欠損家族暗チまとめ

はいどら◇原稿進捗垢 @hydraura

リゾット：先天欠損で左手義手、右足義足、左眼義眼。 プロシュート：列車事故で欠損。右腕義手。左脚不随。 ホルマジオ：幼少期に半身火傷。 イルーゾォ：生まれつき隻腕。病弱。 ギアッチョ：生まれつき声帯異常で喋れない。 メローネ：毒薬の後遺症で右半身麻痺気味。

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ペッシ：色素異常で肌が継ぎ接ぎみたいに変色してる。 ソルベ：猟奇事件に巻き込まれ両脚の脛から下切断。 ジェラート：重度の喘息。 ざっくりこんな感じの。

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うちの欠損家族暗チはリーダーと兄貴が最初一緒に住み始めてそれからどんんどん似たような境遇のやつら拾ってきたり施設から引き取ってきたりして最終的に大家族になるって話だから。

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欠損家族暗チホルイルの話。 イルーゾォは赤ん坊の時に施設に預けられた子供で、生まれつき腕もないし身体も弱いしで十代前半くらいになっても引き取り手が無くて施設でも厄介者扱いで、いつも庭の隅っこで花壇の花の世話したり敷地の柵越しにやってくる猫の相手とかしてて、

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ある日仲良しの猫と遊んでたら「お、ビアンカじゃあねえか」ってマジオがひょこって柵越しに顔出して、顔半分と片腕の火傷に一瞬度胆抜かれるんだけど猫がにゃあにゃあ鳴いてるのにめっちゃにやけた顔で眺めてるの見てああ悪い奴じゃあなさそうだなって思って、

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「この子、あんたの猫？」「いんや、市場で会った時によく煮干しやってるだけだ。こんなとこにも来てるんだな」マジオの手元に猫がじゃれついてくんだけどわりーな今日は煮干し持ってないんだって言ったら使えないなとばかりにそっぽ向かれてしゅんとしてるのを見てほんと猫が好きなんだなって思ったり

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それから何度か柵誤しに合う度に言葉を交わすようになって、イルーゾォの空っぽの片袖にも気付いてるのに何も触れないでいてくれたりするマジオに段々懐いていって、柵誤しに頭わしゃわしゃ撫でてもらうのが好きになって。マジオの火傷は小さい頃に自動車炎上事故で負ったものだとか、

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イルーゾォも自分の腕とか身体のこととかお互いに語り合って、随分仲良くなってきてた矢先、いきなりマジオが姿見せなくなって、どうしたんだろうって思うんだけどそういえば何処に住んでいるのかとか普段何してるのかとかも全然知らないことに気付いて、また来てくれるのを待つしかなくて

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一人でぽつんと庭の隅っこにいてマジオと会う前と変わらないはずなのに何でこんなつまらないんだろうって思いながら過ごしてて、そんなある日お前を引き取りたいっていう人がいるって突然施設の院長に言われて、こんなチャンス滅多にないんだから気に入られるように頑張りなさいって言われて

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緊張しながら面会したら一家の代表としてきたリゾットとイルーゾォからしたら数週間ぶりに見るマジオがいて。「なあイルーゾォ、お前俺達の家族にならないか」って火傷だらけの手を差し出されて、恐る恐る片方しかない腕を伸ばして初めてその手に自分から触れて、暗チ家に家族が一人増える、という。

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マジオが数週間姿見せなかったのはイルーゾォ迎え入れる為にリゾットに打診してたり引き取りの準備に忙しかったりしてたからで、本人としてはサプライズのつもりだったんだけど後でイルーゾォには服の裾掴まれて小さく「…さみしかった」って恨みがましそうに言われることになる。

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欠損家族暗チ兄貴とペッシの話。 ある日兄貴がいつものように脚のハンデも物ともせず一人で杖つかつか鳴らして買い物に出かけてた時、行きに6、7歳くらいの子供が一人で公園のベンチに座ってるの見かけて、おいおいあんな小さえガキ一人にして親は何してんだって思いながらも一旦は通り過ぎて、

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その後数時間かけて幾つかお店回って昼も食べつつ買い出し終えて、帰りに同じ道通ったらあれから結構時間経ってるのにまださっき見た子供が同じ所にいて、流石にこれはおかしくないかと近寄ってみる。公園の外から見た時は気付かなかったけどその子供は身体のあちこちがまるで継ぎ接ぎみたいに

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皮膚が変色してて、こりゃ変わってるなと思いつつ何してるんだって声かけたらお母さんを待ってるんだって返されて、何時くらいから待ってるんだって訊いたら時計の針があそこにあった時からって指した時間見てみれば優に4、5時間過ぎてて、これはおかしいと町の交番まで連れてく。

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道中の会話でその子供がペッシって名前だと知る。そこで色々話聞いてみても親への連絡先とかも分からなくて、交番のお巡りさん（アバさん）がペッシの見た目のこともあってこれは児童遺棄かもしれないってこっそり言ってきて、何だそりゃふざけてんのかって憤慨するも自分に出来ることはなくて

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そのまま警察に任せてその日は帰る。その後結局ペッシの親は見つからなくて、ペッシの話聞くにどうやら遠い街からわざわざここまで来てたらしくて本当に捨てにかかってたっぽいって分かって、そいつの居場所さえ分かれば平手した後説教にかかるのにってキレてる兄貴と

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そんな兄貴への対処が分からなくておろおろするしかないリゾット。それで親元に返そうにも返せなくてペッシが一時的に預けられてる所に顔出しに行く兄貴。そしたら「兄貴！」ってめっちゃ親しげにされていつの間にこんな懐かれてた！？って驚きながら何で兄貴なんだって訊いたら

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「だって兄貴は凄い人だから」って言われて。「俺のこの肌見ても変な顔せずに話しかけてきてくれた。そんな人、他にはいなかった」だから兄貴って呼ばせてって言われてあっこれもう他人事として見られねえってなる兄貴。兄貴と呼ばれたからにはもうこいつは俺の弟(分)だって

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完全に保護者スイッチ入って「引き取る」と心の中で思った時には既に行動は終わっているんだってあとリゾットのサイン入れるだけ状態の書類叩き付けてあっこれもう何言っても聞かないやつだって判断したリゾットが大人しくサインして、ペッシの引き取り決定、という顛末。

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欠損家族暗チリゾプロの話。 兄貴とリゾットは同じ学校に通ってた幼馴染で、リゾットは生まれつき欠損持ちで十代の頃にはもう慣れてるから日常生活にはあんまり支障ないけど自分から外出ようとしなかったから兄貴が問答無用で引っ張ってあちこち連れ回す役目で。

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リゾットのことはハンデあったって大抵のことは自分でこなすし人よりよっぽど器用なのに自分から動こうとしないから俺が引っ張ってやらなきゃなんないって思ってたんだけど、旅行先で列車事故に遭って、顔にも怪我して右腕は無くして左脚も派手に捻じれて動かせなくなって。

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入院してる病室にリゾットがやってきて。「左脚、もう動かねえんだってよ。補装具付けてリハビリすりゃ歩くことは出来るだろうが、一生杖は手放せないらしい」もう腕は一本しかなくて、その腕は杖を手放せなくなって。「もうお前の手を引いてやれねえな」って力なく笑う兄貴に、

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「俺と暮らさないか」って切り出すリゾット。「俺が、お前の手足になろう」「だからお前が、俺の手足になってくれ」自前と義眼の二つの瞳で自分を見つめながら言うリゾットに眉尻を下げる兄貴。「何だそりゃ、プロポーズか」「…そう思ってくれて構わない」

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大真面目な顔していうから、ははっ、ってさっきとは違う明るい笑みを漏らして。「おっかしい奴だな…」って俯いて肩震わせて、「あー…笑えすぎて涙まで出てきやがった」「…そうか」って、しばらく二人共何も言わずに残った左手と右手を繋いでいて。

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それで兄貴の退院と同時に二人暮らし始める感じかな。ペッシ拾う頃にはもうハンデ物ともしない勢いで元気だけど事故の直後の立ち上がるのにも不自由してたり腕の幻肢痛に魘されてたり電車の音が聞こえる度に顔面蒼白にしてたりしてた兄貴の弱い部分を知ってるのはリゾットだけっていう。