野口建彦『K・ポラニー 市場自由主義の根源的批判者』2011 の読書メモ
日本の経済学の主流は「ケインズ派」が占めていた。傾斜生産方式、大蔵省・経産省のガイドラインに行政指導。政府・中央銀行の介入は市場の機能を円滑にするという認識。
2015-08-31 23:28:31この野口さんと栗本先生は慶應経済の同期で、二人ともポランニーというのが因縁深い。この後、野口は数箇所で栗本を玉野井先生と一緒に参照するが、彼らが『人間の経済』をポランニーの主著と捉えて『大転換』の価値を低く見ているようなところがお気に召さないらしい。
2015-08-31 23:39:35p.33 "『大転換』を読もうとする人は、したがって、『大転換』を紐解く前に、ポラニーが歩んだ生涯がいかなるものであったかを知らねばならない。"
2015-09-02 21:47:56p.39 "後のユーゴスラビア大統領チトーやイスラエルのキブツの発案者オッペンハイマーは、モウジ-(カール/マイケルの姉)の信奉者だった。"
2015-09-02 22:00:43p.46 "ヤーシが党首を務める国民急進党が・・・1918年に民主連合政権を誕生させた。・・・カールは、30歳の若さで法相に任命されたのであった。"
2015-09-02 22:13:45p.58 "メンガーやその後継者ミーゼスの透徹した限界効用理論に基づく価格形成市場の有効性を否定することはできないという思いが、ウィーン時代のポラニーの脳裏を支配していたようである。"
2015-09-02 22:31:23p.63 "(ミーゼスと異なり)ケインズとポラニーは、・・・各国が第一次世界大戦の荒廃から復興するには、金本位制を離脱し、自己充足的経済と、国際協力と国際協調に基づく国際金融機関の設立と国際借款を軸にした新たな体制の構築しかないと考えていた。"
2015-09-02 22:43:29p.75 "アメリカ・カナダ時代のポラニーを、『大転換』を著した「経済史家」とは異なる顔を持つ「経済人類学者」であるとする人々は、『大転換』が比較社会論的視点に基づく書であることを見落としている。ポラニーは「経済史家」から「経済人類学者」に変身したわけではないのだ。"
2015-09-02 23:06:29社会を維持するために必要な財の流通プロセスを系として統一化し安定化する=制度化するのが、人間の社会における経済の「意味」なんだ、ということが読み取れる訳にして欲しい。
2015-09-02 23:22:52p.83 "ポラニーが「経済人類学者」であるのか、あるいは「経済史家」と「経済人類学者」という「二つの顔」を持つ研究者であるのか否かについては・・・"
2015-09-07 22:01:02