- cookumaneko
- 1533
- 0
- 0
- 0
環状線を回り、もう何度目かもわからない駅に停まる。事の始まりは数時間前、クーラーの効いた所に行きたいという降旗くんの発言だった。クーラー代が勿体ないからと逃げ込んだのは電車内。涼しいと笑った彼は、今や俺の肩に頭を乗せて眠っている。暑いと言っていたくせに引っ付く姿に、笑みが零れた。
2015-06-18 01:37:39料理中、指を少し深く切った。ただ、それだけ。雷獣たちのように戦闘で怪我をしたのではないし、それに比べても随分小さなものなのに。「ユン、平気?」「手はあまり動かさない方が良いな」「痛みが酷くなったら言うんだよ?」次々とかけられる言葉に心配性だと溜息をつけば、当然のことだと返された。
2015-06-19 02:45:42「緑龍、腹減ったー」のんびりとそう言い、ゼノ君が背中にのしかかる。ユン君におにぎりを貰っていたことを思い出し取り出そうと鞄へ手を伸ばせば、ゼノ君がそれを阻止する。「ゼノが食べたいの、緑龍のごはんだから」そう言い少しだけ頬を赤らめるゼノ君に、僕は喜んで、と手の甲にキスをした。
2015-06-20 00:23:01「鼓動の回数って決まってるんだって」ふと呟かれた言葉に首を傾げれば、ゼノは続ける。「好きな人にドキドキする度、命が減ってるってことだから。好きすぎて死んじゃうから」「でも、ゼノは死なないんでしょ?」そう返すと、ゼノはにたりと笑った。「だから、安心してゼノをもっとドキドキさせて?」
2015-06-21 00:58:25空を見上げ、ふと思い出す。『あんなチャラい奴に言い寄られて大変だな』と言われたときのこと。ふざけるなと思うより先に身体が動いていた。手加減なんてしない、会心の一撃だ。その記憶にふふ、と笑えば、隣の浦島が首を傾げる。「良いことでもあった?」「んー、秘密」「えー」今日も本丸は平和だ。
2015-06-22 00:14:40風になびく綺麗な桃色の髪を遠くから眺める。縁側に座り涼んでいる姿は、まるで一枚の絵のようで。ごくりと息をのめば、その音が聞こえたかのように乱ちゃんがこちらを向いた。ばちりと視線が合い、乱ちゃんの口元があがる。そして。「僕と、乱れたいの?」その笑みに、くらりと眩暈がした。
2015-06-23 00:35:07誰かが死に、世界がループする。そう気付いたのはもうずっと前のことだ。必ず、誰かが死ぬ。そうしてまた、その日の朝に戻る。何回繰り返したかもわからない今日という日に、俺は同じ朝餉を作ることにしていた。くるくると匙を回し、椀に移す。今度こそは誰も死なないようにと願いを込めて。
2015-06-23 00:58:55140字SS、一応ユン君。必ず誰かが死に、それをきっかけに世界がくるくる無限ループするよっていうトンデモ設定。お蔵入りするネタのつもりだったんだけど、勿体ない精神発動しちゃってちょっとだけ。
2015-06-23 01:00:47今日も今日とてパソコンを開き、ネット掲示板へとアクセスする。スレッド一覧を流し見していると、ふとあるスレタイが目に留まった。「なにこれ、馬鹿じゃない?」安易なタイトルに溜め息をつくも、対照的に涙が零れる。ああ、やっと、見付けた。 スレタイ:『自称天才美少年を探しているんだが』
2015-06-23 16:16:311日1つ140字SS!この時間に流すのは初めてだわ外明るい。現パロ転生ユン君。転生したのは良いけど誰も居なくて、腹へりたちを探すために日々ネサフするユン君。他の6人はもうお互いを見付けてて、6人が立てたスレをユン君がやっと見付けたよって話。わかりづらいね!
2015-06-23 16:19:21夜の屋上、日向くんと空を見上げる。涼しい風に目を細めた時、日向くんがぽつりと溢した。「月が綺麗だな」「あら、漱石?」「え?」どうやら偶然だったようで、日向くんらしいと心中で笑う。「私、死んでもいいわ」知らぬならとそう言えば「もう死んでるだろ?」と返され、今度こそ声をあげて笑った。
2015-06-24 22:03:24零れたタネと具、ひっくり返そうとした後がある無惨なたこ焼きの筈のもの。皆を正座させ、その前に仁王立ちする。「飲み物を買いに行った間に何があったわけ」「白蛇が悪い」「なっ!」「タコ美味しかったから~」反省の色を全く見せない珍獣たちに、たこパはもうしないと決意したのは言うまでもない。
2015-06-26 02:09:30ユンを起こさないように近付く。薬草を採る途中で眠ってしまったらしい。隣に座り、小さな手を取る。給仕のせいか少しかさついているその手は、俺たちを何度も救ってくれた。俺の、この命も。「ありがとな、ユン」この優しい少年を、誰にも傷付けさせない。その意も籠め、手の甲にそっと唇を落とした。
2015-06-27 09:41:56昨日寝落ちした分の1日1つ140字SS!ハクユン!!ハクユンは私の中で、ヨナCP1位2位を争う好きCPだったり。ハクは絶対ユン君に恩義を感じてると思うんだ。それを返すために必ず守るって決意してるとか…素敵やん?
2015-06-27 09:44:51図書当番、隣に座る降旗くんを見る。本に夢中になっている彼は視線に気付く気配もなく、それを良いことに髪や手、特徴的な三白眼を観察していると、流石に見過ぎたのか、ふとこちらを向いた。「どうした?」「いえ、可愛いなと」「なっ」恥ずかしさに本で顔を隠す彼が愛しくて、ボクはそっと微笑んだ。
2015-06-28 01:57:53ここ最近、ずっとヘンデが俺のことを『テウ様』と呼んでくる。様付けをされるのが嫌で何度も注意するのだが、全く聞く耳を持たず、笑いながらまたテウ様と繰り返すのだ。それなのに。「テウ、好きだよ」愛の言葉をはくときだけ必ず呼び捨てなのだから堪らない。ああ、今日もコイツの罠に嵌まっていく。
2015-06-30 02:43:441日1つ140字SS!ヘンテウ祭に便乗してヘンテウにしてみたけれど、あくまで練習用の140字SSで企画用ではないのでタグはつけない。ヘンデが様をつけるのはギャップを演出するための策で、テウもそれに気付いているけれどあえて指摘はしないという関係。ヘンデは意外と策士なんじゃないかな!
2015-06-30 02:46:48