ニンジャスレイヤー二次創作【ノーリプレイ・イズ・ベスト】

5月26日の忍ドロにて公開されたお題「アースクエイク」「ヒュージシュリケン」から着想を得て書かれた二次創作です。忍ドロ遅刻な
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したい(with 緑のスライム) @shitaingman

●これからテキストカラテを放流します● ●昨夜の忍ドロお題の、遅刻作品という扱いです● ●まとめ用タグとして #4tytk を使用します。五月蝿いと思われたらミュートな● ●やるぞ●

2015-05-27 17:02:36
したい(with 緑のスライム) @shitaingman

トコロザワ・ピラーのザゼンルームは、通常のそれよりも遥かに広い作りとなっている。タタミ数百枚分が敷き詰められる広大なゼン空間はまるでドージョー、もしくは野球場に例えられる代物だ。その中心にザゼンする男は巨躯。このザゼンルームの3分の2を彼の肉体一つが占領している 1 #4tytk

2015-05-27 17:06:40
したい(with 緑のスライム) @shitaingman

彼の名はアースクエイク。ソウカイ・シックスゲイツの6人に名を連ねるビッグニンジャだ。彼のように常人を遥か上回る肉体を持つ者にとって、このような奥行きあるザゼンルームは貴重であった。彼はその巨体の持つアトモスフィアに対して思慮深く、時にこのようなザゼンを好んだ 2 #4tytk

2015-05-27 17:08:17
したい(with 緑のスライム) @shitaingman

「またザゼンしてやがるぜ、アースめ。図体のわりに落ち着いた野郎だぜ」ザゼンルームの外よりアースクエイクを覗くニンジャもまた、巨大なシルエットを持つ者だ。その背に背負う恐るべき大スリケンは、彼の肉体を想像以上に大きく見せる事だろう。ヒュージシュリケンこそが彼の名だ 3 #4tytk

2015-05-27 17:10:00
したい(with 緑のスライム) @shitaingman

アースクエイクの落ち着き払ったザゼンに対して、ヒュージシュリケンの精神状態はバリキめいた興奮状態にあった。トレーニングルームにて数十体のクローンヤクザを大スリケンで斬首し、あえて残した一体を独創的な拷問を以て嬲り殺してきた為だ。その目は血走り残虐に光り輝いていた 4 #4tytk

2015-05-27 17:12:04
したい(with 緑のスライム) @shitaingman

ガーゴイルの死、そしてヘルカイトのシックスゲイツ昇格の報。ソウカイニンジャ全体に響き渡る激震である。マルノウチ抗争を越えてさえ不変であったシックスゲイツの地位が入れ替わる事態に誰もが動揺を隠せなかった。ヒュージシュリケンも同様だ。彼は特にヘルカイトの躍進を訝しむ 5 #4tytk

2015-05-27 17:14:02
したい(with 緑のスライム) @shitaingman

(奴は……ヘルカイトは、ガーゴイルを罠に嵌め殺したのではないのか。己がシックスゲイツの後釜に納まる為に……)その疑念が、ヒュージシュリケンの脳内から離れないでいる。ソウカイヤの屋根の下に己の寝首を掻こうとする輩がいると思うと、殺意に対して敏感にならざるを得ない 6 #4tytk

2015-05-27 17:16:04
したい(with 緑のスライム) @shitaingman

(お前は何を考えてやがる、アース。確かにお前は強い。シックスゲイツ随一のカラテを持つ。それ故の余裕か?お前は何も変わらないのか?)アースクエイクは動かない。ザゼンの姿勢を崩さぬまま、ローマ彫像めいて沈黙するばかりだ。ヒュージシュリケンは苛立ち大スリケンを構えた 7 #4tytk

2015-05-27 17:18:16
したい(with 緑のスライム) @shitaingman

明らかにバリキ症状めいた場当たり的蛮行!ヒュージシュリケンにとっても恐らく本意ではない。だが彼の中に燃え上がる殺意は行き場を失い暴走しつつあった。(カラテではお前には敵うまい。だが俺にはこの大スリケンがある。そのザゼンの姿勢で、このスリケンを避けられるか……?) 8 #4tytk

2015-05-27 17:20:36
したい(with 緑のスライム) @shitaingman

アースクエイクは巨木めいて動かない。己がこれほど殺気を伝えても。尚更怒りが込み上げる。今のヒュージシュリケンを一般人が直視すれば、たちまち重篤なNRSを発症し死に至るであろう!大スリケンを握る手に力が篭り、右手に縄めいた筋肉が浮かぶ。殺意がザゼンルームに充満する!9 #4tytk

2015-05-27 17:22:27
したい(with 緑のスライム) @shitaingman

……ヒュージシュリケンは構えを解いた。アースクエイクは彼の殺意をヤナギめいて全て受け流していると、ニンジャ第六感で悟ったのだ。その無常さは己が如何に愚かな衝動的行為に出ているかという事を強く実感させた。そして、ヒュージシュリケンの横より迫る新たなニンジャ存在も 10 #4tytk

2015-05-27 17:24:46
したい(with 緑のスライム) @shitaingman

「ドーモ、ヒュージシュリケン=サン。何を馬鹿な事をしでかそうとしている」ミラーめいたニンジャ装束に身を包む男は、静かな威圧感を以てアイサツを繰り出した。「ドーモ、ゲイトキーパー=サン。ただの戯れだ、気にするな」大スリケンを戻しながら彼は強気にアイサツを返した 11 #4tytk

2015-05-27 17:27:07
したい(with 緑のスライム) @shitaingman

「……仮にその大スリケンを投げたとして、奴の首をストライクする事は出来ないだろうな」ゲイトキーパーは冷静で且つ冷淡に断言した。その言葉に収めたはずの殺気が再び膨らむ。「どういう事だ……俺の大スリケンを舐めているのか」「そうとは言ってない。君だけの話でもない」12 #4tytk

2015-05-27 17:29:08
したい(with 緑のスライム) @shitaingman

「何……?」「私とて今の彼にアンブッシュは不可能であろう。奴の沈黙思考は己への没入を意味しない。フーリンカザンを練る仙人めいて奴は全てを観測し、己の取るべき道を思い描く。恐らく君の殺意にさえ思考を巡らしていただろう。油断の少ない男だ」アースクエイクは動かない 13 #4tytk

2015-05-27 17:31:10
したい(with 緑のスライム) @shitaingman

「昔からそうなのだ。シックスゲイツ創設期、奴は最前線で己のカラテを振るいながらも、ゼンめいた姿勢を……」淡々と語られるゲイトキーパーの言葉に耳を傾けながら、ヒュージシュリケンはアースクエイクのザゼンする肉体、その細部に目が行った。彼のより深いところが見えてくる 14 #4tytk

2015-05-27 17:33:31
したい(with 緑のスライム) @shitaingman

もはやヒュージシュリケンの目にバリキ中毒者めいた興奮はない。ザゼンの境地めいて、アースクエイクの充実を事細かに感じ取れるようになっていた。整った姿勢、呼吸、そして筋肉の程よい脱力まで。ゲイトキーパーは彼の陶酔を横目に話を打ち切り、その場を静かに去っていった 15 #4tytk

2015-05-27 17:35:29
したい(with 緑のスライム) @shitaingman

暫くそうしていたのだろうか。ヒュージシュリケンは時間の感覚を取り戻す。既にアースクエイクはザゼンの姿勢を崩し、ヒュージシュリケンの方へ向き直っているではないか。「ヒュージよ。お前は本当にサディストな男だ。お前の大スリケンで狙われた時はヘイキンテキが崩れかけたぞ」16 #4tytk

2015-05-27 17:37:06
したい(with 緑のスライム) @shitaingman

その言葉にヒュージシュリケンは、嬉しそうににやけた。奥ゆかしくザゼンルームへと入室し、そのままアグラ・メディテーションを開始する。「馬鹿め。オショウめいてお前のザゼンを試してみたのよ……何を考えていた、アースよ」「これまでの己を、これからの我らを。執るべき道を」17 #4tytk

2015-05-27 17:40:47
したい(with 緑のスライム) @shitaingman

ヒュージシュリケンは言葉を返さず、目を閉じ、それ以上は一言も口にしなかった。ゼンめいたアトモスフィアがルーム全体に満ちた事を悟ったアースクエイクは、彼に気取られぬよう奥ゆかしく退出した。良き時間を過ごせたのか、その表情は柔らかかった 18 #4tytk

2015-05-27 17:43:27
したい(with 緑のスライム) @shitaingman

【ノーリプレイ・イズ・ベスト】終わり 【シックスゲイツ・ファースト・シックス】へと戻る #4tytk

2015-05-27 17:45:02

●#4tytkメモ●

・アースククエイクがデカさが何故かシヨン基準である。深く考えぬままタイピングを進めてしまった為、シヨンの衝撃的ビジュアルに引っ張られた形となった。実際は2m50センチくらいだったと思われる

・ヒュージシュリケンはゲイだ

・このエピソードの裏では「ジ・アイズ・スティル・アライブ」が同時進行めいて流れている。シックスゲイツ全体がガーゴイルの死に動揺し、各々が行動を起こしている。ダイダロス?奴は恐らく平常運転だ

・アースクエイクが何を考え、何を振り返っていたか、それは「シックスゲイツ・ファースト・シックス」にて描かれるだろう。放送は未定

・ここまで読んでくださった方、本当にありがとうございました