とある夜の断片　(エピローグ)

(本音がダダ漏れな)大倶利伽羅・極 @honne_kuricara

光忠：…倶利ちゃん。 倶利伽羅：あぁ…分かっている(返事だったな) 光忠：…急かすようでごめんね。…なんか、格好悪いね。もっとスマートに行きたかったんだけれどな 倶利伽羅：…そんなことはない(格好がつかないのは俺の方だ。駄々っ子のような真似をした後だぞ) 光忠：ふふ、ありがとう

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光忠：今日は綺麗な三日月だね 鶴丸：夜桜とはまたおつなもんだな。あえての三日月だなんて、俺達の為に浮かんでいるみたいじゃないか 倶利伽羅：…何も今日すぐに花見する必要はなかったんだが(しかもこれは人工的な桜だろう) 鶴丸：思い立ったが吉日さ

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倶利伽羅：…正直、良く分からない。(意味がわからないんじゃないからな。ちゃんとあんたが言った事は理解しているつもりだ)…ただ、そんな目で見たことがなかった(あんたも国永も、俺にとっては大切な、家族のようなものだ。…面と向かっては照れくさくて言えないがな) 光忠：うん

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倶利伽羅：…だから、いきなり好きだと言われたところで、分からないとしか返しようがない(あんたとどうこうなりたいかと言われても、全く想像ができない)…すまない 光忠：うん、大丈夫だよ、わかってたからね。だから僕もずっと黙っていたんだし 倶利伽羅：…だが、その………嫌では、ない

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倶利伽羅：…別に嫌ではないからな…(…正直嬉しかった) 光忠：…それは期待してもいいって事なのかな 倶利伽羅：さあな。勝手に期待でも何でもすればいい(…あんたにそう言われたから、俺もこれからあんたをそういう目で見るからな。…その結果どうなるかなんて、まだ分からないだろう)

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光忠：…ふふ、やっぱり倶利ちゃんは優しいね 倶利伽羅：…何を言い出すんだ(俺は真面目に答えているんだが) 光忠：ちゃんと答えてくれてありがとう。それだけ真面目に考えてくれるなら、僕も頑張らないとね。…もう遠慮はしないからね。覚悟しておいてね 倶利伽羅：勝手にしろ

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鶴丸：いやいや、真面目な話に耐えられなくなってきたぜ。もういいか？ 光忠：あっ、鶴丸さん先に飲まないでよ 鶴丸：気を遣って一人酒飲んで黙っていてやったんだが 倶利伽羅：それにしては黙っていたの短かったな(俺が言えたことではないがもう少し気を遣え) 鶴丸：年寄りはせっかちなもんでな

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鶴丸：まあなんだ、花見がしたかったんだろう倶利坊、せっかくの料理が冷めてしまうぞ 光忠：ああそうだったね、僕もせっかくなら温かいうちに食べて欲しいし、そろそろ乾杯しようか 倶利伽羅：(既に一人飲んでるやつがいるがな)…あぁ

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光忠：…速攻で潰れちゃったね 鶴丸：…まあ、気が抜けたんだろう。ずっと思い詰めていたんだろうからな。…君は大丈夫なのか？ 光忠：…さすがに一杯で潰れたりしないよ、少し気分はいいけれどね 鶴丸：そりゃ何よりだ。酔えないなんて言っていたのが懐かしいな 光忠：ふふ、そうだね

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鶴丸：…なあ光忠、倶利坊の言葉で思い出したよ。昔な、俺が伊達に行ったばかりの頃、桜が見たいと倶利坊に言われた事があったんだ 光忠：へえ 鶴丸：…友人と、花見をしようと約束したけれど、果たせなかったからと。だから俺と花見をして、次にその友人に会えたら、話して聞かせてやるんだと

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光忠：…僕もね、思い出したよ。今日みたいな三日月の綺麗な夜にね、いつか花見をしようって約束していたんだ。…刀の僕らができるわけないって倶利ちゃんは言っていたけど、ずっと覚えていてくれたんだね 鶴丸：拠り所だったんだろうな。ここだけの話、その友人とやらを少し羨ましく思っていたんだぜ

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鶴丸：俺が行った時の倶利坊は、いつもどこか寂しそうでな。いない友人の面影を探しているのが痛々しくて見ていられなかった。結局、自分も同じように倶利坊を置いていく事になるとは思ってもみなかったがな。 光忠：…仕方ないよ、僕らは自分で居場所を決められない 鶴丸：あぁ

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鶴丸：仕方ない事だ。それを倶利坊もわかっていたから、別れる時何も言わなかったんだろうな…倶利坊の本音が漏れているのも、そのせいだろう 光忠：言ってたもんね。あの時行かないでって言えたら何か変わったのかって。 鶴丸：不器用な奴だからな

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鶴丸：俺たち以外の連中が、聞こえるのに数日かかったというのも、恐らくそういうことだろう 光忠：仕方ないって分かっていても、本音が伝わればいいのにって思えるくらい、倶利ちゃんにとって、ここの皆は大切なんだね 鶴丸：馴れ合わないなんて言っておいて、人一倍周りを大切にするからな

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鶴丸：まあ無意識だろうからな。本人には黙っているが 光忠：そうだね、逆に意識的な事ならそれこそ驚きだよ 鶴丸：おっと、台詞をとられてしまったな。…まあなんだ、俺は君達には幸せになってもらいたいと思っている。 光忠：どうしたんだい改まって

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鶴丸：なあ光忠、君もだいぶ良い顔をするようになったじゃないか。織田にいた頃は、俺は君と会っていたような気も、そうでなかった気もするが、今の君みたいな光忠には会っていなかったぜ。光忠はたくさんいたが、そんな風に笑う光忠には会わなかった 光忠：…そうかもしれないね

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鶴丸：俺はな、倶利坊は大事だが、君も同じくらい大切に思っているんだがな。倶利坊にとって俺や君が大切なように、俺にとっても君たちは大切なんだ。君らは驚かしがいがあるからな 光忠：ふふ、そこなの 鶴丸：大事なことだぜ？驚きは俺にとって生き甲斐だからな

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鶴丸：だからまあなんだ、応援してるぞ。精々格好よく決めて、俺を驚かせてくれ 光忠：ふふ、酔ってるのかい？ 鶴丸：そうかもしれんな 光忠：珍しいね。…でも、ありがとう。期待には、格好よく応えたいよね

(本音がダダ漏れな)大倶利伽羅・極 @honne_kuricara

倶利伽羅：…んん(光忠、国永) 光忠：寝ぼけてるのかい？そんなに裾掴まなくても、僕らはここにいるよ 鶴丸：やれやれ、花見をしたいと言い出したのは倶利坊なんだがな、風邪ひかせる前にさっさと部屋に戻るとするか 光忠：お花見なら、いつでもできるしね。 鶴丸：必要なものは揃っているからな

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光忠：名残惜しい位綺麗な三日月だね 鶴丸：そういえば、以前君に花札で負けてしまった借りがあったな。部屋に戻ったら雪辱戦を受けてみる気はないかい 光忠：いいね、それじゃあ、僕が勝ったら、庭の落とし穴を埋めてもらおうかな 鶴丸：おっと、なんのことだ 光忠：どんなにとぼけても無駄だよ