実写映画『進撃の巨人 エンド オブ ザ ワールド』は、『ブルース・リー/死亡の塔』のリー退場後のグダグダに似た燃えカス作品。

天野譲二@『幻の未発売ゲームを追え！』発売中 @TOKYOMEGAFORCE

『進撃の巨人 エンドオブザワールド』鑑賞。88分のうち、前編のダイジェストが5分。巨人から元に戻ったエレンは現地で即刻処刑されそうになるが、謎の巨人によってその場にいた人間の殆どが殺害され、エレンは奪われる。エレンはシキシキマに救出され、彼は巨人は人間が創ったものだと教えられる。

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シキシマは壊滅した筈の調査兵団の残党を率いており、エレンは協力を誓う。生き残ったアルミン達は不発弾を利用して壁を崩す事を計画する。しかし彼等はシキシマ達に襲撃され、彼等は世界の秩序を破壊する為に、残された内側の壁を不発弾で破壊すると宣言。エレンとミカサ達はシキシマと袂を分かつ。

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ミカサ達を逃がす為にサンナギがシキシマ達を道連れに死亡。シキシマは巨人の正体を現し、やはり巨人化したエレンと仲間達は彼を倒す。不発弾で壁を破壊して穴を塞ごうとする彼らの前に、死んだはずのクバルが現れ、超大型巨人の正体を現す。超大型巨人の力にジャンか殺され、爆弾が奪われそうになる。

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そこにシキシマが現れると、巨人となって爆弾と共に超大型巨人に特攻。兵は崩れて穴は塞がった。エレンとミカサは初めて見る塀の外、海に思いを巡らす。……しかしその二人をビデオカメラで眺めている存在があった。

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まず前作は、今年のNo.1に挙げてもいいくらい俺は大好きである。冒頭の巨人の街襲撃シーンは絶品であった。でこの続編、そういうシーンが皆無で、巨人はメインの3体を除くと、遠景に見えるぐらいで、殆ど出番無し。エレンとシキシマと超大型巨人との戦い以外は、もうひたすらトークバトルである。

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んなB級モンスター映画じゃあるまいし、特撮の見せ場が小出しで、後は数人の主人公達が怒鳴り合って逃げ回っているだけでは、面白い訳がない。ブルース・リーが冒頭30分で姿を消した後の『ブルース・リー/死亡の塔』みたいな、燃えカスのような作品である。

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仮想敵を創って市民を虫けらのように恣意的に動かす権力側と、そんな市民を平和ボケと断じて犠牲にしてその秩序を破壊しようとするシキシマという、安倍晋三的な冷血漢二者の間に立たされて、自分の道をエレンが切り開くという物語の構図は、悪くない。

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ただ、原作は粗いなりにもその辺の政争を描いていたが、本作ではその辺は少人数でギャーギャー口で説明して終わりであり、物語を小さく小さくまとめようとして収束して行った展開は、面白味がまるでない。前作より大幅にスケールダウンした完結編（？）って何だよ、それ。説得力のある画で見せろよ！

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そんな感じで前作好きの俺でも擁護したくない作品だったが、バカ映画だと割り切りはっちゃけている石原さとみと、ミカサ役が思いの他絵になっている水原希子と、女優陣は奮闘。おめーもはや調査兵団じゃねーよのパワータイプを演じた松尾諭も印象的。役者が熱演力演していただけに、余計に腹が立つ。

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そういう訳で、大幅にスケールダウンした完結編（？）、DVD化する時は再編集して一本にして、存在を消した方がいいですね。ナンボ何でも、これはひどい。俺的に正しい見方をするなら、前作の街襲撃シーンだけ観て、そのままスイッチを切るのがベスト。当然前作が嫌いな人は、見る価値はゼロである。