【TB腐向け】#一日一虎兎 2015年8・9月
魘される姿を目の当たりにして以来、心の底で願っていた。寝言だって構わない、俺を呼んでくれと。美しい男はいつしか俺の腕枕で惰眠を貪り、涎と一緒に俺の名を零すようになった。「来たぞ、ワイルドタイガーだ」むにゃ、と緩んだ唇にお決まりの台詞を注いでやれば、甘い舌が絡みつく。 #一日一虎兎
2015-09-24 13:38:24「虎徹さん確かバイソンさんとは学生の頃からの友人なんですよね?」「ん〜?それがどうした?」「学生の頃ってどんな感じでした?」「なんだよ急に」「いえ、僕が学生の頃は犯人への復讐しか頭になかったので友人とのあれこれがよく分からなくて」「あ〜、そうだな〜何から話そっか〜」 #一日一虎兎
2015-09-25 01:04:38俺の腰に跨がって恋人が微笑む。俺の片手は恋人の腰を掴んでいる。腹筋が割れてもまだ線の細い、青年の身体だ。「バニーもレジェンドみたく逞しくなんのかね」「そうしたら上に乗るのは止めてあげますよ」減らず口は可愛い。鍛えておくさと俺も笑った。俺の上でずっと尻を振らせてやる。 #一日一虎兎
2015-09-25 13:05:52しなやかな肢体が気取りなく伸びをする。情事の名残が一気に消えて、俺は思わず口を曲げた。「ちぇ、もうオネムかよ」「っ、はは!なんて顔!」睫毛の先端で小さな珠を弾いて、バニーは声を立てて笑った。仄温かな指先で俺の唇を摘まみ、「寝込みを襲っても構いませんよ」なんて嘯いて。 #一日一虎兎
2015-09-25 16:46:31一緒に寝ていると実はバニーの寝相があんまり良くないと知って、今、それを実感している。むっちむちの太ももにがっつり胴体挟まれちまって、ちっと苦しいんだけど、なんつーの…片手は体触れまくれる、乳首立ってきた、あ、ごめんごめんごめ、ちょっと絞めすぎ、バニー、ちょ、苦し…! #一日一虎兎
2015-09-26 07:26:24バニーん家は最近モノが増えた。顔をコロコロする機械とか土産物屋で売ってそうなマグカップとか。お前、そんな買物すんの!?ってちょっと驚いた。と、同時にちょっとにやけた。どんな顔して選んで、買って、使ってんのか。俺の想像の斜め上には知らないバニーがたくさんいるんだって。 #一日一虎兎
2015-09-28 00:20:43兎が起きた。ふわっふわの髪はあっちこっちぴょんぴょんして、まだ夢の中みたいな顔してる。体起こしてもゆらゆら揺れて、あ、ベッドに戻った。もぞもぞ布団に潜る兎を捕まえると引っ張り出すどころか引きずり込まれて、そこはあったかい兎の巣穴。…不埒に撫でて怒られるまであと少し。 #一日一虎兎
2015-09-28 07:17:26ぴかぴかの紺色スリーピース。真っ白なかすみ草の花束。車のルームミラーで髪を整え、ネクタイを締め直す。コンコン、と窓を叩く音にロックを外す。「迎え、ありがとうございます。花まで…」「大事な挨拶だからな」ふーっと息を吐きハンドルを握る。懐かしさと緊張をBGMに向かう先は。#一日一虎兎
2015-09-28 23:35:25楓からのメールには写真が添付されていた。『駅前のお店の新作!可愛くて食べられない!』と、掌にちょこんと乗った薯蕷饅頭。真っ白なその兎は、なんと眼鏡を掛けていた。「ごめんな、そいつはパパが喰っちまった。…甘かったなぁ」昨晩を思い起こして独りごち、さて何と返信しようか。 #一日一虎兎
2015-09-30 16:48:49