全米UFO論争史の個人的まとめ、感想
- penpal_pfm
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だか、大きな課題が残された。それは、直接的な脅威にならないとしても、52年ウェーブは軍の機能を麻痺させるほどの影響力を持っていたからだ。この事実がソ連に知れれば、ある種の情報戦を仕掛けてくる可能性がある。またソ連でなくても、軍がUFOによりパニックする事は避けなければならない
2015-05-30 01:22:34そして52年のウェーブが、ブルーブックがある意味「まともに調査・活動したこと」によってパニックを引き起こされたとして、これに対処する為ブルーブックを調査組織からUFOパニックを起こさせない為の広報機関とする。そしてルッペルトもブルーブックを去り、規模は大きく縮小されることになる
2015-05-30 01:32:07しかし、これがまたひとつの「エラー」だった。世間の騒ぎを鎮める為にUFO情報を厳格な機密下に置くことにし、否定的な見解ばかりするようになったブルーブックの活動は、やがてキーホーなどによって「軍はUFOについて何かを知っていて隠している」のだという陰謀論を産むことになるのだ。
2015-05-30 01:34:19ロバートソン査問会についてピーブルズはどう書いてるか読み返す。実際この本の前半は全米UFO論争史の情報をかなり参考にしていると思うんだけど、参考文献にないんだな……というか、そもそも普通巻末にある参考文献リストがないのか
2015-05-30 11:51:58全米UFO論争史は「コンタクティとUFOマニア」。ここに1955年に『Secret of the Saucers』という本を出版したオルフィオ・アンジェルッチというコンタクティがでてくる。彼はUFOの中で宗教的な体験をし、またキリストとも会見したと語っている。翻訳ないだろうなあ
2015-06-01 08:55:49第5章 コンタクティとUFOマニア
http://www.sspc.jpn.org/ufo/book/ufobook006/ufobook0060105.html
52年UFOウェーブの熱狂、それによりUFOが大衆に与える影響と危険性を認知したブルーブックの方向変換――全米UFO論争史の5章は、その同時期に徐々に影響力を増していったコンタクティのこと。また53年までのUFOを取り込んだメディア状況について。この章は他より考察が多く興味深い
2015-06-01 09:56:05『全米UFO論争史』は、その出版元で、本書に登場する人物bit.ly/TaAwvt また、本書で取り上げた書籍一覧bit.ly/1BADbne まで挙げられており、とてもありがたい
2015-06-01 10:19:54だからマイナーな人だと探すのが面倒な名前のスペルもすぐわかる。オルフィオ・アンジェルッチは「Orfeo M Angelucci」だね pic.twitter.com/QB6rdaYoPS
2015-06-01 10:20:22ポップカルチャーとしてのUFOアイテムを蒐集しているサイト「UFOPOP」。随分前に見た時は本しかなかった(?)のに、今見たら漫画、雑誌、広告、玩具まで範囲を広めてて、充実っプリがハンパないufopop.org pic.twitter.com/AXU4joVqUj
2015-06-01 13:28:57コンタクティは体験を調査機関に報告する事なく独自に書籍や講演会でその体験と思想を広げて行くという意味で、新しいタイプの存在だった。アダムスキーが先鞭を切り続々登場する類型たち。その存在はUFOに対して嘲笑の目を向けさせることになるが、それはある意味空軍の思惑を支援する事にもなった
2015-06-01 21:37:58コンタクティ思想は、冷戦下において特定のイデオロギーに染まらないで理想や信念を語る事ができるフォーマットとして機能する。それは宗教的にも同じ事が言える。彼らにとってキリストは賛美する存在ではなく、コンタクティと同じ宇宙人のメッセンジャー、または宇宙人そのものであるとされたからだ。
2015-06-01 21:39:07そして、このコンタクティによるキリストの解釈は、特定の宗教に加担した宗教的なものであるとする批判をかわしつつ、キリストが神の使命を受けた者であるのとコンタクティが同等の立場にあるとすることで、多分にキリスト教的でもあり得たわけである。
2015-06-01 21:42:05この時期、UFOに関心がある一般の人は、キーホーなどの真剣なUFO調査とコンタクティの主張を区別できなかった(今も同じ様なもんだ)。面白いデータがある。雑誌でUFOの分野の権威を投票した結果、一位キーホー、次にアダムスキ、スカリー、フライと続いていたという
2015-06-01 21:43:24コンタクティは様々なメディアに取り上げられ、そのセンセーショナルな主張は質の良い娯楽を提供、市場として成長し、50年代半ばには150以上のそれを支持する団体が組織される。それはUFOを真剣に調査する団体への関心を減少させ、一時的に嘲笑を含むUFOへの関心を独占する
2015-06-01 21:49:00第6章 1954~1958年 ── NICAPの台頭
http://www.sspc.jpn.org/ufo/book/ufobook006/ufobook0060106.html
『全米UFO論争史』の6章は54〜58年の出来事。これまで民間のUFO調査団体として力を持っていたのは52年にロレンゼン夫妻により発足されたARPOだったが、そこにキーホーの後ろ盾を得て発足し、やがて全米最大規模にまで成長することになるNICAPが加わる事になる
2015-06-02 09:01:18僕も必要なとこだけザッと読んでそのまま長らく放置してました。邦訳はとにかく文字組がハンパなく読みズラい。これに慣れるまでが一苦労 twitter.com/macht0412/stat…
2015-06-02 09:19:43うーむ、邦訳本買っときゃよかったなあー。原著はあるんだが、「あ、幽霊飛行船から始めんのか」「真面目な本だ」と思った記憶しかない(笑)。そして、もはやめくってみる気力がない(笑) twitter.com/penpal_pfm/sta…
2015-06-02 09:15:39コンタクティの台頭におけるエラーについて考えてみよう。その出現自体をエラーと考えることは無論容易だ。しかし逆に冷戦下における共通の不安の受け皿として必然だったと考えることもできる。ただ、それだけの理由ならばコンタクティは亜流としてもっと規模が小さくてもよかったはずだ。
2015-06-02 09:32:59むしろエラーは空軍によるUFOの調査を実質ストップさせたロバートソン査問会であるはずだ。本来ならばコンタクティを批判する立場であるはずのブルーブックは、コンタクティの荒唐無稽な主張によってUFOが脅威や不安から嘲笑の的になることを、支持しないまでも望む組織と化していたからだ。
2015-06-02 09:34:33軍の敵はコンタクティではなくキーホーらだった。それによってコンタクティは活動の場を広げることができてしまう。だからといってそのままルッペルト路線で調査を続行するという判断は国家として不可能だったに違いない。そしてこのパターンは60年代終わりに再度繰り返されることになる
2015-06-02 09:35:58『全米UFO論争史』は、UFOに対する「嘲笑」についてもっと考えながら読んでおけばよかったと少し後悔。そもそも「空飛ぶ皿(FlyingSaucer)」という呼び名は多分に嘲笑的であり、UFOの歴史はそこから逸脱しようとする振る舞いの記録に思える。
2015-06-02 10:58:1354年、ルッペルトが去り、もはや民間から上がってくるUFO目撃報告を減らすことのみに注力するブルーブック。それは52年のワシントン事件のようなパニックを再発させないためだ。その裏でキーホーは空軍はUFOに関する重大な事実を隠しているという疑念を強くする。
2015-06-03 10:10:10