『羽根生病 之 夢』【夢の話16】

実際に見た夢の話です。あっさりと忘れるせいで脈絡が無く、オチなんて物もありません。心の広い方向け。
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天晶 @tensyou99

電車の中で電子メモ帳をいじっていた。珍しく書ける気分であり、好調に打っていた。 と、気が付く。あれ?降りる駅、過ぎてるんじゃね? 完璧に過ぎていた。一つ二つの問題ではなかった。聞いたこともない駅名に血の気が引く。あわてて電車から飛び降りた。 #夢の話

2015-09-12 23:57:19
天晶 @tensyou99

2つのホームが2本の線路を挟んでいる形の、大きくはない駅だった。おそらく各駅だろう。屋根も階段があるとこにしか無く、自分が降りた場所であるホームの端には、青空が広がっていた。 放送は無かったが、なんとなく次の電車がすぐ来そうな感じがしていた。 #夢の話

2015-09-12 23:59:58
天晶 @tensyou99

というか、この朝の出勤アワーだ。確実に時間を置かずしてくるだろう。次の電車に乗り損ねるとやばい。どう頑張っても遅刻だ。自分は焦り、線路におりて向かいのホームまで横切ろうとする。(真似してはいけません)(真似、絶対駄目) #夢の話

2015-09-13 00:03:18
天晶 @tensyou99

思った通り、電車が来るとの放送がすぐに流れる。自分は向かいのホームの上に昇ろうとするが、やけに高く、上がれない。しかも全ての駅に設置されたはずの足場までない。電車の姿が、視界の端に入った。 レールを勢いよく蹴り、寸前で飛び退いて、電車をかわす。髪が風で暴れた。 #夢の話

2015-09-13 00:05:05
天晶 @tensyou99

止まった電車に駆け寄り、開けてくれよと、扉を腕を伸ばして叩く。しばらくすると、扉が開いた。ナイス判断だ、運転手!と、心の中だけで運転手に賛辞を送るとなんとか昇ろうと腕に力を込める。 #夢の話

2015-09-13 00:06:57
天晶 @tensyou99

ちらりと見えた電車の中には誰もおらず、手伝ってはもらえないということに落胆する。 やはり高すぎる。自分は一縷の望みをかけて、電車から少し距離をとった。発車ベルが鳴り響く。 #夢の話

2015-09-13 00:10:52
天晶 @tensyou99

自分は助走をつけて電車へと走ると、車内の床に両手を勢いよく叩きつけ、一気に上半身を持ち上げる。そして、へそを見るようにして身体を丸め、ドアレールに引っかけた指を基点にして、力業で文字通り車内に転がり込む。足先をドアがかすめ、バタンという閉まる音がした。 #夢の話

2015-09-13 00:12:12
天晶 @tensyou99

がたんごとんと、電車が揺れ始める。仰向けになっていた自分は、ゆっくりと起きあがると、ふう、と一息着いた。 そして、何こんな無茶してんだ自分…と、車内で一人頭を抱える。しかし、これでおそらく会社には間に合うだろう。 #夢の話

2015-09-13 00:13:58
天晶 @tensyou99

駅に着き、このバスであってるよなと、ドキドキしながらバスに乗る。いつもは歩きなのだ。畑が民家より多い道をバスは走っていく。やがて、畑さえも見かけなくなっていく。 そして、山奥としか言いようがない場所で自分は降りる。 #夢の話

2015-09-13 00:15:57
天晶 @tensyou99

辺りに人気を感じることができない。しばらく舗装されていない山道を登っていくと、防空壕の入り口のような場所に着く。 自分はICカードを出してなにもない壁面にかざす。すると、見た目よりもずっと重厚な扉が自動で横へとスライドした。 #夢の話

2015-09-13 00:18:06
天晶 @tensyou99

扉の奥には近代的な通路が続いていた。何とか間に合ったなと思いながら、自分は廊下の突き当たりにある階段を下っていく。入場ICカードがタイムカードの機能もはたしているのだ。 #夢の話

2015-09-13 00:19:23
天晶 @tensyou99

しばらくして着いたのは、ホールのような広さを持った空間だった。天井も高く、しかも薄暗いせいで果てを見ることができない。 #夢の話

2015-09-13 00:23:09
天晶 @tensyou99

真ん中にはホールの広さに対抗するかのように、巨大ピラミッドのような三角形が鎮座している。石とプラスチックと金属のあいのこのような感じで、何の物質でできているかイマイチよく分からない。 #夢の話

2015-09-13 00:23:55
天晶 @tensyou99

薄暗い中、自分から少し離れた場所に2人の人影を見つける。白衣を着た男女だ。何かを言い争っている。女性は自分と同じか少し若いぐらいで、男性は落ち着いた雰囲気を纏っている初老の人物だ。実はこの2人、親子である。親子ゆえか言い争うことが多く、ああいった風景も珍しくはない #夢の話

2015-09-13 00:28:50
天晶 @tensyou99

自分は、またかと、その風景を一瞥すると別の方向へと進み始める 不意にやあ、と明るい声がかけられた。そちらに顔を向ければ2人の男性がいた一人は白衣を纏い、もう一人はタンクトップという薄着姿だった 珍しくぎりぎりだねと、からかうようにタンクトップの方が自分に話しかけてくる。 #夢の話

2015-09-13 00:30:09
天晶 @tensyou99

最初に声をかけてきたのもこいつだろう。二の腕には細く黒いリボンが一本ずつ結んである。そして右腕に結んであるリボンの少し上の所からは平面的な羽根2枚、が引っかかるように生えていた。小さく弱々しいそれは、黒と白のグラデーションで、時々風もないのに煙のようにゆらゆらと揺れた。 #夢の話

2015-09-13 00:31:53
天晶 @tensyou99

随分と育ってきたね、と自分はそれを見ながら言う。自分はこの研究所でこの『病』に関して研究している。2人と一緒に部屋の隅ある長いエスカレーターへと向かった 飛べないけどね、と笑いながら彼は2枚の羽根をパタパタとはためかせる。ある程度ならば自分の意志で動かすことができるのだ #夢の話

2015-09-13 00:33:41
天晶 @tensyou99

上手く生えれば飛べるじゃないかと自分は肩をすくめる。それがこの病の不思議な点のひとつであった。ある一定程度まで羽根が育つと発症者は物理法則を無視して、飛ぶことができるのだ。 上手く生えればね、と彼は自分の羽根を指でついっと撫でる。 #夢の話

2015-09-13 00:35:55
天晶 @tensyou99

羽根は様々な場所に生えることがわかっている。そして、腕に生えた場合は必ずしも飛べるようになるわけではない。発症者のバランス感覚、羽根の成長具合、両者が優れていた場合のみと飛ぶことができた。 #夢の話

2015-09-13 00:45:50
天晶 @tensyou99

彼はダンサーである。そのため、バランス感覚の点だけでいえば問題はないだろう。あとは羽根の成長具合だけだ。 その点、君はいいよね、と彼はこちらを見ながら言った。 まあ、上手く生えればだけどね、と自分は苦笑しながら再び肩をすくめる。 #夢の話

2015-09-13 00:47:12
天晶 @tensyou99

実は自分も病にかかっている一人であった。自分はこの研究所の研究員であり、被験者なのだ。自分はまだ発症していないが、生えてくる場所はもう特定されている。 場所は背中であった。背中に生える発症者の多くは、余程のことがない限り空を飛ぶ事ができた。 #夢の話

2015-09-13 00:49:18
天晶 @tensyou99

上手く生えるといいね、と彼はこちらの背中を見ながら、呟くようにそう言った。 #夢の話

2015-09-13 00:52:13
天晶 @tensyou99

で、終了。 仰向けに寝れるなら生えても良いかな。

2015-09-13 00:53:41