天秤と盤上遊戯

💤赤色るべら💤 @a_rubra

唯唯、重苦しい程の心理戦ロールがしたい。

U @ebleco

よかろう。

💤赤色るべら💤 @a_rubra

ふむ。

U @ebleco

やっぱり『心理戦』っていうのは『立場の違い』が明確であってこそ映えるものよね。

💤赤色るべら💤 @a_rubra

@sousakuTL 「さてさて、さてはて。　言葉に遊ぶも一興、心戯るもまた一興───…なれば御題をひとつ、出して語ると致しましょうか。 　貴方の考える『愛』とは、何ぞや？」

U @ebleco

@sousakuTL 「……『愛』。成程、成程。なれば応えよう。『愛』とは『心臓と天秤』。……詰まる所、この部屋の外側に、僕か、君か、何方が出られるかという話だ」

💤赤色るべら💤 @a_rubra

@sousakuTL 「嗚呼これはまた心に堪える答えを出して来ましたね。　皿が片方に傾くなれば、もう片側は必然、軽んじられる。　どちらの心臓が、より重いのでしょう？　外と内、どちらをより望むのか───……ミスタ、貴方のご希望から伺っても宜しいか」

U @ebleco

@sousakuTL 「……知れた事。『君が外に出る』べきだ。僕の天秤は、君の心臓の方が重い。君の答えも、きっと知れた事なのだろうね。だから問おう。君の考える、『愛』とは何ぞと」

💤赤色るべら💤 @a_rubra

@sousakuTL 「……云うと思った。そして私の天秤の皿の比重は、声にせずとも、貴方はご存知なのでしょう？　嗚呼、私の考える『愛』でしたね。　私にとって、それは心臓を乗せた両の皿を繋ぐ『腕』です。すなわち──どうやったら、片方だけが残らずに済むんでしょうね」

U @ebleco

@sousakuTL 「……釣り合う事しかしない天秤は、用を成さないよ。『天秤』というものは、『寸分の狂いも無く軽い方を持ち上げる』から、天秤で居られるんだ。両腕が水平を示す為には、『何も乗せない』か、『釣り合い続ける』しかない。そして、僕は永劫『君の心臓を乗せ続ける』だろう」

💤赤色るべら💤 @a_rubra

@sousakuTL 「おや、然様で御座いますか。両者の比重が等しからぬ時も、傾く所は似ているかと思ったのですがね。　今はまだ、両者が居るから釣り合っているけれど。　……嗚呼────そうですね。　ねぇミスタ、私が貴方を残して部屋を出ても、心臓の天秤は釣り合ってしまいますよ」

U @ebleco

@sousakuTL 「君が居なくなった部屋で天秤が釣り合うと言うのなら、きっと僕の心臓の重さは無くなるんだろう。けどね、君には『僕の心臓』は連れて行けない。そういうルールなんだ。髪の一房でも、指一本でも、些細な記憶ひとつでも。……どう足掻いても、『出られるのは一人だけ』だ」

💤赤色るべら💤 @a_rubra

@sousakuTL 「貴方はきっと、部屋から出ては下さらないのでしょうね。　私が部屋を出た瞬間、貴方の心臓の重さはおろか、その姿かたちも失われてしまうことも、よしとしているから。　……そして私が外に出た瞬間に、この心臓は止まるんだ。　ほら、皿は乗せる物を失い万々歳、ですよ」

U @ebleco

@sousakuTL 「君の心臓は止まらない。君は僕なんて居なかった世界で生き続ける。言っただろう？　僕は永劫『君の心臓の重さを乗せ続ける』。それが重さの無いものだとしても、空の器から空の器に乗せ続ける。――――嗚呼、然り。僕は、それで満足だ。……だから、出て行ってくれ」

💤赤色るべら💤 @a_rubra

@sousakuTL 「それこそ、死んでいるのと変わらないじゃありませんか。　心臓の無くなった身を残して置いて、何の意味がありますか。　貴方は何処にも居なくなって、私も何処からも居なくなって？　──いいえ、貴方を消すなんて赦さない。　一歩たりとも、外になんて出てやりませんからね」

U @ebleco

@sousakuTL 「……全く。聞き分けのない御方だ、君は。…………なぁ、レディ、頼むよ。こんな事、もう長くは続かない事くらい、君も解っているだろう？」

💤赤色るべら💤 @a_rubra

@sousakuTL 「どちらかの聞き分けが良かったら、颯爽と部屋を出て居たに違いないでしょうとも。　ええそうです分かっています判ってるけど解りたくありません。　けれどもだけどもそれでもせめて、時間の有る限りはと……そう思っては、いけないの？」

U @ebleco

@sousakuTL 「僕だって、出来るならそうしたいさ。……さぁ、ラストゲームだ。『僕は３のカードを伏せる』。これが７より大きいか小さいか。選ぶのは君だ。君が当てれば通算で君の勝ち越し。もう十分だろう。ここらで続けてきたゲームにも切を付けよう。……『僕を信じてくれ』」

💤赤色るべら💤 @a_rubra

@sousakuTL 「出来ないとわかっていても、やれないと断じたくは無いのだもの……って、狡いじゃないですか、今それを言うのは。　しかも何ですかそれ態々その選択なんですか私それに答えるのすっごい癪なんですけど。　嗚呼、ああ、もうね。　もう、本当に── 　……小（Low）、で」

U @ebleco

@sousakuTL 「……ありがとう。僕は君が信じてくれたという事実だけで生きていける。……はてさて、言葉を選ぶも一興、心戯るもまた一興だ――――『ハートのQ(クイーン)』。嘘偽りなく、僕が天秤に乗せるものは、これだけだ。『天秤』は君を掲げない。僕が、君に嘘を吐こうともね」

💤赤色るべら💤 @a_rubra

@sousakuTL 「────くふ。っははははは！ 嗚呼、これはやられた、と言うべき所ですか？　天秤の片皿はとうに落ちて居た、さぞ滑稽に思われた事でしょう。嗚呼、けれど『信じて良かった』。 釣り合いを失った天秤は役割を果たして万々歳。私は永劫『貴方の心臓を乗せ続ける』でしょう」

💤赤色るべら💤 @a_rubra

@sousakuTL 「それではミスタ、お元気で（Good luck）」

U @ebleco

@sousakuTL 「……そうとも、『最初から落ちていた』よ。乗せた心臓は、君の方が重い。『持ち上がるのは僕だ』。こうやって、見下げられるのはさぞや不愉快だろうね。……さようなら、愛しのレディ。そうだ。最後に、君がこの部屋に来た時からずっと秘密にしていた事を教えてあげよう」

U @ebleco

@sousakuTL 「……今から開く『出口』は 　　　　　　　　　　　君の足元だよ」

💤赤色るべら💤 @a_rubra

@sousakuTL 「え────」