消費税引き上げは日米三十年経済戦争の勝利宣言(2013.10.2のポストから再掲)

2013.10.2のポストから再掲。 今読み返すと結構穴だらけですが大目に見てやってください 2015.9.17追記
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Tamejirou @Tamejirou

消費税引き上げは日米三十年経済戦争の勝利宣言(2013.10.2のポストから再掲)

2015-09-16 20:10:27
Tamejirou @Tamejirou

2013年10月1日に発表された、消費税率8%への引き上げについて思うところがあったのでまとめる。

2015-09-16 20:10:43
Tamejirou @Tamejirou

1980年代なかば、冷戦の終結が西側陣営の勝利という形で視野に入っていた。ソ連軍はアフガンで有利に戦いを進めていたが、国家全体としての経済事情が戦争完遂を許さなかった。核原潜を筆頭に、軍拡競争で後れを取っていたソ連は、冷戦から"降りる"決断をした。

2015-09-16 20:14:09
Tamejirou @Tamejirou

参考: 新・戦争学 (文春新書) 松村 劭 amazon.co.jp/exec/obidos/AS…

2015-09-16 20:14:15
Tamejirou @Tamejirou

ソ連が撤退したのは、映画にあるように元米軍兵士の英雄、ランボーが活躍したからではない。冷戦後の世界の枠組みが深刻に検討されていた。覇権国家の軍隊は仮想敵国なしには機能しない。候補に上がったのは中共、中東諸国、そして日本であったろう。中共、中東諸国がどのような目にあったかは後述。

2015-09-16 20:15:09
Tamejirou @Tamejirou

日本に対しては手始めに、冷戦体制の中で不当に低く押さえられていた円・ドル相場がやり玉に挙がった。朝鮮戦争以来、日本は反共の防波堤の最前線として潤沢な投資を受け、経済はめざましい速度で復興し発展を遂げた。その背景の一つとして、円・ドル為替レートが低かったことも寄与している。

2015-09-16 20:15:26
Tamejirou @Tamejirou

戦後のインフレによって円の価値が毀損したこともあるが、1971年までは1ドル360円の固定、1973年2月に変動相場制へ移行し、1985年初には250円台だった円相場が1986年末には一時160円を突破した。これは本稿の最重要テーマ、プラザ合意によるものである。

2015-09-16 20:15:37
Tamejirou @Tamejirou

日本の輸出産業は、自動車産業に端的に見られるように原料を加工して高付加価値を得る構造である。例えば円安で輸入原料価格が倍になったとしても、輸出販売価格も倍になるので利益はむしろ増える。逆に円高で、輸入原料価格が半分になっても恩恵は小さいが、輸出販売価格が半減すれば大打撃である。

2015-09-16 20:16:13
Tamejirou @Tamejirou

冷戦末期までは、当初は固定、その後も不当に安い円相場によって日本の外需依存産業は優遇されていたのである。これは西側諸国の製造業を圧迫するまでになり、1980年代米国での深刻なジャパン・バッシングの元ともなった。 そこで1985年のプラザ合意で……

2015-09-16 20:16:42
Tamejirou @Tamejirou

そこで1985年のプラザ合意で為替を大幅に円高方向へ修正することが既定路線となった。これにより輸出産業への手当が必要となった。1989年からの消費税の導入はそのための苦肉の策であった。

2015-09-16 20:16:56
Tamejirou @Tamejirou

消費税は国内での金銭の移動に伴い発生する税である。最終製品が輸出される場合には、外国の付加価値税等との二重取りを避けるためその額に応じた還付金が製造企業に割り戻される。消費税の輸出戻し税と呼称される制度である。

2015-09-16 20:17:46
Tamejirou @Tamejirou

これにより、自動車、機械等の輸出品目は、内需向けの製造業に対して相対的優位に立った。この制度がなければ輸出産業は壊滅的な打撃を被っていたと推測される。もちろん自動車産業を始め、生き残っている産業分野では徹底した合理化やシステムの刷新によってこの危機を乗り切った事を忘れてはならない

2015-09-16 20:18:06
Tamejirou @Tamejirou

鉄鋼業や炭鉱はこの時に壊滅した。なお、今なお脈々と続いている低燃費システムの開発、実用化は産油国に対し別の打撃を与えることにもなったが本稿のテーマからは外れるので割愛する。

2015-09-16 20:18:17
Tamejirou @Tamejirou

1990年代以来、橋本、小渕、森の各政権や中川親子、鈴木宗男などロシアと強いパイプを持つ集団が主導権を握った時期が確かにあった。また、小沢一郎を筆頭に2009年に政権をとった集団は反米親中である。消費税率7%への引き上げを目論んだ細川政権の国民福祉税構想……

2015-09-16 20:18:46
Tamejirou @Tamejirou

消費税率7%への引き上げを目論んだ細川政権の国民福祉税構想、橋本政権下での5%への引き上げなど、いずれも米国とは距離を置く政権の発想である。第二次安倍政権も、実はこの系列にある。消費税増税によって打撃を受けるのは、日本の庶民よりもむしろ米国内の製造業なのである。

2015-09-16 20:18:56
Tamejirou @Tamejirou

仮にも大蔵官僚たるものが、消費税の導入・引き上げにより景気が失速することを知らないはずがない。増収どころか、歳入総額が減ることも織り込み済みだろう。増税を成し遂げる事こそが大蔵官僚の最大の出世ポイントであるかのように世間一般で言われてはいるが、大蔵官僚もそこまで愚かではない

2015-09-16 20:19:16
Tamejirou @Tamejirou

太平洋戦争において、鍋釜や寺の釣鐘までも供出して兵器製造に充てたのと同様、庶民の暮らしから3%、5%を供出して輸出企業への補助金を捻出していたようなもの。輸出戻し税の還付制度は、大蔵官僚の苦心のすえ捻り出されたかなり良くできたシステムだが、代償として内需に永遠に足枷を嵌めるものだ

2015-09-16 20:20:03
Tamejirou @Tamejirou

これはあくまでも米国との経済戦争の一環なのである

2015-09-16 20:20:25
Tamejirou @Tamejirou

消費税の導入以来24年が経過したが、米国の自動車産業のメッカであったデトロイトは廃墟と化し、米政府は(ごく一部とはいえ)閉鎖の運びとなった。10月1日の消費税8%引き上げ表明は、日米30年戦争のクライマックスにおける一種の勝利宣言である。

2015-09-16 20:20:46
Tamejirou @Tamejirou

ちなみに他の2つの仮想敵国についてだが、中共をターゲットとした一連の取り組みでは1989年の天安門事件をピークとする民主化運動が起こった。人民解放軍はこれを強硬に弾圧した。最近のアラブの春と似た状況だったのだが、中共が世界から孤立しつつある中で日本が手を差し伸べ、政権は延命された

2015-09-16 20:21:20
Tamejirou @Tamejirou

イラクの隣には日本がなかったので、クウェートへ出兵したフセイン政権のイラクは20年にわたって米軍に蹂躙されることになった。日本はむしろ、海部総理から小泉政権にかけて一貫して中東への軍事介入を後押ししてきた。これは米軍の中東への深入りを誘うことでその力を削ぐことにも繋がった。

2015-09-16 20:21:28