【 #執務室はお茶の時間 その5】ネコの武器屋とシノビのブン屋、そしてうるさい料理人

蝦夷貂提督@お茶の相手は北上さま @green_teabreak

「じゃあ筍提督に返信するわ」 「よろしくにゃ！楽しみにしてるにゃ！」 「・・・・・・あ、ちょっと待て多摩」 小躍りしながら執務室を出ようとする多摩を、少し考えて呼び止めます #執務室はお茶の時間

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「退役したとはいえ無人軍用機を貰いっぱなしってのもアレだ、お返しに何か送ったほうがいいと思うんだが、多摩、なにがいいと思う？」 「にゃ・・・筍提督のところは兵器は充実してるにゃ、だからそれ以外の何かがいいと思うにゃけど・・・」 「ふむ・・・」 #執務室はお茶の時間

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「・・・生活用品とかか？」 「それもなんか微妙だにゃ・・・」 「食べ物とか？」 「だんだんお中元じみてきたにゃ」 悩んでる私と多摩ですが、そこで執務室のドアが音を立てて開かれました #執務室はお茶の時間

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「呼ばれて飛び出て隼鷹でーーっす！！！！」 「呼んでない」 「ヒャッハーーーー！！！」 「呼んでないにゃ」 #執務室はお茶の時間

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「お中元なら隼鷹に任せな！」 「お中元じゃないんだけどな」 「まあまあ！こんなのどうさ提督！」 人の話を聞かないことに定評のある隼鷹が持っている風呂敷から取り出したのは・・・ 「ローストビーフにソーセージ、生ハムまで！？」 「なんにゃこれは！」 #執務室はお茶の時間

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「おまっ、このご時世に牛肉とか！闇市か！闇市なのか！」 「人聞きわるいなぁー、ウチの肉に決まってんじゃん」 「本当かよ！こんな牛肉いまどき手に入らんぞ！」 「だから本当にウチのだって言ってんじゃん！！」 #執務室はお茶の時間

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「・・・・・・ちょっと待て隼鷹、今お前『ウチの肉』って言ったよな？」 「言ったよ？」 「まさかとは思うが・・・」 「あれ？提督知らなかったっけ？そうだよー、これ『隼鷹牧場』の牛肉」 「青葉アアア！！！そんな事実報告受けてないぞオオ！！青葉アアアア！！！」 #執務室はお茶の時間

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「ただの料理人と思って油断してた・・・」 「ちなみに農場も持ってるよ」 「もういい、牧場持ってんなら農場持ってるくらい予想できる」 「果樹園も持ってる」 「だろうな」 「魚の養殖場も」 「それは予想できなかった」 #執務室はお茶の時間

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ということで筍鎮守府には心ばかりのお礼として隼鷹ファーム印のローストビーフ、ソーセージ、ベーコン、生ハムを送ることになりました 「シャケとばも入れとくよ？提督」 シャケとばも追加されました #執務室はお茶の時間

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「それじゃ多摩、返信の手紙は書いたから、この手紙とその食べ物全部まとめて筍鎮守府に送ってくれ、なんか適当な輸送機あるだろ？」 「にゃ、任せるにゃ」 #執務室はお茶の時間

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「しかし隼鷹お前・・・そんな壮大な一次産業施設どうやって作ったんだよ・・・」 「あー、この鎮守府の周りって広い割になにも無いじゃない？勿体無いなーと思ったから業者呼んで造成して作っちゃったのさ！あははははは！」 「業者通してたのかよ・・・」 #執務室はお茶の時間

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「ま、あたしも商船改造空母な訳だし？料理作るんなら食材から、ってね！・・・・・・あ、もしかしてダメだったかな提督？」 「・・・」 「提督？」 「・・・羊は」 「ん？」 「羊は飼育してるか」 「してるけど・・・」 「品種は」 「サフォーク」 「よし許す！！」 #執務室はお茶の時間

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「えーっと？隼鷹牧場と？」 「おうさ」 「隼鷹農場と隼鷹養殖場？」 「それと隼鷹果樹園だね！それがあたしの運営してる施設さ！」 「・・・お前さ、一応艦娘だよな？」 「そうだけど？」 「・・・いや、いいわ、聞くだけアホらしい」 #執務室はお茶の時間

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「なにさ！なんか文句あるわけ？」 「いや別に文句じゃないけど」 「てやんでい！こちとら練度上げまくって改ニにまでなってんだ！ちゃーんと本業のほうもしっかりやってんだから安心しなよ！」 「確かにお前ってウチの軽空母の中じゃトップだけどな・・・」 #執務室はお茶の時間

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「でも本業どうこう以前によ、そんな四つも施設抱えて1人で回せるわけねぇだろ、工場とかならいざ知らず農園なんて天候で毎日コンディション変わるんだからよ」 「その点もご安心を、日頃の作業は妖精さんに手伝ってもらってるがゆえに」 「よーし軍法会議だなー」 #執務室はお茶の時間

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「提督！そんなご無体な！」 「やかましい！私用で妖精使いまくってるとか軍規違反以前の問題だボケ！そもそも建造やら艤装の整備しかできない妖精にどうやってそんなことさせたんだよ！」 「収穫の1割を回すって言ったら快く引き受けてくれたけど」 「うわぁやり手」 #執務室はお茶の時間

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「ウチの主力艦艇ってロクに艤装使わないじゃない？だから妖精さんが暇で暇で仕方ないって嘆いててさ、そんならウチの農場とか養殖場を手伝ってよーってね、妖精さん喜んでやってくれてるよ」 「やなギブアンドテイクだな・・・」 #執務室はお茶の時間

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「で、給料代わりに現物支給で収穫物渡してるってか」 「そうだねー」 「残りはお前が自分の小料理屋で使ってる、と」 「いや？全部じゃないよ？」 「なるほどね・・・・・・・・・は？」 #執務室はお茶の時間

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「ウチの店だけで使うには多すぎるからさ」 「まて、それ以上言うな」 「パッケージングして」 「聞きたくない、やめろ」 「よその飲食店向けに」 「もういい許して」 「卸してるんだよね」 「あーーーーあーーーーあーーーー聞こえなーーーーーーい」 #執務室はお茶の時間

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「・・・ってことはつまりアレか、生産と加工と卸しを全部自分のとこでやってるってことか」 「ま、そういうことになるね」 「自給自足とかそういうレベルじゃねぇな・・・もはや企業じゃねぇかそれ」 「あ、年収聞く？」 「それは冗談抜きで聞きたくないからやめろ」 #執務室はお茶の時間