見ていたが、ゾンビらしい行動は見受けられない。そればかりか、食料を少しずつ運び出しているだけのようだ。 ゾンビ共が態々食料を運び出すとは考えられない。そう結論付けた私は、彼女を手伝う事にした。(4/22) #白嶺ゾンサバ日記

2015-05-13 02:27:52
航空母艦『白嶺』(疲労Max) @blackhakurei

正直なところ、そのまま立ち去ろうかとも考えていた。 しかし、何故か後で手伝わなかったことを後悔するのではないかとの疑念が頭を過ったのだ。(5/22) #白嶺ゾンサバ日記

2015-05-13 02:28:28
航空母艦『白嶺』(疲労Max) @blackhakurei

彼女を手伝い、立ち去ろうとした私に、彼女は笑顔でお礼を言いながら食料を分けてくれた。 それをありがたく受け取った私は、更に予備の食料を探すために歩き始めた。(6/22) #白嶺ゾンサバ日記

2015-05-13 02:29:07
航空母艦『白嶺』(疲労Max) @blackhakurei

彼女と別れてからどれほど経っただろうか、ゾンビを見かけるたびに身を潜めていたため、周囲は既に真っ暗になっていた。(7/22) #白嶺ゾンサバ日記

2015-05-13 02:29:42
航空母艦『白嶺』(疲労Max) @blackhakurei

より一層警戒しながら進む私の目の前に、朽ちてボロボロになったコンビニを発見する。 しめたものだと思った私は、十分に警戒しながらコンビニへと近づいた。(8/22) #白嶺ゾンサバ日記

2015-05-13 02:30:15
航空母艦『白嶺』(疲労Max) @blackhakurei

不意に、今までよりも強く、そして濃い腐敗臭が漂ってくる。その臭いに顔を顰めた私は、コンビニの入り口を注意して観察してみる。 するとどうだろう、身の丈2mはあろうかというかなり大柄なゾンビがいるではないか。(9/22) #白嶺ゾンサバ日記

2015-05-13 02:30:52

コンビニの入り口にいたそいつは、暗くて周囲がよくわからないのか、それとも、ただ単に眠っているのか……そんなことはどうでもいい、重要なのは、静かに座り込んでいるだけのあいつに見つからずに、コンビニに入り食料を確保できるかどうかということだけだ。(10)

いくらあいつとは言え、大回りしてしまえば気づかれないだろう……幸い、周囲にはあいつの他にゾンビらしき気配は無い。
今を逃せば、あのコンビニには入れないだろう。そう考えた私は、大回りしてコンビニに侵入することにした。(11)

無事にコンビニに侵入した私は、あいつの座り込んでいる入り口に近づかないように注意しながら、インスタント食品や缶詰、水といったものを入手することが出来た。
そのまま無事に出られればよかったのだが、運悪く……いや、私の不注意というべきか、下に散乱していたガラス片を踏んづけてしまった。(12)

しまったと思った時にはもう遅い。入り口に座っていたあいつが、私を見つけるのに時間はかからなかった。
とっさにあいつの攻撃を避けて、脱出することには成功したのだが、あいつの破壊したドアのガラス片で、腕に深い傷を負ってしまった……。
こんなことなら、医療品もいくつかとっておくべきだったと後悔しながら、大急ぎでそのコンビニの周囲から逃げ出した。(13)

簡単な止血はしたものの、血を流しすぎたのか、体力はそれなりに消耗している。
食料は暫く……とは言ってもそんなに余裕がある訳ではないが、大丈夫だろう。問題は、あいつらを倒すことが出来ないということだ。(14)

倒せない、これほど恐ろしいことはない。逃げることにも限界がある。しかし周囲には得物になりそうなものは何一つ転がっていなかった。
無い物強請りしてもしょうがない、今までどおり身を潜めて行くしか無い……そう考えを改めた時、急に辺りを明るく照らされた。(15)

あまりにも眩しくて、目を覆った私の耳に、聞き覚えのある声がかけられる。夕方、食料庫で運び出しをしていた少女だった。
そうして驚いている私に、彼女は一丁のライフルとその弾を差し出してきた。(16)

貴女が使えばいいじゃないか、そう驚きながら言う私に、彼女は自分の得物を見せてくれた。チェーンソーだ。(17)

正直、彼女がチェーンソーを振り回して、ゾンビを撃退する姿を想像することは出来ないが、その得物を見た私は、大人しく好意を受け取ることにした。(18)

ライフルを受け取った私は、疑問をぶつけてみることにした。なぜ私なのかと。
 すると、夕方に手伝ってくれたから、だそうだ。正直、そんな事がこんな物の対価には釣り合わないと思ったが、彼女には彼女の考えがあるのだろう。(19)

それ以上は聞かずに、自分の荷物にライフルと弾薬を加える。振り返ると、彼女は、バイクに跨がり、走りだそうとするとこだった。
慌てて彼女に名前を聞いてみた。自分でも何故そんなことをしたのかわからない。(20)

バイクが走りだす直前、彼女は名前を教えてくれた。私はまた彼女に……天音と名乗った少女に出会えるだろうか? そこまで考えて、バカバカしいと頭を振った。
生きるか死ぬかわからないのに、期待しても無駄じゃないか。そう考えなおした私は、彼女の去った方向とは反対にある、拠点にしている廃ビルへと足を向ける。(21/22)

早く帰って寝よう……今晩は色々ありすぎた。そう呟く私の上では、太陽が顔を見せ始めていた。(22/22)

航空母艦『白嶺』(疲労Max) @blackhakurei

今日の白嶺:【探索】古美術店を捜索。薄闇の中、一振りの刀が静かに君を待っていた。日本刀(【戦闘】で受けるダメージ常に-2。最低1点は受ける)を得た! 食糧:-2 shindanmaker.com/235938

2015-05-14 00:21:13

2015/5/14

昨日の探索では、当面の食料と、偶然出会った少女――天音から貰ったライフルによって、ゾンビ共から身を守る術を得ることが出来た。巨大ゾンビとの戦闘で負った腕の傷も、まだ痛みはするが、幸い化膿は起こしていないようだ。これなら探索しても問題ないだろう。
しかし、あんな巨大なゾンビが存在しているようでは、この周辺もいつまで安全かはわからない。
新たな拠点になりそうな場所は、早急に探しておく必要があるだろう。そう考えた私は、昨日受け取ったライフルを担ぎ、バッグに必要な食料と水、弾薬を詰め込み、探索を開始した。

探索を開始してどれほど経っただろうか。日中ということもあってか、ゾンビの姿は見えないが、いつでも応戦できるようにライフルを握りながら、慎重に歩みを進める。

ふと周囲を見渡してみると、寂しげな店舗があることに気がついた。その時だ、誰かに呼ばれたような、そんな奇妙な感覚に襲われたのは。私は最初から決められていたように、その店に足を踏み入れた。

 中はかなり埃っぽかったが、埃に混じって様々な美術品が散乱しているところから、どうやら古美術店であるらしい。残念だが、武器になりそうなものや、食料といった目ぼしい物は無さそうだ。時間を無駄にしたかと落胆した私は、荷物を背負い直して店を出ようとした。その時、足元の感触が、微妙に違うことに気がついた。足元をよく観察してみると、蓋のようになっているではないか。私は慎重にその周囲の美術品を横にどけると、蓋を開けてみた。中から出てきたのは、地下へと続く長く暗い階段だった。
 何故一介の古美術店に地下室が? わからないが、私は自然とその階段を降りていた。

 長いとは思っていたが、予想よりもかなり長い階段を降り、ようやく下に辿り着いた私は、目が慣れるまでじっとしていた。明るいうちに帰るつもりであったので、懐中電灯などの明かりになりそうなものは持ち合わせていなかった。
 目が慣れてくると、ドアらしきものがあることに気がついた私は、何の警戒もせずに、その扉を開けた。今考えても不用心すぎると自分でも思う。だが、その時の私には、絶対に大丈夫だという確信があったのだ。その確信がどこから来るものなのかは、私自身にもわからないが……。

 扉を開けた先の部屋には、うっすらと光が指し、厳かでありながら温かい空気が満ちていた。部屋をぐるりと見渡すと一振りの美しい刀が置いてあった。いや、飾ってあったと言うべきかもしれない。その時だ、「待っていたぞ」と声がしたのは。
 慌てて振り返るが、勿論誰もいない。当然だ、放棄されて夜になるとゾンビが徘徊するような店舗に近づく酔狂な人間など、私ぐらいなのだろうから。
 まさか、この刀が? ありえない、刀が喋るなんてファンタジーもいいところだ。きっと、私の脳が創りだした幻聴だろう。そう思い直した私は、飾られている刀に手を伸ばす。
 これだけ厳重そうに飾られている刀だ、私の力では入手することは出来ないかもしれない……。そう思いながらも、刀を持った私は、外そうと試みる。
 しかし、力を入れることもなく、刀はすんなりと私の手元に来た。あっけなさ過ぎてこちらが驚いたほどだ。この刀を手に取ってみて感じたのだが、何か力を感じる……まさか、あの声の主はこの刀だったのではないか? と思ったが、すぐにそんなわけがないと否定する。そうして新たな武器として刀を入手した私は、古美術店を後にして新たな拠点探しに戻った。

 数時間探索し空腹を覚えた私は、ある程度目星の付いた拠点探しを終わりにし、新しく見つけた拠点へ帰ることにした。まだ食料はそれほど見つけてはいないが、前回までの拠点とそう離れてもいないので、明日にでも取りに戻ればいいだろう。

 食事を終え、探索を再開した私は、とある廃屋に足を踏み入れる。その時だ、強い血の臭いを感じ取ったのは。
ライフルを構えた私は、さらに廃屋の奥へと足を踏み入れる。
 するとどうだろう、1番と血の臭いが濃くなっているところにゾンビのような姿が見えるではないか。
しかし、今までに私が見てきたゾンビとは、見た目がかなり違っている。私が、その人物をゾンビだと判断できた理由は、服の汚れ具合とボロボロになっている事を気にした様子もなく着ていたからだが、私達のように綺麗な服を着ていたなら、きっとゾンビだとは思わなかっただろう。

 扉を塞いでいたゾンビの頭を後ろから吹き飛ばした私は、真ん中でチェーンソーを振り回している少女と、廃屋内に転がっていたであろう瓦礫をゾンビに投げつけている少女が中心にいる事に気がつく。急にゾンビが吹き飛んだことに驚いたのだろう、チェーンソーを振り回してゾンビを倒していた少女が、驚いた顔でこちらを見る、天音だ。

 まさか、二度と会うことはないと思っていた天音に、こんなところで出会えるとは思わなかったが、今はそんな事を気にしている場合ではない。私は、腰に下げていた刀を抜き放つと、すぐ側にいたゾンビに斬りかかった。

 しばらくして、全てのゾンビを殲滅した私達は、その場でへたり込んだ。無理もないことだと思う。多くのゾンビを、たった3人で相手にすることになったのだから。
 天音は至る所に怪我を負っていたが、元気そうだ。だが、休息が必要だろう。もう一人の少女は、仰向けに寝転んでいた。天音に少女の名前を聞いてみると、知らないとの答えが返ってきた。

 どうやら、この少女も私と同じように、廃屋でゾンビに襲撃されていた天音を見つけ、助けようとしたのだろう。
いいことだとは思うが、武器も無しで戦いに参加するのは、いささか無謀ではないだろうか? 一歩間違えば、ゾンビに殺される可能性もあったのだから。
 そう考えていると、その少女が自己紹介してきた。私も少女――ラムパティというらしい――に簡単な自己紹介をし、天音に、先ほどのゾンビは一体何だったのかと聞いてみることにした。

 説明を受けた私は、驚きすぎて何も言えなくなっていた。
天音の周囲のゾンビは、皆あのように人の姿を保ちながら、理性を失ったものだという事だった。私が今まで遭遇していたゾンビは、その個体が弱っていったものだったのだろう。
 何にしても、だ。あのようなゾンビが多数いるということは、私もより一層気をつけなければならないということだ。

 新たなゾンビの情報を得、廃屋内も粗方探索し終えた私は、荷物(と言っても、ライフルと弾薬、刀だけだが)を背負い直し、廃屋を後にしようとする。そんな私に、ラムパティは声を掛けてきた。

 この近くに、星が綺麗な場所がある。良ければ一緒にそこで休まないかという提案だった。それを聞いて、魅力的な話だと思った。
しかし、私はそこまで疲れているわけではない。ましてや、3人で移動するとなると、ゾンビに襲われる可能性も高くなる。そうラムパティに説明し、天音と一緒に行くことを勧め、私は拠点へと戻ることにした。何かを言いたげに私を見ていたラムパティだが、天音に促されて歩き始める。そんな2人を見送った私は、新しく見つけた拠点ではなく、昨日寝起きした拠点へと戻ってきた。

 今回の戦闘によって、新たなゾンビがいることがわかった以上、なるべく早く荷物を移動させる必要があるのではないかと思えたからだ。なるべく早く、新しい拠点に移る必要性を痛感した私は、疲れた身体に鞭打ちながらも、荷造りを済ませていく。後は明日の朝早く――太陽が登り始める頃に新たな拠点へと移動するだけだ。そう思うと急に強い睡魔が襲ってくる。

 まだ日の出まで十分時間はある。少し仮眠を取ったほうがいいだろう。ベッドに身体を横たえると、私の意識は急速に暗転していった。

航空母艦『白嶺』(疲労Max) @blackhakurei

【ゾンサバ日記】2015/5/14 HP:98 食糧:98 所持品:ライフル(【戦闘】ダメージ-2。最低1点)日本刀(【戦闘】ダメージ-2。最低1点) 状態:健康 #白嶺ゾンサバ日記

2015-05-14 00:25:10
航空母艦『白嶺』(疲労Max) @blackhakurei

今日の白嶺:【休息】親切な老夫婦の家に泊めてもらい、HP:+3。しかも、自分たちはどうせ長生きできないから、となけなしの食糧5をくれるという。受け取るかどうかは好きにせよ。 shindanmaker.com/235938

2015-05-15 01:02:46

2015/5/15

なんとか日の出前に起きることが出来た私は、昨晩纏めておいた荷物を持って、新たな拠点へと移ることにした。短期間とはいえ、お世話になった部屋に頭を下げると、私は人影も見えない早朝の街を歩き出す。朝靄が掛かって見通しがきかない道路を、警戒しながら歩いていると、不意に人の話し声が聞こえた。
とっさに物陰に隠れてから、自分の取った行動に苦笑いがこぼれてしまう。ゾンビは会話することなど無いのだ……。少なくとも、私が今まで遭遇してきたゾンビに限れば……の話だが。そのまま彼らの話に耳を傾けていると、面白い話を聞くことが出来た。どうやら、この世界の何処かには、ゾンビの研究をしている場所があるらしいのだ。その研究所では、ゾンビ化を完全に抑制できるワクチンが開発されているらしい。
ゾンビ化を食い止めるワクチン……もし本当にそんなものがあるなら、是非とも手に入れたいものだ。この世界に住む誰もが思っていることだろうが。それ以上聞いても、噂話の情報は無さそうだった。彼らの話題は、食料の備蓄が少ないといったものや、シェルター代わりにしている建物の扉が老朽化してて不安だ、といったものだった。もしかしたら、まだ有用な情報が聞けるかもしれない。そう思って耳を澄ませていたが、それ以降彼らは特に話すこともなく、建物内へと引っ込んでしまったようだ。
これ以上ここにいても、良いことはないだろう。残念に思いながらも、私は新拠点への移動を再開する。その道すがら、さっき聞いた噂を思い出していた。

――ゾンビ化。ゾンビに噛まれたり、血液を浴びたりすることで発症すると言われている。狂犬病をイメージして貰うとわかりやすいかもしれない。発症直後は普通に会話できるのだが、どんどん理性を失っていき、食事の好みが生肉や動物の血といったものになり、最終的には人を食べようと襲いかかるようになる。そうして襲われた人間がゾンビとなり、どんどん増えてゆく……。更に、稀有な事例ではあるが、ゾンビ同士で共食いをすることもあり、それが起こった時は凄惨な光景が広がることになる――
そんなゾンビ化を発症させずに済むなら、どれほど心強いワクチンだろうか。そう思うと同時に、現実には存在しないものなのだろうと、諦めが首をもたげてきた。そうだ、そんなワクチンが本当にあるのなら、私も、この話をしていた彼らも今頃こんな気を張った生活をしていないのだろうから。

新拠点に無事に辿り着いた私は、念の為に周囲の探索をすることにした。昨日、天音を助けた廃屋からは、この拠点はかなり遠い。ゾンビどもはまだこの周辺には来ないだろう。しかしだ、いつどこで誰がゾンビになっているかわからない。そんな状況で、周囲の安全確認をしないということは、私には出来そうになかった。
臆病者と人は言うかもしれない、だが、死んでしまえば――ゾンビになることが死と同義かは怪しいが――そこで終わりなのだ、二重三重に安全を張り巡らせても損はないだろう。……私の疲労と空腹による食料の減少を除けば、だが。

刀を腰に差し(刀を通す帯代わりにするためにサラシが少なくなってしまったが)少量の水と食料を持って、周囲の探索に出る。ライフルは、弾切れになってしまうと使えなくなるため、迎撃に使用するだけにしようと決めた。弾薬を何処かで入手できるといいのだが……。刀も手入れしないと直ぐに駄目になるのだが、この刀はどうも様子がおかしい。
昨日あれだけゾンビを切り捨て、血もきちんと拭き取らずに乱雑に扱ったのに、さっき抜いてみると、新品同然に刀身が輝いていたのだ。もしかすると、呪われた刀かもしれない。だが、私はこの刀を手放す気は起きなかった。呪われていようが関係ない、ゾンビから身を守れるのであれば、呪いだろうがなんだろうが甘んじて受けてやろうじゃないか。そう口に出した瞬間、刀が怒りを露わにしたかのような気がした……、私はどうやらだいぶ疲れているらしい。刀が怒るなんて、あるわけがないのに……。

そろそろ日も暮れる、周囲の安全確認のはずが、気がつけば拠点からはだいぶ遠く離れてしまっていた。拠点に戻る頃には、日付が変わっているかもしれない。かと言ってこの辺りで野宿するのは危険すぎる……仕方ないが、命には代えられない。安全確認のために危険に身を投じている自分を呪いながら、私は帰路についた。そんな時だ、「こんなところでなにをしてる!」と怒声を浴びせられたのは。

声に驚いて振り返ると、おじいさんが立っていた。一体いつの間に? さっきまで誰もいなかったはずなのだが……。そう思っていると、再び怒ったような声で「お前はこんな時間に何をしてる!」と言われた。仕方なくこれまでの経緯を話し、拠点に帰る所だと説明すると、「こんな時間に1人で彷徨いて危ないのがわからんのか!」とまた怒鳴られ、手を掴まれてグイグイと引っ張られることになった。振り解こうとしたのだが、異様に力が強い。私は為す術もなく、おじいさんに引っ張られるままに、ある1軒の民家に連れて来られた。
扉が開くと、優しそうなおばあさんが出てきた。おじいさんが私を連れてきたことに驚きながら、おじいさんと二言三言会話し、私を見ると笑顔で招き入れてくれた。私としては、早く拠点に帰るつもりだったのだが、おじいさんが「泊まっていけ」とぶっきらぼうにいい、おばあさんにまで「疲れているでしょう? お風呂に入って疲れを癒してらっしゃい」と笑顔で言われてしまった。どうやら、この老夫婦は私を帰すつもりはないらしい……。仕方なく私はおばあさんの言う通りに、お風呂に入ってくることにした。
お湯に浸かったのはいつぶりだっただろうか。ここ暫く川の冷たい水で身体を洗っていたせいか、お湯の暖かさに疲れがすっかり抜けていくような気がした。それと同時に、緊張まで解れていくようだ。
お風呂から出た私に、老夫婦は食事と寝床まで提供してくれた。一体何故、見ず知らずの私に、ここまでしてくれるのだろうか。思わずそう聞いた私に、おばあさんは微笑むだけで、おじいさんに至っては、聞こえないふりをしている。私は仕方なく、温かい食事をいただき、床に就く事にした。眠りに落ちる寸前、老夫婦が何かを話しているような気配がしたが、睡魔に負けた私は、話の内容もわからないままに夢の世界へと旅立っていったのだった……。

航空母艦『白嶺』(疲労Max) @blackhakurei

【ゾンサバ日記】2015/5/15 HP:100 食糧:100 所持品:ライフル(【戦闘】ダメージ-2。最低1点)日本刀(【戦闘】ダメージ-2。最低1点) 状態:健康 #白嶺ゾンサバ日記

2015-05-15 01:04:08
航空母艦『白嶺』(疲労Max) @blackhakurei

今日の白嶺:【アクシデント】ゾンビを恐れるあまり、立て籠もって食糧を独り占めする男を説得できるか? 今が17時~深夜1時なら成功、食糧+5。それ以外なら銃で撃たれ7のダメージ! shindanmaker.com/235938

2015-05-16 01:14:31
航空母艦『白嶺』(疲労Max) @blackhakurei

今日のハクレイ:【探索】高台から地獄と化した街並みを見下ろす・・・遠くに奇妙な広場のある施設を発見。何かの離着陸場か・・・!? クリアフラグB(アイテムではない)を得た! 食糧:-4 shindanmaker.com/235938

2015-05-16 01:20:50

2015/5/16

 目を覚ました私は、見知らぬ天井に一瞬驚いた後、昨日の出来事を思い出した。そうだ、親切な老夫婦に泊めてもらったのだった。布団から出た私に、おばあさんからご飯ができているから早く支度するように促される。言われるままに綺麗に洗濯された自分の服を着て、刀を手にした私は、ふと不思議に思った。この上等な帯は貰ってもいいのだろうか? だが、私が帯代わりに使っていたサラシはなく、この上等な帯があるだけだ。悩んでいると、おばあさんに催促するように呼ばれ、私は、刀と帯を手に持ったまま慌ててリビングへと向かう。
 リビングに着くと、おじいさんは私が帯を持ったままなのに気付いたようで、「貸せ」と言われた。返すつもりで帯を差し出すと、おじいさんは手早く私の腰に帯を巻き、あっという間に刀を固定してしまった。突然のことに驚いた私は、おじいさんに帯を貰ってもいのかと聞くと、短く「やる。持っていろ」と言われてしまった。おそらく、返しても受け取っては貰えないだろう。そう思った私は、素直に受け取ることにした。
 
食事も終わり、出ていこうとする私に、おばあさんがおにぎりとなけなしの食料を渡してくれた。さすがにこれは受け取れない。そういう私に、「もう私達は先が長くないから、少しでも若いあなたがこれを使いなさい」そう言って渡されると何も言えなくなっていた。おじいさんの方を見るが、早く持っていけと言わんばかりに見返されてしまった。この恩はいつか必ず返そう。そう心に決めて、私は老夫婦の家を後にした。

拠点近くの町にまで戻ってきた私は、様子がおかしい事に気がついた。どこか騒然としているのだ。不審に思った私は、近くにいた人に話を聞いてみることにした。町の人の話によると、食料庫の番をしていた男が、ゾンビを見かけたという話を聞き、食料庫に立て篭もってしまったらしい。その男は、元々ゾンビを怖がっていたらしく、こうなるのも仕方なかった事なのだろう。聞いた話を纏めていると銃声のようなものが聞こえた。慌てて向かってみると、食料庫となっていた倉庫の窓ガラスが割れ、人々が伏せていた。幸い、怪我人はいないようだ。倉庫内で男が何か喚いているが、この位置からではよく聞き取れない。
こういうゴタゴタは、町の人に任せておいた方がいい。踵を返し立ち去ろうとすると、肩を手で掴まれた。一体何かと思い振り返ると、一人の男が立っていた。
「お前武器を持っているな!?」そう言いながら私を揺さぶるその男は、正気を失っているように思えた。男の話では、武器を持っている私が立て篭もっている男を何とかしないといけないらしい。馬鹿馬鹿しい、心の底からそう思う。かと言って、この男を振り払うわけにも行かないだろう。ゾンビに襲われる恐怖の中でも、他人と争える人間という生物は、本当に愚かしいと思った。だが、見ず知らずの私に良くしてくれた老夫婦のような心優しい人々がいるのもまた事実な事を思い出し、仕方なくではあるが、男の説得を試みることに決めた。

 結論から言うと、説得は失敗だった。いや、失敗させられたという方が正しいだろうか。大人しくなった男を連れて、食料庫を出た途端、男に罵声を浴びせる声が突き刺さったのだ。罵声の主は、さっき私に説得を強要した男だった。立て篭もっていた男を散々罵倒し、男に銃を突きつけた狂った男は、一瞬のうちに宙に舞っていた。罵倒していた相手にふっ飛ばされるとは思わなかったのだろう。そして、立て篭もっていた男は、奪った銃をその男に向ける。その銃の引き金が引かれる直前、私は銃の前に立ち塞がっていた。自分でも、何故そんなことをしたのかは分からないが、今思い返すと、この男を人殺しにはしたくない、そう思ったのかもしれない。
 痛みは全く感じなかったが、急激に左足から力が抜けていく。どうやら、引き金を引く直前に、男が銃口を無意識に下げてくれたらしい。もしそうでなかったら。私はお腹を撃たれていたのだろうから。そうして立っていられなくなった私を見て、引き金を引いた男も、周りの人々でさえも驚いた顔をしていた。それはそうだろう。私自身、驚いていたのだから。その光景をみて、ふっ飛ばされた男はまた調子付いたが、すぐに町の人々に取り押さえられた。私は止血をされた後、病院に運び込まれ、左足の治療をされた。幸いにも弾は貫通していたらしく、比較的簡単な治療で済んだ。また、偶然ではあるが、この病院には破傷風のワクチンも置いてあったらしい。それを注射された私は、医師の絶対安静という言葉を半分聞き流していた。数時間病院で休んでいた私は、こっそりと抜け出し、町を後にする。

町のすぐ近くにあった高台に登った私は、その高台から地獄となった街並みを眺める。数年前まで平和に発展し続けていた町は、見る影もなく荒廃し続けている。さっき私が治療を受けた病院は町の外れのほうだったらしく、そこまで荒廃しているようには見えなかったのだが、高台から見ると、荒廃していることがよくわかった。ため息を1つこぼし、遠くの風景へと目をやると、奇妙な広場のある施設を発見した。ここからではよくわからないが、何かの離着陸場かもしれない。もしかしたら、この地獄から抜け出せるのではないか。そう思うと、地獄の風景に一筋の希望が見えたような気がした。

ようやく拠点に帰ってくることが出来た私は、そのまま倒れこむように布団代わりに使っている古びたマットレスに寝転んだ。病院を出た時はそこまで痛くなかった左足が、心臓の鼓動に合わせるように痛み続けているのだ。破傷風のワクチンを打たれた事も影響しているのかもしれない、急に熱っぽさを感じた私は、起き上がって水に手を伸ばす。勿体無いとは言っていられなかった。浴びるように水を飲んだ私は、再びマットレスに沈み込む。今日はもう寝たほうがいいだろう。そう思うまでもなく意識は眠ろうとしている。だが、身を灼くような左足の痛みが、安眠は許してくれそうになかった。昨晩の暖かい布団と老夫婦を恋しく思いながら、痛みに何度も呻きながら眠りについた。

航空母艦『白嶺』(疲労Max) @blackhakurei

【ゾンサバ日記】2015/5/16 HP:93 食糧:96 所持品:ライフル(【戦闘】ダメージ-2。最低1点)日本刀(【戦闘】ダメージ-2。最低1点) 状態:健康 #白嶺ゾンサバ日記

2015-05-16 06:38:36
航空母艦『白嶺』(疲労Max) @blackhakurei

今日の白嶺:【アクシデント】持てる者は常に持たざる者から妬まれる。餓死寸前の生存者たちが共謀して君を誘い出し、その隙に食糧を奪った! 食糧:-20(食糧90未満なら-10ですむ)。 shindanmaker.com/235938 ▂▅▇█▓▒░('ω')░▒▓█▇▅▂

2015-05-18 01:42:42
航空母艦『白嶺』(疲労Max) @blackhakurei

今日のハクレイ:【探索】廃屋に転がった死体のそばに手紙を見つけた。『彼の研究……家族を……だが何かが狂った……人類のため……「館」の中に残され……』かすれてよく読めない。食糧:-3 shindanmaker.com/235938

2015-05-18 01:43:07

マーアさんを助ける