アメリカの債務上限問題 ~ 共和党の強硬派(ティーパーティー)がオバマケアを阻止するためにデフォルト危機を利用する

「オバマケアを看板政策とする民主党に対し、これを何とか葬りたい共和党は、実施1年延期を暫定予算成立と債務上限引き上げの条件とした。また民主党の富裕層への増税案に反対し、歳出削減を強化することを求めた。」 進化論を否定し旧約聖書を信じるキリスト教保守派やティーパーティが、小さな政府(減税&歳出削減)を志向してオバマケアに強硬に反対している。
0

米債務上限問題、共和党が再び交渉材料に利用も

2013年 03月 22日 10:31 JST
[ワシントン 21日 ロイター] 米共和党のベイナー下院議長は21日、歳出削減を実現するため、債務上限問題を再び交渉材料に利用する可能性を示唆した。議長が債務上限の引き上げには相応の歳出削減が必要との認識を示したことで、2011年の米国債格下げにつながった債務上限問題が繰り返される恐れもある。

連邦債務は5月19日頃に上限に達する見通し。上限到達後も、財務省の緊急措置で7─8月までは国債の利払いなどに支障はないとみられるが、その後は再び債務上限の引き上げが必要になる。

ベイナー議長は定例会見で、歳出削減を目指す方針を表明する一方、「連邦政府の信頼と信用を危険にさらすつもりはない」と発言。

議長の事務所はその後、議長の目的はデフォルトではなく、オバマ政権から歳出削減を引き出すことだと述べた。

共和党が債務上限問題を実際に駆け引きの材料にするかは不透明。

同党は以前から歳出削減を迫る材料として債務上限問題を利用してきたが、今年1月には方針を転換、債務上限を5月19日分まで引き上げることに同意している。

リンク ダイヤモンド・オンライン 土壇場で合意も一時しのぎ リスク増す米国債務上限問題 世界経済を危機に陥れかけた米国の政治闘争は、ギリギリで妥結した。10月16日、米国の暫定予算と債務上限引き上げ法案が、上院・下院で可決された。暫定予算成立の遅れによる一部政府機関の閉鎖は2週間以上に及んだ。

土壇場で合意も一時しのぎ リスク増す米国債務上限問題

2013年10月28日
 世界経済を危機に陥れかけた米国の政治闘争は、ギリギリで妥結した。

 10月16日、米国の暫定予算と債務上限引き上げ法案が、上院・下院で可決された。暫定予算成立の遅れによる一部政府機関の閉鎖は2週間以上に及んだ。

 さらに深刻だったのは債務上限の引き上げ問題で、もしこれに失敗すれば、政府の資金繰りがつかなくなり、国債の利払い停止などのデフォルト(債務不履行)という最悪の事態に陥りかねなかった。米財務省が資金繰りの限界として示した期限は10月17日であり、まさに土壇場での成立だった。

焦点となったのは、民主党が打ち出している医療保険制度改革、いわゆる「オバマケア」と、財政再建の方法だ。オバマケアを看板政策とする民主党に対し、これを何とか葬りたい共和党は、実施1年延期を暫定予算成立と債務上限引き上げの条件とした。また民主党の富裕層への増税案に反対し、歳出削減を強化することを求めた。

 予算と債務上限引き上げをめぐる民主党、共和党の駆け引きは毎年の恒例行事となりつつあるが、今回は両党ともことさら強硬であり、デフォルトを“人質”にして、妥協を拒み続けた。しかし、経済への影響を顧みない政治闘争は国民の反発を招き、特に共和党の支持率は急落。最終的には共和党側が大きく譲歩する形となった。

来年1月には問題再燃

 ただし、今回を乗り切っても、問題が解決したわけでは全くない。

 成立する予算は2014年1月15日までの“暫定”であり、債務上限引き上げも、2月7日までの一時しのぎにすぎない。来年1~2月には、また同じことが繰り返されるのである。

 社会福祉の重視から“大きな政府”に向かいがちな民主党と、自由競争を重視し“小さな政府”を是とする共和党の隔たりは大きい。「意見が合うわけがない状態」(桂畑誠治・第一生命経済研究所主任エコノミスト)だ。「国民自体の意見が二分され、両党とも妥協がしにくくなっている」(安井明彦・みずほ総合研究所政策調査部長)。

 実体経済への影響も無視できない。すでに住宅販売や観光業などで政府機関閉鎖による下押しが明らかになっているが、この先も不透明性が続くことで、消費者や企業のマインドが悪化し、設備投資や雇用に悪影響を与える恐れがある。

 市場は、繰り返される茶番劇に慣れてしまい、実際にデフォルトになることはない、と高をくくっている。今回も、乱高下はあったものの、さほど大きなものではなかった。

 確かに、デフォルトの確率は小さい。だがゼロではなく、リスクは次第に高まっている。「債務上限問題がここまでこじれたことは従来なかったのだが、その意味を市場はまだわかっていない」(鈴木敏之・三菱東京UFJ銀行シニアマーケットエコノミスト)。

 危機にまでは至らなくとも、同様の駆け引きが今後も続けば、米国への信認は少しずつむしばまれていくだろう。そして、ひとたびリスクが現実になれば、世界はリーマンショック時以上の打撃を被りかねない。

リンク www.bloomberg.co.jp 米下院:無条件での債務上限引き上げ法案を可決-共和党譲歩 - Bloomberg 米下院は11日、連邦債務上限の適用を2015年3月まで停止する法案を可決した。共和党が譲歩し、無条件での債務上限引き上げを求めた オバマ 大統領と民主党が勝利した形となった。

米下院:無条件での債務上限引き上げ法案を可決-共和党譲歩

2014/02/12
  2月11日(ブルームバーグ):米下院は11日、連邦債務上限の適用を2015年3月まで停止する法案を可決した。共和党が譲歩し、無条件での債務上限引き上げを求めたオバマ大統領と民主党が勝利した形となった。
採決は賛成221、反対201。法案は民主党が多数の上院に送付され、リード民主党上院院内総務はできる限り迅速に行動すると述べている。オバマ大統領と上院民主党は債務上限問題での交渉を拒否。米産業界は政府の借り入れ権限が尽きる事態が起こらないとの確証を望んでいた。
民主党のホイヤー下院院内幹事は採決前に、米国が債務上限引き上げによって債務支払い義務を果たし、安定性をもたらすかどうかが問題になると発言していた。
共和党のベイナー下院議長は同党内で法案可決に必要な票の取りまとめに苦労した。賛成票を投じた共和党議員はベイナー議長のほか、キャンター下院院内総務、キャンプ下院歳入委員長ら28人。一方、2人の民主党議員が反対に回った。
ダービン民主党上院院内幹事は同法案通過に60票が必要な場合、それを確保できる見通しかとの質問に対し、「60票が必要となっても大丈夫だと思う」と答えた。
原題:House Passes Measure Suspending Debt Limit Until March 2015 (1)(抜粋)

リンク ハフィントンポスト 「オバマ大敗」でも足並み揃わない共和党【アメリカ中間選挙】 米中間選挙で上下両院を制した共和党は、この勝利を今後にどう生かすかをめぐって内部の足並みがそろっていないように見受けられる。

「オバマ大敗」でも足並み揃わない共和党【アメリカ中間選挙】

2014年11月06日
[ワシントン 5日 ロイター] - 米中間選挙で上下両院を制した共和党は、この勝利を今後にどう生かすかをめぐって内部の足並みがそろっていないように見受けられる。一部の議員はオバマ大統領への攻撃を強める機会としたい考えだが、滅多に実現しない超党派の法案成立につながるような民主党との妥協に期待をかける声もある。

党内意見の非常に大きなばらつきは、ジョン・ベイナー下院議長と新たに上院多数党の院内総務に就任する見通しのミッチ・マコネル氏に突きつけられた課題を早速浮き彫りにしている。両氏は今後、党内の保守派と穏健派を1つにまとめる方法を探り当てて、共和党が単にオバマ氏の政策課題の邪魔立てをしているだけでなく統治能力があるのだと国民に証明しなければならない。

もしも共和党保守派が、政府機関閉鎖や市場の動揺を招く政治的行き詰まりにつながるオバマ政権との対立を求めれば、2016年の大統領選で勝利して議会も再び支配したいという同党のもくろみがついえる恐れがある。

マコネル氏は5日、連邦債務上限の引き上げ問題をめぐり、政府機関の閉鎖やデフォルトは引き起こさないと明言した。ただ債務上限を引き上げる代わりに、来年度の予算編成過程でより多くの歳出を削減することに含みを残した。

一方で最も保守的なグループに属するマイク・リー上院議員は、債務上限問題に歳出削減を絡めるという議論の分かれる戦術も排除しない意向を表明。ロイターに対して「これは検討可能な多くの選択肢の1つだと思う。すべての選択肢は俎上に乗せられるべきだ」と語った。

来年から始まる新議会で共和党がどのように議会を掌握していくのかを探る上での最初の手掛かりは、12月半ばまでに得られそうだ。この時期には今回の選挙前の勢力図の議会が、あらためて財政資金手当てに関する法案を可決しなければ、再び政府機関が閉鎖に追い込まれることになる。

■強硬派と交渉支持派

中間選挙で国民は民主党に厳しい審判を下したとはいえ、各種出口調査では議会の党派対立にはうんざりしていて、こうした醜態の責任は民主・共和両党にあるとの見方が示された。

それでも共和党の中には、歩み寄ろうとする気配を見せない人々も存在する。

草の根保守運動「ティーパーティー(茶会)」系のラウル・ラブラドル下院議員はインタビューで「多数派を獲得しながら、妥協しなければならないという話は聞いたことがない」と言い切る。同議員らのグループは昨年、ベイナー下院議長の追い落としを図った。

これに対してベイナー氏の側近であるトム・コール下院議員は、対決よりも交渉を支持するとの考えを示した。

コール氏は「希望的観測では、今後はオバマ氏が偉大な業績を残そうという態勢に入り、共和党も2016年の選挙勝利につなげるため何らかの実績を作る必要があると認識しているので、かなり生産的な政治局面になり得る」とみている。

逆にコール氏が懸念するのは、民主党の次期大統領候補が「議会で多数派となった共和党は何も仕事をしなかった」と批判できるよう、民主党があらゆる法案成立の足を引っ張る事態だという。

■悲観論も

ベイナー氏は、マコネル氏とともに新議会では雇用や経済に関する問題に迅速に取り組み、手始めに下院で以前可決されている多くの雇用関連とエネルギー関連の法案を推進していく方針を表明したとされる。

民主党にとっては、これらのうち一部の雇用関連法案には賛成できるとしても、医療保険改革(オバマケア)の全面的もしくは部分的な撤回や気候変動問題に関する規制適用の停止など多くは反感を呼ぶものだ。

オバマ氏はこうした共和党の試みには拒否権を発動しながら、気候変動や移民の問題では大統領令を駆使して突破する見通しで、そうなれば今後は共和党側が激怒する可能性が大きい。

かつてハリー・リード民主党上院院内総務の側近だったジム・マンリー氏は、最近の経緯を踏まえると、今回の共和党の勝利によって政治の膠着状態はこれから悪化してく一方になるとの悲観的な見通しを示した。

■法案提出

共和党のジョン・ホーベン上院議員はインタビューで、同党は来年第1・四半期にカナダとメキシコ湾岸を結ぶ「キーストーンXL」パイプライン計画を承認する法案を早急提出すると発言。この法案は、オバマ氏が議会と一緒に仕事をするつもりがあるかどうかの試金石になるとしている。オバマ氏はこれまで、環境団体が反対しているキーストーンXL承認に関する判断を下すことを拒んできた。

また共和党は来年、人気のないオバマケアの医療機器課税の撤廃や大統領への貿易促進権限(TPA)付与、天然ガス輸出促進といった分野で採決を行う可能性もある。

こうした中で一部の共和党議員側近は、オバマ氏がリード院内総務を介さずに直接マコネル氏やベイナー氏に話をしなければならなくなるので、ある程度の信頼関係が築かれ、来年中により大きな政治的妥協に向けた交渉に弾みがつく展開もあり得るとみている。

だがこうした協議が常に生産的な仕事につながるわけではないことは政界の人間ならだれもが重々承知している。昨年もオバマ氏と共和党上院議員グループが数回にわたって話し合ったが、大規模な予算合意は成立しなかった。

(Richard Cowan and David Lawder記者)

リンク Reuters Japan 米債務上限引き上げは急がず、デフォルトは回避=上院共和党幹部 米共和党のマコネル上院院内総務は8日、議会は連邦政府の債務上限引き上げを急がないとする一方、債務不履行(デフォルト)を回避するのに間に合うよう行動すると述べた。

米債務上限引き上げは急がず、デフォルトは回避=上院共和党幹部

2015年 03月 9日
[ワシントン 8日 ロイター] - 米共和党のマコネル上院院内総務は8日、議会は連邦政府の債務上限引き上げを急がないとする一方、債務不履行(デフォルト)を回避するのに間に合うよう行動すると述べた。

マコネル氏はCBSの番組に出演し、「債務上限問題は数カ月かけて処理する」と指摘。その上で、上限の引き上げにはその他の重要な法案が付帯する可能性があるとしたが、詳細については触れなかった。

政府は今月15日前後に債務が上限に達すると見込んでいるが、緊急措置により債務の返済は継続できる。議会予算局(CBO)は、こうした措置でも10月か11月にはデフォルトに至るとみている。

ルー財務長官6日、できるだけ速やかに債務上限を引き上げるよう議会に要請した。

リンク WSJ Japan 米連邦債務上限問題が再燃―共和党内分裂で複雑化 このままならば15日には到達してしまう米連邦政府の債務上限をめぐる政治的駆け引きが再燃している。

米連邦債務上限問題が再燃―共和党内分裂で複雑化

2015 年 3 月 14 日 09:07 JST
 このままならば15日には到達してしまう米連邦政府の債務上限をめぐる政治的駆け引きが再燃している。以前の駆け引きと同様、党利党略と瀬戸際戦略に基づく戦いになりそうだ。

 米財務省は、現在の上限のままでもその到達を先に延ばす具体的な準備を始めた。この財務省の緊急対応と歳入が前回の景気後退以来最も多くなる見通しから、上限の引き上げなしにもある程度の先延ばしが可能なようだ。一部の試算では、ある部分の年金支払いを中断するなどの例外措置を使えば上限到達を10月ないし11月まで先延ばしできる。

 今回については、上限引き上げの交渉を複雑化させかねない二つの力学が働いている。今や上下両院を支配する共和党がその賛否について内部分裂していることがその一つだ。共和党長老議員らは、デフォルト(債務不履行)転落の脅しをせずに上限を引き上げると公約しているが、それは政治的にまずいとみる同党の一部議員が反乱を起こす様相だ。もう一つは、交渉期間が来年度予算の承認期限の今秋まで続く可能性もあることだ。

 ボブ・コーカー上院議員(共和、テネシー州)は「議員になって8年3カ月となるが、過去のどの上限引き上げ交渉も簡単ではなかった」と話す。

 オバマ大統領も政権内高官も従来からの立場として上限の引き上げを引き換えとする予算や政策変更の交渉には応じないとしている。

 大統領経済諮問委員会(CEA)のジェイソン・ファーマン委員長は「われわれは、彼ら(共和党議員ら)が不要な瀬戸際戦略やドラマ性を持たせることなくすませる(上限を引き上げる)ことを信じているし、また強く希望している」と話す。

 債務上限の引き上げても、政府の予算支出の増加を認めたことにはならない。これまで負った債務の返済のために借り入れを単に認めるだけだ。

 債務上限の引き上げはつい最近まではほぼ自動的に承認されていたが、ここ数年は議会野党が瀬戸際戦略を繰り広げるのが新たな常態となった。上限引き上げを懸念する保守派議員は、この交渉を財政支出の規律を強めるための圧力手段として使うようになっている。

 15日にも到達してしまう現在の債務上限は17兆2000億ドル(約2090兆円)だが、議会予算局は今回は上限を18兆1000億ドル程度に引き上げる必要があると試算している。

 上院院内総務のマコネル議員(共和、ケンタッキー州)は、デフォルトの可能性で脅さずに上限を引き上げると表明している。共和党議員らがひとつの可能性として議論しているのが、予算に関連する一部の措置を単純過半数で成立させる「リコンシリエーション(仲裁)」の手続きによる上限引き上げだ。

 ただ、下院の大半の保守派議員がマコネル上院院内総務ら共和党指導部の市場を混乱させずに債務上限を引き上げる計画を挫折させる可能性がある。マット・サーモン下院議員(共和、アリゾナ州)は「いかなる状況でも上限を引き上げるとはいえない。われわれは何らかの合理的な条件を出せると思う」と話した。

リンク 産経ニュース ベイナー下院議長辞任表明 米共和党重鎮 「オバマ政権に融和的」強硬派から圧力 【ワシントン=加納宏幸】米共和党のベイナー下院議長(65)は25日に記者会見し、10月30日に議長を辞任し、下院議員も引退すると正式に表明した。オバマ米政権に融…

ベイナー下院議長辞任表明 米共和党重鎮 「オバマ政権に融和的」強硬派から圧力

2015.9.26
 【ワシントン=加納宏幸】米共和党のベイナー下院議長(65)は25日に記者会見し、10月30日に議長を辞任し、下院議員も引退すると正式に表明した。オバマ米政権に融和的だとして党内の強硬派から辞任を求める声が根強かった。ベイナー氏自身も、「指導部の混乱が長引けば、議会に取り返しの付かない害を及ぼすことになる」ためだ理由を説明した。

 中西部オハイオ州選出のベイナー氏は1990年に初当選し、現在は13期目(下院任期は2年)。保守系草の根運動「ティーパーティー」(茶会)のブームで、共和党が下院で過半数を奪還した2010年中間選挙を受け、11年1月に下院議長に就任した。

 ただ、茶会系を含む強硬派からは、オバマ政権の医療保険制度改革(オバマケア)などで政権に妥協的であるとの批判を浴び、辞任要求にさらされてきた。

 共和党の強硬派は10月からの16会計年度の予算で、人工妊娠中絶に関わる非営利組織「全米家族計画連盟(PPFA)」への補助金を打ち切るよう求め、政府機関の一時閉鎖に追い込む構えをみせている。辞任表明で、一時閉鎖は回避される見通しが強まった。

 ワシントンでは25日、中絶や同性婚に強硬に反対する宗教保守系団体が次期大統領選の共和党候補を招いた集会を開催。候補の一人、マルコ・ルビオ上院議員がベイナー氏の辞任を伝えると、聴衆から盛大な歓声と拍手が起こった。

 ベイナー氏の後任にはマッカーシー院内総務が有力だが、同氏は強硬派とも良好な関係を保っているとされる。今後、16年11月の大統領選に向けて、新指導部がオバマ政権との対決姿勢を強める可能性がある。

 オバマ米大統領は25日、ホワイトハウスで開かれた中国の習近平国家主席との共同記者会見で、記者団から辞任表明について質問を受け、ベイナー氏を「愛国者」であるとたたえるとともに、「統治に100%はなく、国民のためには意見を異にする人とも協力しなければならないことを理解していた」と評した。

リンク 朝日新聞デジタル 米共和党、主流派と強硬派の対立激化 下院議長選び混乱:朝日新聞デジタル 米上下両院で多数を握る共和党内で、主流派と保守強硬派の対立が激化し、下院議長選びが立ち往生している。8日に党内投票を予定していたが、すでに辞意を表明したベイナー議長の後継として有力視されたマッカーシ…

米共和党、主流派と強硬派の対立激化 下院議長選び混乱

ワシントン=佐藤武嗣2015年10月11日20時21分
 米上下両院で多数を握る共和党内で、主流派と保守強硬派の対立が激化し、下院議長選びが立ち往生している。8日に党内投票を予定していたが、すでに辞意を表明したベイナー議長の後継として有力視されたマッカーシー下院院内総務が保守強硬派の抵抗を受けて突然出馬を辞退。同党は投票を延期したが、見通しは立たないままだ。

 マッカーシー氏は8日の党の会合で「我が党は完全に割れており、一人のリーダーの下に団結する必要がある。私は議長選から辞退する」と突然切り出した。

 同党内の大半は主流派、同氏支持だが、オバマ政権に対して妥協的な議会運営をしてきたとして執行部に不満を募らせる保守強硬派「自由議員団」約40人が、保守派のウェブスター議員に投票する方針を決定。

 議長に選出されるには下院議員(定数435)の過半数の獲得が必要で、保守強硬派がマッカーシー氏に投票しなければ、議長選やり直しが必至のため、同氏が辞退した格好だ。共和党内では主流派と保守強硬派の対立が先鋭化。ベイナー議長も、強硬派からの突き上げに嫌気がさし、今月末の引退を表明している。(ワシントン=佐藤武嗣)